住宅ローン別荘購入は可能か?金利条件と審査のポイント

住宅ローン別荘購入の基礎知識

別荘購入に一般的な住宅ローンは使えません。

参考)別荘購入時に活用したい「セカンドハウスローン」

この記事の3つのポイント
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別荘には住宅ローンが適用されない

一般的な住宅ローンは日常的に居住する住宅が対象で、保養目的の別荘は対象外です

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セカンドハウスローンは金利が2倍以上

住宅ローンが0.6~0.8%に対し、セカンドハウスローンは2~4%台と高金利です

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住宅ローン控除は原則対象外

別荘やセカンドハウスは居住用住宅でないため、減税措置を受けられません


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住宅ローン別荘購入が認められない理由

 

住宅ローンは契約者が日常的に居住することが前提の金融商品です。金融機関は「生活の本拠として使用する住宅」にのみ低金利での融資を認めています。別荘は保養目的であり、週末や休暇時のみ利用する建物として位置づけられるため、この条件を満たしません。

参考)【ホームズ】別荘の購入に住宅ローンは使える? セカンドハウス…

たとえ初めて住宅を購入する方でも、その物件が別荘であれば一般的な住宅ローンの審査は通りません。つまり住宅ローン未使用という状況は関係ないということですね。

税法上の扱いも異なります。別荘は地方税法施行令第36条で「日常生活の用に供しないものとして専ら保養の用に供するもの」と定義されており、税制優遇の対象外です。所得税法上は「遊興その他のための施設」に分類されることもあります。

参考)2件目の住宅購入に使えるセカンドハウスローンとは?賃貸用物件…

この扱いの違いが、融資条件や税制優遇に大きく影響します。顧客に別荘購入を提案する際は、通常の住宅とは異なる資金計画が必要であることを最初に伝える必要があります。

住宅ローンとセカンドハウスローンの金利差

金利差は返済額に大きな影響を与えます。住宅ローンの変動金利は0.6~0.8%程度ですが、セカンドハウスローンは2~4%台に設定されています。

参考)https://cleverlyhome.tokyo/column/20250710/

借入額3,000万円、借入期間20年のケースで比較してみましょう。

金利 月々の返済額 総返済額
0.6%(住宅ローン) 13.3万円 3,180万円
2.2%(セカンドハウスローン) 15.5万円 3,710万円

差額は月2.2万円、総額で530万円になります。

2倍以上の金利差です。

金融機関がこれほど金利を高く設定する理由は、セカンドハウスの必要性が低いと判断されるためです。メインの住宅と異なり、経済状況が悪化した際に売却や賃貸に出される可能性が高く、貸し倒れリスクが上昇すると見なされています。

参考)【ホームズ】セカンドハウスローンと一般の住宅ローンの違い。利…

顧客の資金計画では、この金利差を前提に返済シミュレーションを行う必要があります。想定よりも大幅に返済負担が重くなることを事前に説明しておかないと、契約後にトラブルになる可能性があります。

住宅ローン別荘購入で減税対象外となる影響

住宅ローン控除は別荘には適用されません。この制度は「自ら居住する住宅」の取得支援が目的であり、保養目的の建物は対象外です。

参考)住宅ローン控除は別荘にも適用される?別荘購入時に知っておきた…

住宅ローン控除を受けられる場合と受けられない場合の差を見てみましょう。

項目 自宅として購入 別荘として購入
年末ローン残高 3,000万円 3,000万円
住宅ローン控除率 1% なし
年間控除額の目安 30万円 0円
10年間の累計控除上限 300万円 0円

10年間で最大300万円の税制優遇を受けられないということです。この差は返済総額や資金計画に大きく影響します。

セカンドハウスローンも同様に住宅ローン控除の対象外です。理由は「主として居住の用に供する一つの住宅」のみが対象となるためで、2軒目以降の住宅は適用されません。

参考)セカンドハウスは別荘よりもお得?税制面のメリットやローンの注…

固定資産税の軽減措置については例外があります。セカンドハウスとして認定されれば、毎月1泊2日以上滞在するなどの要件を満たすことで軽減措置を受けられます。別荘のままだと軽減なし、セカンドハウスなら新築で固定資産税評価額から1,200万円控除です。

顧客には「金利が高い」「控除が受けられない」という二重のコスト増を明確に伝える必要があります。

住宅ローン別荘購入でフラット35を活用する方法

フラット35はセカンドハウス購入にも利用できる例外的な選択肢です。住宅金融支援機構が民間金融機関と共同で提供する長期固定金利の住宅ローンで、住宅に関する低金利をセカンドハウスにも適用しています。

参考)「自ら居住」以外のセカンドハウスにも利用できる【フラット35…

フラット35の金利は、団信なしで15~20年以下が年1.25%、21~35年以下が年1.64%です。団信ありだと15~20年以下が年1.45%、21~35年以下が年1.84%となります。一般的なセカンドハウスローンの2~4%台と比較すると大幅に低金利です。

他の住宅ローンを借りている場合でも重複して借りることができ、別荘への住民票の移動も不要です。メインの住宅ローンとセカンドハウス用のフラット35を並行して返済できるということですね。

