囲い込み不動産違法処分対象2025年から規制強化

囲い込み不動産の違法性と処分対象

レインズに公開中と登録しても指示処分になります。

この記事の3ポイント要約
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2025年1月から処分対象に

囲い込みを確認すれば是正の指示処分の対象となり、悪質な場合は業務停止や免許取消も。レインズステータス管理機能の更新義務化で透明性が向上

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大手の両手仲介率が高い実態

住友不動産販売は約50%、三井のリハウスは約40%の両手仲介率。両手仲介自体は合法だが囲い込みに発展しやすい構造的問題が存在

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通報窓口と対策方法

国土交通省や都道府県庁が窓口。レインズ登録証明書の確認、ステータス管理機能のチェック、一般媒介契約の検討が有効な防止策

囲い込み不動産とは何か基本的な仕組み

 

不動産の囲い込みとは、売却を依頼された不動産会社が物件情報を他社に開示せず、自社で買主も見つけて両手仲介を狙う行為を指します。売主と買主の両方から仲介手数料を受け取れるため、不動産会社にとっては収益が2倍になる魅力的な取引形態です。

具体的には、他社から物件の問い合わせがあっても「すでに申込みが入っています」「売主の都合で案内できません」などと虚偽の説明をして断ります。レインズに登録はしていても、実質的に他社が顧客を紹介できない状態を作り出すのです。

つまり両手狙いの囲い込みです。

この行為によって売主は本来なら出会えたはずの買主候補を失い、売却期間の長期化や価格の値下げを余儀なくされることがあります。買主側も、本来なら購入できたはずの物件情報にアクセスできなくなるという不利益を被ります。

両手仲介自体は日本では違法ではありません。問題となるのは、両手仲介を実現するために意図的に情報を隠したり、他社からの問い合わせを不当に断る行為です。海外では利益相反の観点から両手仲介を禁止している国も多く、日本でも長年問題視されてきました。

国土交通省の宅地建物取引業法に関する法令改正・解釈資料(囲い込み規制の詳細が記載)

囲い込み不動産が違法とされる法的根拠

囲い込み自体を直接禁止する明文規定は宅建業法にありませんが、2025年1月から「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」の改正により、事実上の処分対象となりました。この改正によって、レインズのステータス管理機能と実際の取引状況が異なる場合、指示処分の対象となることが明確化されています。

法的根拠となるのは宅建業法第34条の2第5項です。専任媒介契約を締結した宅建業者は、レインズに物件情報を登録し、取引状況を正確に報告する義務があります。他社からの正当な問い合わせを理由なく拒否する行為は、この義務違反に該当する可能性が高いのです。

違反が確定すると段階的な処分があります。

さらに宅建業法第65条では、業務に関して不正または著しく不当な行為をした場合、国土交通大臣または都道府県知事は指示処分を行うことができると規定されています。囲い込みはまさにこの「不正または著しく不当な行為」に該当するとの解釈が確立されつつあります。

処分の段階は指示処分から始まり、指示に従わない場合や悪質な場合は業務停止命令、最悪の場合は免許取消という流れになります。違反の程度によっては、初回でも業務停止や高額の罰金が科される可能性があるため、不動産業者にとっては経営に直結する重大なリスクとなっています。

詐欺罪や背任罪として刑事責任を問われる可能性も指摘されています。特に売主に対して虚偽の説明を行い、不利益を与えた場合は、民事訴訟のリスクも高まります。

囲い込み不動産における両手仲介との違い

両手仲介と囲い込みは混同されやすいですが、明確な違いがあります。両手仲介は、1社の不動産会社が売主と買主の両方を仲介する取引形態で、日本では合法です。一方、囲い込みは両手仲介を実現するために、他社への情報開示を意図的に制限する不正行為を指します。

正当な両手仲介の例としては、不動産会社がレインズに物件情報を正しく登録し、他社からの問い合わせにも誠実に対応しながら、結果的に自社の顧客が購入を決めたケースです。この場合、市場に広く情報が公開されており、公平な競争が行われています。

結果としての両手は問題ありません。

対照的に囲い込みでは、「商談中」などと虚偽のステータスをレインズに登録したり、他社からの問い合わせに「既に買付が入っている」と嘘をついて断ります。実際には買付は入っておらず、自社で買主を見つけるまで待つという状態です。

両手仲介率の高さが必ずしも囲い込みを意味するわけではありませんが、統計的には相関関係があります。ダイヤモンド不動産研究所の調査によると、大手3社のうち住友不動産販売は約50%、三井のリハウスは約40%の両手仲介率となっています。

業界平均が30%程度と言われる中で、これらの数値は突出しています。両手仲介を目指すこと自体は経営戦略として理解できますが、そのために不正な手段を使うことが問題視されているのです。売主の利益を最優先すべき立場にありながら、自社の利益を優先する行為は、信義誠実の原則に反すると言えるでしょう。

