戸建てリノベーション賃貸で利回り向上を実現する投資戦略

戸建てリノベーション賃貸の投資戦略

リノベーション利回り10%超えでも回収に10年かかります。

この記事の3つのポイント
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利回り計算の落とし穴

表面利回り15%の高利回り物件でも、物件価格と同額でリノベーションすると利回りは7.5%に半減する現実を理解する

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旧耐震物件のリスク

1981年以前の旧耐震基準物件は再建築不可の可能性があり、2025年建築基準法改正で増改築時の確認申請が厳格化

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ターゲット選定の重要性

単身者向けからファミリー向けへの転換で家賃収益アップと満室経営を実現した事例から学ぶ戦略


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戸建てリノベーション賃貸の利回り相場と投資判断

 

戸建て賃貸の利回り相場は5~10%が一般的な目安となっています。新築物件は土地と建物の価格が高い一方で、家賃設定に物件価格ほどの差がないため、中古物件のほうが利回りは高い傾向にあります。

参考)戸建てのオーナーチェンジ物件、理想の利回りはどれくらい?購入…

しかし、購入時に高利回りでもリノベーション費用を再投資すると利回りは大きく減少します。たとえば表面利回り15%の物件で物件価格と同額のリノベーションを行った場合、家賃設定が変わらなければ利回りは7.5%に半減するのです。

つまり投資判断では慎重さが必要です。

リノベーション物件の利回りは「年間の賃料アップ額÷工事費×100」で算出されます。新築物件の表面利回りが現在約3%程度であることを考えると、表面利回りが5~10%のリノベーションは非常に良い投資と言えるでしょう。

参考)原状回復?リノベーション?決める前に収支の計算を!

ただし、単純な利回り計算だけで判断するのは危険です。築25年の2DK物件で原状回復費50万円に対し、130万円でリノベーションして賃料を月1万円アップできた場合、単純計算では年間12万円の収益増で利回り9.23%となります。しかし、リノベーションの効果は10年平均で考えるべきで、長期的な入居率や修繕費の削減効果も含めて総合的に判断する必要があります。

参考)【コラム】リノベーションのやる・やらないは「10年平均利回り…

費用対効果を高めるには、損益分岐点(BEP)や総収益率(FCR)を試算し、どのくらいの期間でコストを回収できるのかを明確にすることが重要です。

回収期間が基本です。

参考)アパートリノベーションで収益改善!家賃アップ事例と費用相場も…


戸建てのオーナーチェンジ物件の利回りについて詳しく解説している記事

戸建てリノベーション賃貸で避けるべき旧耐震と再建築不可リスク

リノベーション賃貸では旧耐震基準の物件が多く、これが大きなリスク要因となっています。1981年6月以前に建築された旧耐震基準下の建物は、現行の新耐震基準を満たしていないため、増改築時に大がかりな構造補強が必要になる場合があります。

参考)リノベーション賃貸はやめたほうがいいのか?

2025年4月に施行された建築基準法改正により、再建築不可物件の増改築はさらに困難になりました。改正後は増改築時にも厳格な確認申請が求められ、現行法適合のために建蔽率・容積率、耐震性能、断熱性能などあらゆる要素が審査対象となります。これが再建築不可物件の増改築計画を極めて困難かつ高コストなものへと変える要因です。

参考)2025年建築基準法改正で再建築不可のリフォームはどうなる?

旧耐震建物は柱・梁・壁量不足や接合部強度不足が想定され、簡易な改修では基準に追いつくことが難しい状況です。従来の「低コスト・短期間のリノベーション」は事実上困難になるでしょう。

再建築不可物件を扱う際は注意が必要です。建築基準法の義務を満たさない物件ではないことを事前に確かめ、増改築の可能性を把握しておくことが重要です。物件購入前に専門家による調査を実施し、リノベーション可能な範囲と必要な費用を正確に見積もることで、後々のトラブルを回避できます。

参考)https://www.mecyes.co.jp/taqsie/master/sale/expertise/renovation-regret/


2025年建築基準法改正と再建築不可物件の詳細について解説している記事

戸建てリノベーション賃貸のターゲット選定とファミリー向け転換

ターゲット選定はリノベーション成功の鍵を握ります。近年、単身者向けから需要の高いファミリー向けへ転換する事例が増えています。

参考)単身のお部屋をファミリー向けへリフォーム|長崎の賃貸・アパー…

ある事例では、1Kの単身住戸3戸を繋げて2LDKへリノベーションし、地域で需要の多いファミリータイプへと生まれ変わらせました。家事のしやすさを考えてユーティリティスペースを新設し、玄関にペット用洗い場を作ることで差別化に成功しています。

別の一棟リノベーション事例では、単身世帯向けだった13戸を8戸に減らして一部屋を拡大し、ファミリー向けマンションに一新しました。全室を対面キッチンとし、足を延ばして入浴できる浴槽や収納を多く設けるなど、設備と収納を充実させたことがポイントです。リノベーション前のリサーチで、近隣には新築も含め同様の物件が多く飽和状態であることが判明し、ターゲットを婦や小さい子どもがいる2~3人家族に絞った結果、賃貸広告を出すとすぐに満室になりました。

参考)一棟リノベーション事例:単身向けからファミリー向け賃貸に(神…

修繕費の負担が減った上に家賃収益もアップしています。どういうことでしょうか?ファミリー向けは単身者向けより入居期間が長く、頻繁な退去に伴う原状回復費用が削減できるためです。

