免許取消処分の要件と回避
業務停止中に1件契約すると免許が消える
免許取消の必要的事由と処分基準
免許取消処分には、免許権者が「必ず取り消さなければならない」必要的取消事由と、「取り消すことができる」任意的取消事由の2種類があります。特に必要的取消事由に該当した場合、免許権者に裁量の余地はありません。
必要的取消事由として最も重大なのが、いわゆる「三大悪事」と呼ばれる3つの行為です。
第一に、不正の手段により免許を受けた場合。
第二に、業務停止処分事由に該当し、情状が特に重いと判断された場合。第三に、業務停止処分に違反して営業を続けた場合です。これらに該当すると免許は即座に取り消されます。
さらに、宅建業者自身が欠格事由に該当した場合も免許取消の対象です。破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、禁錮以上の刑に処せられた者、宅建業法違反や暴力団関連法規違反で罰金刑を受けた者、暴力団員となった者、心身の故障により業務を適正に営むことができない者などが該当します。これらは宅建業法第5条第1項の各号に規定されている内容そのものです。
法人の場合、役員や政令使用人が欠格事由に該当しても、法人全体の免許が取り消されます。たとえば、役員の一人が宅建業法違反で罰金刑を受ければ、その法人は免許を失うということです。個人業者の場合も、政令使用人が欠格事由に該当すれば同様に免許取消となります。
免許を受けてから1年以内に事業を開始しない場合、または引き続き1年以上事業を休止した場合も必要的取消事由です。正当な理由の有無に関係なく、免許権者は必ず取り消さなければなりません。この規定により、免許だけ取得して実際には営業しない「ペーパーカンパニー」的な業者を排除する仕組みになっています。
国土交通省が公表している監督処分基準では、違反行為ごとに指示処分、業務停止処分(15日、30日、45日など)、免許取消処分のいずれに該当するかが詳細に規定されています。
免許取消の任意的事由と実質的リスク
任意的取消事由は、免許権者が「取り消すことができる」とされている事由です。とはいえ実質的には、該当すれば取消につながる可能性が極めて高いものばかりです。
最も見落とされがちなのが営業保証金の供託に関する規定です。免許取得後3ヶ月以内に営業保証金を供託した旨の届出をしなければ、免許権者から催告を受けます。その催告が到達した日から1ヶ月以内に届出をしない場合、免許を取り消されることがあります。
つまり、免許取得から最長4ヶ月の猶予はありますが、その期間内に営業保証金の供託と届出を完了しなければ免許を失うということです。供託額は、本店で1,000万円、支店1店舗ごとに500万円という高額なため、資金調達に手間取ると期限を過ぎてしまう危険があります。多くの業者は保証協会に加入して弁済業務保証金分担金(本店60万円、支店1店舗30万円)を納付する方法を選びますが、いずれにせよ期限厳守が必須です。
事務所の所在地を確知できない場合も任意的取消事由です。免許権者が官報または都道府県の公報でその事実を公告し、公告の日から30日を経過しても業者から申出がないときは、免許を取り消すことができます。実務上、連絡が取れない業者は悪質と判断されやすく、30日経過後はほぼ確実に取消処分となります。
免許に付された条件に違反した場合も取消対象です。免許権者は免許に条件を付すことができ(宅建業法第3条の2第1項)、その条件に違反すると免許取消の可能性があります。条件の内容は個別のケースで異なりますが、例えば「専任取引士を増員すること」「特定の取引を一定期間行わないこと」などが付される場合があります。
免許取消後の欠格期間と再取得制限
免許取消処分を受けた場合、本人だけでなく関係者にも長期間の影響が及びます。
特に重要なのが5年間の欠格期間です。
不正手段で免許を取得した場合、業務停止処分事由に該当し情状が特に重い場合、業務停止処分に違反した場合のいずれかで免許を取り消されると、その取消の日から5年間は新たに免許を受けることができません。この5年間は絶対的な欠格期間であり、短縮される余地はありません。
法人の場合、さらに厳しい制限があります。免許取消に係る聴聞の期日及び場所の公示の日前60日以内にその法人の役員だった者も、取消の日から5年間は免許を受けられません。つまり、処分が確定する前に役員を辞任しても逃げられないということです。
いわゆる「かけこみ廃業」も防止されています。免許取消処分の聴聞の公示があった後に、廃業届を提出して処分を免れようとしても無駄です。そのような場合、届出の日から5年間は免許を受けることができません。ただし、廃業に「相当の理由」がある場合は例外となります。相当の理由とは、例えば代表者の重病や死亡、会社の財務的破綻など、客観的にやむを得ない事情を指します。
過去の監督処分事例を確認できるデータベースです。どのような違反行為がどの程度の処分につながったか、実例から学ぶことができます。
禁錮以上の刑に処せられた場合も、刑の執行を終わってから、または執行を受けることがなくなった日から5年間は免許を受けられません。
執行猶予期間中も欠格事由に該当します。
執行猶予期間が満了して初めて欠格事由から外れるため、実質的には刑確定から5年以上免許が取得できないケースが多くなります。
