従業者名簿 宅建 記入例と正しい書き方・管理のすべて
アルバイトは名簿不要だと思って省略すると、業務停止処分を受けることがあります。
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従業者名簿(宅建業)の概要と法的根拠
宅地建物取引業法(以下、宅建業法)第48条第3項では、宅建業者に対して事務所ごとに従業者名簿を備え付けることを義務付けています。根拠となる施行規則は第17条の2で、名簿の記載事項が細かく規定されています。この名簿は単なる社内書類ではなく、取引関係者が請求した場合に閲覧させる義務を持つ公的性格の強い書類です。
従業者名簿に記載すべき事項は以下のとおりです(令和7年4月1日改正後の最新版)。
- 従業者の氏名
- 従業者証明書の番号
- 主たる職務内容
- 宅地建物取引士であるか否かの別
- 当該事務所の従業者となった年月日
- 当該事務所の従業者でなくなった年月日(退職者がいる場合)
令和7年4月1日以降は大きな改正が入りました。それが「生年月日」と「性別」の記載欄の削除です。改正前の様式には生年月日・性別の欄がありましたが、令和7年4月1日施行の宅地建物取引業法施行規則の改正により、この2項目が削除されています。さらに遡ると、平成29年の法改正でも「住所」の記載が除かれていました。
最新の様式に切り替えているか、一度確認が必要です。
なお、名簿は紙のファイルだけでなく、事務所のパソコンのハードディスク等に記録し、ディスプレイの画面で閲覧できる状態にしておく電子管理も認められています。紙での管理が面倒な事務所では、エクセルなどで管理しつつ閲覧請求に即座に対応できる体制を整えておく方法が現実的です。
参考:令和7年4月1日 従業者名簿様式変更の詳細(行政書士MSオフィス)
【令和7年4月1日~】従業者名簿・標識(宅地建物取引業者票)の様式変更について【宅建業免許】
従業者名簿(宅建)の記入例|氏名・番号・職務内容の書き方
従業者名簿の記入でもっとも迷いやすいのが、従業者証明書番号の振り方です。ここを間違えると更新申請のときに指摘を受けることになります。正確に押さえましょう。
従業者証明書番号は6桁の数字で構成されます。番号の意味は以下のとおりです。
- 1桁目・2桁目(AA):従業者が雇用された年(西暦)の下2桁。当初免許時点で従業者だった場合は、当初免許の年の下2桁を記入します。
- 3桁目・4桁目(BB):従業者が雇用された月(2桁。1月なら「01」)。当初免許時点の場合は免許を受けた月を記入します。
- 5桁目・6桁目(CC):代表者を「01」として始まる通し番号。年月に関わらず、全従業者を通算で番号管理します。
例として「200809」という番号は、2020年8月に雇用された、代表者から数えて9番目の従業者ということです。通し番号が肝です。
間違いやすいのは、同じ月に入社した人たちでグループを作り、そのグループ内で「01から」振り直してしまうケースです。正しくは年月に関係なく全員分の通算番号を継続して振ります。
また、退職者が出た場合は退職者の番号は欠番とします。新しく雇い入れた従業者に対して、その番号を再利用することは認められていません。この点も頻繁に誤りが起きやすいポイントです。
職務内容の記載例としては、代表取締役→「代表取締役」、営業担当→「営業」、事務→「営業事務」や「総務」などと記入します。複数の職務を兼ねている場合は、主に行っている職務を1つ記入するだけで問題ありません。
宅地建物取引士欄については、専任の宅地建物取引士の場合は「○」を記入します。取引士ではない従業者、または取引士資格はあるが専任でない場合は「×」を記入します。これが基本です。
参考:宅建業における従業者名簿の書き方と注意点(行政書士相談サイト)
【宅地建物取引業】従業者名簿の書き方と注意点について解説 | 宅建業申請サポート
アルバイト・一時的な従業者も記載が必要な宅建の意外なルール
「短期のアルバイトは従業者名簿に記載しなくていい」と思っている不動産従事者は、実は少なくありません。これは誤りです。
宅建業法上では、一時的に事務の補助をするアルバイトであっても、その人物が宅建業の業務に従事しているのであれば、従業者名簿への記載と従業者証明書の発行が義務付けられています。過去の宅建士試験でも出題された頻出テーマで、「アルバイトの一時的な補助には記載不要」という選択肢は誤りとして扱われています。
厳しいところですね。