ターゲット層のニーズを的確に捉えることで、空室期間の短縮と家賃アップの両方を実現できます。地域の人口動態や競合物件の状況を分析し、最適なターゲット設定を行うことが重要です。

単身向けからファミリー向けへの転換事例の詳細

戸建てリノベーション賃貸で人気の設計と間取り戦略

近年のリノベーション賃貸で人気が高まっているのが、回遊動線のある間取りや在宅ワークに対応できる間取りです。これらはニュースタンダードとも言える間取りになっています。

参考)リノベーションで人気の間取りとは?トレンドの間取りと実例を徹…

具体的には、LDK→パントリー→WIC(ウォークインクローゼット)→脱衣室が回遊できる設計が人気です。家事スペースのみ回遊性を持たせることで、家事効率が大幅にアップします。

また、現時点ではLDKを広く取っておき、将来個室を増設できるよう床や壁に下地材を施工しておく家づくりも人気が高いアイデアです。

柔軟性がある設計ですね。

ファミリー向けでは、対面キッチンを中心としたLDKや収納スペースの充実が重要です。開放的なLDKは2LDKから1LDKへの間取り変更でも実現でき、空間が細かく区切られていた物件を開放的な空間へと変えることで、物件の魅力が大きく向上します。

参考)【人気デザイン】間取り変更リフォーム・リノベーション事例15…

単身者向けの場合は、カフェのような雰囲気のキッチンやコンパクトな空間を活かしたデザインが好まれます。壁付けタイプのキッチンを移動し、カウンター付きの対面キッチンにすることで、視覚的な広がりと機能性を両立できます。

参考)単身若者向けを狙った賃貸アパートマンションのリフォームリノベ…

設計と間取りの工夫で差別化を図り、入居者のニーズに応えることが空室対策の基本となります。ただし、自分の住みたい部屋にしてしまうのは失敗の原因です。オーナー様自身の物件であっても、入居者目線でのリノベーションが必要不可欠です。

参考)オーナーの賃貸リノベーション失敗の5つの原因って?とっておき…

📊 ファミリー向けとして人気の設備

  • 対面キッチン
  • ユーティリティスペース(家事室)
  • 大容量収納・WIC
  • 広めの浴槽
  • ペット用設備

📊 単身者向けとして人気の設備

  • カフェ風カウンターキッチン
  • 在宅ワークスペース
  • コンパクトで機能的な収納
  • おしゃれなデザイン性

戸建てリノベーション賃貸で失敗しない空室対策の実践法

空室対策に効くリノベーションを実施するには、設備の老朽化や間取りの使い勝手を改善し、家賃の維持・向上や入居率アップを目指すことが重要です。

参考)空室対策に効くリノベーションとは?費用・回収期間・補助金まで…

一軒家を賃貸に出す際、空室期間を最小化する最大の対策は適切な賃料設定です。相場に対し物件の設備や状態を客観的に評価し、競争力のある価格を設定する必要があります。

参考)一軒家を賃貸に出す際の空室対策と入居率向上の方法

リフォームの必要性を判断する目安として、新築住宅を取得した人のリフォーム時期は平均築後年数が25.8年という調査結果があります。

築年数25年が基本です。

この時期を過ぎた物件では、内装や設備のリフォーム・リノベーションを実施することで入居希望者の印象が大きく変わります。

しかし、費用対効果を考えないリノベーションは失敗の原因です。物件を住みやすくキレイにするためにフルリノベーションをすることが一番の解決策ですが、投資額に見合った家賃アップと入居率向上が見込めなければ意味がありません。

空室対策では、コストを抑えつつ差別化を図る工夫も必要です。たとえば階段室などは既存のまま活用し、外壁は塗装するなどして価格を抑えながらイメージを変える方法があります。老朽化していた設備を一新して安全性を高め、敷地内に新たにゴミ置き場を設けるなど、入居者の暮らしやすさを見直すことも効果的です。

リノベーションの範囲を決める際は、工事費の表面利回りと実質利回りの両方を試算しましょう。年間家賃アップ額から年間経費を差し引いた実質利回りで判断することで、より現実的な投資判断が可能になります。

⚠️ 避けるべきリノベーション失敗例

  • 自分の好みだけで部屋を作る(入居者ニーズ無視)
  • 費用対効果を考えない過剰投資
  • ターゲット層の分析不足
  • 分離発注による管理負担とトラブル

分離発注については特に注意が必要です。複数の業者や職人と直接契約するため、工期遅延や追加費用、責任の所在が不明瞭になるケースが目立ちます。たとえば解体工事と内装工事を別々の会社へ依頼した場合、解体作業が予定より遅れることで内装工事も遅延し、全体の工期が長引くことがあります。

参考)リフォームを分離発注するメリットとデメリットを徹底比較|費用…

建て主の親族に左官職がいたため室内の左官工事を分離発注した結果、施工管理の行き違いで竣工前に漆喰壁に大きなクラックが発生したという事例もあります。分離発注のリスクを事前に理解し、一括発注で責任の所在を明確にすることが賢明です。専門業者に一括して任せることで、トラブル回避と工期の安定化が図れます。

参考)「言ったのに!」リスクだらけの分離発注で”トラブル”発生


空室対策に効くリノベーションの詳細な解説記事

空き家をお宝に変える!戸建てリノベーション賃貸ビジネスの教科書 (Beegles Books)