囲い込み不動産が発覚した際の具体的罰則内容

2025年1月からの規制強化により、囲い込みが発覚した場合の罰則は明確化されました。

第一段階は指示処分です。

国土交通大臣または都道府県知事から、違反行為の是正を求める指示が出されます。この指示には具体的な改善措置の内容と期限が含まれ、履行状況の報告義務も課されます。

指示処分に従わない場合、または違反の程度が重大な場合は、業務停止命令に進みます。業務停止期間は違反の内容により異なりますが、通常は数日から数ヶ月の範囲で決定されます。この期間中は宅建業務の全部または一部が停止され、収益に直接的な打撃を受けることになります。

免許取消は最も重い処分です。

最も重い処分は免許取消です。悪質な違反行為を繰り返した場合や、業務停止命令に違反した場合に科されます。免許が取り消されると、5年間は再取得ができないため、事実上の廃業を意味します。さらに取締役や役員も一定期間、他社での宅建業に関与できなくなるため、業界からの実質的な退場となります。

金銭的な制裁も無視できません。行政処分とは別に、売主からの損害賠償請求のリスクがあります。囲い込みによって売却期間が長期化したり、価格が下落した場合、その差額を請求される可能性があります。過去の判例では数百万円から数千万円規模の賠償命令が出たケースも報告されています。

社会的制裁も深刻です。違反事業者名は国土交通省や都道府県のウェブサイトで公表され、業界内外に広く知られることになります。これにより顧客からの信頼を失い、新規契約の獲得が困難になるだけでなく、既存顧客の離反も招きかねません。企業ブランドへのダメージは、金銭的損失以上に回復が難しい打撃となるでしょう。

国土交通省の行政処分基準に関する資料(処分の詳細な内容を確認できます)

囲い込み不動産のレインズステータス管理義務化

2025年1月から、レインズのステータス管理機能の適切な更新が義務化されました。この機能は、登録物件の取引状況を「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」の3つのステータスで管理するシステムです。売主はレインズ登録証明書に記載された2次元コードから、自分の物件のステータスをいつでも確認できます。

ステータス管理の義務化によって、不動産会社は取引状況を常に正確に反映させる必要があります。例えば買付証明書を受け取った場合、遅滞なく「書面による購入申込みあり」に変更しなければなりません。申込みがキャンセルされた場合も、速やかに「公開中」に戻す必要があります。

虚偽登録は即座に処分対象です。

問題となるのは、実際には申込みが入っていないのに「書面による購入申込みあり」に変更したり、申込みがキャンセルされたのに「公開中」に戻さないケースです。これらは明確な虚偽登録として、指示処分の対象となります。レインズ側でもステータスの変更履歴を記録しているため、不自然な操作は検出されやすくなっています。

不動産会社は売主に対して、レインズ登録証明書の交付時に、ステータス管理機能で取引状況を確認できることを明確に説明する義務があります。この説明を怠った場合も、宅建業法違反として処分の対象となる可能性があります。

売主側も、定期的にステータスを確認することで、囲い込みを早期に発見できます。「公開中」のままなのに内見の申込みがまったくないという状況が続く場合、囲い込みの可能性を疑うべきでしょう。レインズの透明性向上により、売主と不動産会社の情報格差が縮小し、より公正な取引環境が整備されつつあります。

囲い込み不動産を通報する具体的な窓口と方法

囲い込みの疑いがある場合、複数の通報窓口があります。

最も一般的なのは国土交通省への通報です。

国土交通省には公益通報等窓口が設置されており、ホームページ上の専用フォーム、郵送、FAXで通報できます。匿名での通報も可能ですが、詳細な調査が必要な場合は連絡先を明記した方が効果的です。

都道府県庁の建設業不動産業課も重要な窓口です。宅建業者の免許は国土交通大臣免許と都道府県知事免許があり、都道府県知事免許の業者については都道府県が直接監督権限を持っています。電話相談や窓口での直接相談も受け付けており、地域に密着した対応が期待できます。

レインズ自体にも報告できます。

レインズを運営する指定流通機構にも報告できます。東日本、中部、近畿、西日本の4つの流通機構があり、それぞれに相談窓口が設置されています。レインズのステータスと実際の状況が異なる場合、具体的な証拠とともに報告することで、調査が開始されます。

通報の際には、できるだけ具体的な証拠を揃えることが重要です。レインズの登録証明書、不動産会社とのやり取りの記録(メールやLINEのスクリーンショット)、他社に問い合わせた際の回答内容などが有効です。別の不動産会社を通じて自分の物件に問い合わせてみて、断られた場合の記録は特に強力な証拠となります。

通報後の流れとしては、まず監督官庁が事実関係の調査を行います。必要に応じて不動産会社への立入検査や書類提出命令が出されます。違反が確認されれば、前述の段階的な処分が科されます。通報者の氏名は守秘義務により保護され、不動産会社に明かされることはありません。

ただし、通報したからといって必ずしも処分が下されるわけではありません。「公開中」なのに買い手がつかないという状況だけでは、立地や価格設定の問題である可能性もあります。囲い込みと断定するには、他社からの問い合わせを不当に断ったという明確な証拠が必要となります。そのため、複数の証拠を集めてから通報することをおすすめします。

国土交通省の公益通報手続きページ(通報方法の詳細を確認できます)

人間らしい文章にするために、私は以下の様々な文体の文章を織り交ぜることを心がけています。


正直不動産(3) (ビッグコミックス)