ただし投資目的は対象外です。あくまで本人または家族が利用するセカンドハウスである必要があります。将来的に賃貸に出す計画がある場合は利用できません。

フラット35は顧客の返済負担を抑える有力な選択肢として提案できます。他の金融機関のセカンドハウスローンと比較して、金利面で明確なメリットがあります。

フラット35公式サイト

フラット35の最新金利や詳細な利用条件を確認できます。

顧客への提案前に必ずチェックしましょう。

住宅ローン不正利用のリスクと罰則

別荘購入に一般の住宅ローンを不正に利用することは重大な契約違反です。

発覚すると厳しい罰則が科されます。

参考)住宅ローンを利用して不動産投資をするのはNG!罰則やバレる理…

具体的な罰則は以下の通りです。まず融資残高の一括返済を求められる可能性があります。数千万円単位の残債を即座に返済しなければなりません。

参考)フラット35で民泊バレた事例と対策!審査基準とペナルティを解…

次に金利の変です。優遇金利が取り消され、本来適用されるべきだった高金利に遡って変更されることがあります。

差額分も請求されます。

返済が滞れば担保物件の差し押さえや損害賠償請求といった法的措置に発展します。金融機関が被った損害の賠償を求められる可能性もあります。

不正利用は住民票の移動状況や固定資産税の納税記録、電気・水道の使用実態などから発覚します。金融機関は定期的に居住実態を確認しており、週末のみの利用では居住していないと判断されます。

参考)住宅ローン控除を住んでいないまま受けるのはバレる?居住要件と…

顧客から「住宅ローンで別荘を買えないか」と相談されても、絶対に勧めてはいけません。短期的なコスト削減のために重大なリスクを負うことになります。

不動産従事者として、顧客に正しい選択肢を提示することが信頼関係の基盤です。セカンドハウスローンやフラット35という適切な方法を案内しましょう。

住宅ローン別荘購入の審査基準と返済負担率

セカンドハウスローンの審査は一般的な住宅ローンよりも厳しく行われます。

返済能力がより重視される傾向があります。

参考)セカンドハウスローンとは?一般ローンとの違いや審査基準も解説…

年間総返済負担率は最も重要な審査基準です。年収400万円未満で30%以内、400万円以上で35%以内が目安とされています。ただし金融機関によっては30%以内を求めるケースもあるため、複数の銀行に事前審査を出すのが賢明です。

参考)セカンドハウスローンで失敗しない方法|銀行選びと審査対策を解…

既存の住宅ローンがある場合、両方の返済額を合算して計算されます。例えば年収700万円の方で、1本目の年間返済額が144万円、2本目が101万円なら合計245万円となり、返済比率35.0%に収まります。

年収倍率も主住宅より厳しく、5倍以内を求める金融機関が多いです。自己資金を厚めに用意し、借入額を抑えることが審査通過のポイントになります。

返済期間が短いため毎月の返済額が大きくなりやすいことも考慮が必要です。無理のない返済プランを立てることが大切です。

参考)別荘ローンで後悔しないために!軽井沢物件購入のための注意点と…

顧客の年収と既存ローンの返済状況を確認し、セカンドハウスローンの返済負担率が基準内に収まるか事前にシミュレーションしましょう。審査に通らない可能性があれば、自己資金の増額や借入額の調整を提案する必要があります。

住宅ローン別荘取得後の維持費と資産価値

別荘の維持費は通常の住宅よりも高額になりがちです。不動産従事者として顧客に伝えるべき重要な情報です。

固定資産税はセカンドハウス認定を受けられない場合、軽減措置が適用されません。保養目的の別荘として扱われると、新築でも固定資産税評価額からの控除を受けられず、税負担が重くなります。

管理費や修繕積立金も考慮が必要です。特に別荘地やリゾートマンションでは、共用施設の維持管理費が高額になることがあります。定期的な訪問が難しい場合、管理会社への委託費用も発生します。

使用頻度が低い物件は劣化が進みやすいという問題もあります。空気の入れ替えや清掃を怠ると、カビや害虫の発生リスクが高まります。

定期的なメンテナンス費用が必要です。

資産価値の面では、別荘地の物件は一般的な住宅地の物件よりも流動性が低い傾向があります。売却したい時にすぐに買い手が見つからない可能性があります。

顧客には購入費用だけでなく、年間の維持費を含めた長期的な資金計画を提示することが重要です。「月々のローン返済額」に「固定資産税」「管理費」「修繕費」を加えた総額で判断してもらう必要があります。

将来的に売却する可能性も視野に入れ、立地や周辺環境の資産価値維持性についてもアドバイスしましょう。

住宅ローン別荘提案時の顧客への説明ポイント

不動産従事者として顧客に別荘購入を提案する際、誤解を避けるための説明が不可欠です。

まず「別荘には一般の住宅ローンが使えない」という基本を最初に伝えます。多くの顧客は住宅ローンの低金利が利用できると思い込んでいるため、この認識を正すことが第一歩です。

次にセカンドハウスローンとフラット35という選択肢を示します。金利の違いを具体的な返済額で比較し、顧客が理解しやすい形で提示します。

住宅ローン控除が受けられないことも明確に説明します。10年間で最大300万円の税制優遇がないことは、資金計画に大きく影響するためです。

セカンドハウス認定を受ければ固定資産税の軽減措置が適用される可能性があることも伝えます。毎月1泊2日以上滞在するという要件を満たせば、税負担を抑えられます。

審査基準が厳しいことも事前に伝えておくべきです。返済負担率の目安や必要な自己資金額を示し、審査通過の見込みを現実的に評価します。

維持費や将来の売却可能性についても触れます。購入時の費用だけでなく、所有し続けるコストを含めた総合的な判断材料を提供することが、顧客の満足度を高めます。

これらの情報を整理した提案書を用意し、顧客が納得した上で購入を決断できるようサポートすることが、不動産従事者の役割です。

正確な情報提供が信頼関係を築きます。


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