ただし例外はあります。非常勤の役員や監査役、農業協同組合における監事については、名簿への記載対象外です。また、兼業をしている宅建業者において、主として他業種を担当しており宅建業の業務の比重が小さい役員についても対象外となります。
整理すると、名簿記載が必要な人と不要な人の基準は雇用形態ではなく、「宅建業の業務に実際に従事しているかどうか」という点が判断の軸になります。正規・パート・アルバイトといった雇用形態の違いは関係ありません。
記載事由が発生したときは2週間以内に名簿へ記載する義務があります。入退社が生じた際に「後でまとめて記載しよう」と後回しにすると義務違反になるため、発生したタイミングで速やかに更新することが重要です。
また、業務の一部を外部委託している場合にも注意が必要です。近年はWEB重説が普及し、重要事項説明を外部の宅建士に委託するケースも増えています。この場合、その宅建士を自社の従業者として名簿に記載し、従業者証明書を発行する必要があります。これが抜け落ちているケースがあるため、外部委託先の管理についても合わせて確認が必要です。
従業者名簿を備え付けないと業務停止処分+50万円の罰金になる
従業者名簿の備え付けを怠った場合の罰則は、宅建業の帳簿義務違反と比較しても重くなっています。帳簿の備え付け違反は指示処分と50万円以下の罰金の対象ですが、従業者名簿の備え付け違反はそれに加えて業務停止処分も科される可能性があります(宅建業法第65条第2項第2号・第83条)。
痛いですね。
さらに、名簿に虚偽の内容を記載した場合、その従業者個人も50万円以下の罰金に処される可能性があり、雇用主の宅建業者も監督処分の対象となります。「記載内容を適当に書いておいた」「印鑑だけ押して中身はチェックしていなかった」では済まされません。
また、取引関係者(お客さまや他の業者)から閲覧請求があった場合は、その場で名簿を提示する義務があります。この閲覧義務を拒否した場合も、処分の対象になり得ます。帳簿には閲覧義務がありませんが、従業者名簿には閲覧義務があるという点は頻繁に混同されるポイントです。
一点補足しておくと、従業者証明書の提示義務(取引関係者から請求された場合に従業者証明書を見せる義務)とは別扱いです。従業者証明書の提示義務違反には罰則がありませんが、従業者名簿の閲覧拒否は監督処分の対象になるため、混同しないようにしましょう。
名簿を正確に管理しておくためには、入退社のたびに更新し、少なくとも年1回は全体を見直す運用ルールを社内で決めておくことをおすすめします。
参考:宅建業法事務所の帳簿・従業者名簿の完全解説
【宅建業法】事務所に備える帳簿や従業者名簿|宅建合格情報サイト
従業者名簿(宅建)の保管期間と電子管理・申請書類との使い分け
従業者名簿の保管期間は、「最終の記載をした日から10年間」です。これは帳簿(各事業年度末に閉鎖し、閉鎖後5年間保存)とは異なるルールで、混同してしまいやすい点です。10年という期間は、A4書類を1センチ積んだ束で考えると相当な分量になりますが、電子管理を活用すれば保存コストを大幅に抑えることができます。
保管期間が10年と長い理由の一つは、宅建士試験の実務経験証明に活用できる点にあります。宅建士試験に合格後に登録申請をする際、2年以上の実務経験を証明する必要がある場合がありますが、その際に過去の従業者名簿や従業者証明書が証明書類として機能します。社員が将来的に宅建士登録を行うためにも、名簿の正確な管理と長期保存が重要です。これは知っておくと得する知識です。
従業者名簿には「備え付け用」と「申請書類用」の2つの場面があります。
- 備え付け用:事務所に常時備え付けるもの。従業者証明書番号をすべて6桁で記入し、退職者も退職年月日とともに名簿に残しておきます。
- 申請書類用(新規申請時):免許番号がまだ確定していないため、従業者証明書番号は下2桁の通し番号だけを記入します。免許通知を受け取った後に1〜4桁を書き加えて、事務所備え付け用の名簿を完成させます。
また、支店がある宅建業者は本店・支店それぞれの事務所ごとに名簿を作成する必要があります。本店にまとめて1枚で管理するのではなく、事務所単位で別々に作成・保管することが原則です。
名簿の電子管理を導入する際は、①定期的なバックアップの実施、②閲覧請求に素早く対応できる印刷環境の整備、③アクセス権限の設定による個人情報の適切な管理、この3つを押さえておくと運用がスムーズです。
参考:従業者名簿の記入方法(秋田県公式PDF)
従業者名簿の記入方法について|秋田県公式資料(PDF)

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