宅建業法違反、暴力団関連法規違反、背任罪、傷害罪、暴行罪、脅迫罪などで罰金刑を受けた場合も、刑の執行を終わってから5年間は欠格事由です。罰金刑は比較的軽い刑罰と思われがちですが、宅建業法においては5年間の欠格期間が設定されるため、業者にとっては事実上の廃業に追い込まれる重大な処分です。
免許取消事例から見る実務上の注意点
実際の免許取消事例を見ると、業者が陥りやすい具体的なパターンが浮かび上がってきます。最も多いのが預かり金の不正流用や不返還です。
購入希望者から預かった申込金や手付金を、他の取引の資金に流用したり、契約が不成立になったのに返還しなかったりするケースが後を絶ちません。預かり金は顧客の財産であり、業者が自由に使える資金ではありません。流用が発覚すれば業務停止処分、情状が重ければ免許取消処分となります。
手付金等保全措置義務違反も重大な処分事由です。宅建業者が自ら売主となって未完成物件を販売する場合、売買代金の5%または1,000万円を超える手付金等を受領する際には、保全措置を講じなければなりません。完成物件の場合は10%または1,000万円が基準です。この義務を怠ると、業務停止15日が基準処分となり、関係者に損害が発生した場合は業務停止30日または免許取消となります。
専任取引士の不在も処分対象です。専任取引士が退職などで不在になった場合、2週間以内に補充しなければなりません。2週間を超えて不在のまま営業を続けると、業務停止処分の対象になります。さらに報告徴収や立入検査を拒否したり、虚偽の報告をしたりすると、情状により免許取消に至るケースもあります。
業務停止処分を受けた後の違反が最も危険です。業務停止期間中に1件でも取引を行えば、即座に免許取消の対象となります。業務停止処分に違反した場合は必要的取消事由に該当するため、免許権者は必ず免許を取り消さなければなりません。この点を軽視して「ばれないだろう」と考え、業務停止中に契約を成立させた業者が免許を失った事例が複数報告されています。
重要事項説明義務違反や37条書面(契約書面)交付義務違反も、繰り返せば免許取消につながります。1回目は指示処分、2回目は業務停止処分、それでも改善されず情状が特に重いと判断されれば免許取消となります。
免許取消を回避するための実務対応策
免許取消を回避するには、日常的なコンプライアンス体制の構築が不可欠です。処分を受けてから対応しても手遅れになるケースが多いため、予防が最も重要です。
まず社内規程の整備から始めるべきです。預かり金の取扱規程、重要事項説明の実施手順、契約書面の作成・交付手順、専任取引士の配置基準などを明文化し、全従業員に周知徹底します。規程があるだけでなく、実際に運用されているかを定期的にチェックする体制も必要です。
預かり金については、専用口座を開設して事業資金と完全に分離管理するのが基本です。入金があったら即座に記帳し、出金は契約成立または返還時のみとする厳格なルールを設けます。預かり金台帳を作成し、いつ、誰から、いくら預かり、いつ返還したかを記録します。
専任取引士の退職リスクに備えて、複数の宅建士を確保しておくことも重要です。法定の人数(従業者5人に1人)ギリギリではなく、余裕を持った人数を配置しておけば、1人が退職しても2週間以内に補充できないという事態を避けられます。また、予備の宅建士として資格保有者を採用しておくことも有効です。
営業保証金の供託または保証協会への加入は、免許取得と同時進行で進める必要があります。免許申請中から資金の準備や保証協会との打ち合わせを始め、免許通知が届いたらすぐに手続きできる状態にしておくべきです。3ヶ月という期限は意外と短く、資金調達に手間取ったり、保証協会の審査に時間がかかったりすると、あっという間に期限を過ぎてしまいます。
業務停止処分を受けた場合は、期間中の取引を完全に停止するのは当然として、顧客への説明も丁寧に行う必要があります。処分期間中に契約予定だった案件は、他の業者に紹介するか、処分期間終了まで待ってもらうよう交渉します。「少しぐらいなら大丈夫」という甘い考えは命取りです。
実務上の疑問点について、業界団体が作成したQ&A集です。免許や処分に関する具体的な相談事例も掲載されています。
定期的な法令研修も欠かせません。宅建業法は改正が頻繁にあるため、最新の法令内容を理解していないと、知らないうちに違反していたという事態になりかねません。少なくとも年に1回は全従業員を対象とした研修を実施し、特に処分事例については具体的に学ぶ機会を設けるべきです。
役員や政令使用人の欠格事由チェックも重要です。新たに役員を選任する際、または政令使用人を配置する際には、必ず欠格事由に該当しないか確認します。過去に他社で免許取消処分を受けていないか、刑事処分を受けていないかなどを本人に申告させ、必要に応じて身元調査を行うことも検討すべきです。
万が一、処分の可能性がある事案が発生した場合は、速やかに弁護士や行政書士に相談することが重要です。自主的に報告し、改善措置を講じることで、処分が軽減される可能性もあります。隠蔽しようとして発覚が遅れると、かえって情状が重くなり、免許取消につながるリスクが高まります。
免許取消は不動産業者にとって廃業を意味する最も重い処分です。5年間の欠格期間により、本人だけでなく関係者も業界から排除されます。日々の業務において法令遵守を徹底し、組織的なチェック体制を構築することで、取り返しのつかない事態を未然に防ぐことが可能です。処分を受けてからでは遅いという認識を持ち、予防的なコンプライアンス対応を継続していくことが、長期的に事業を継続するための唯一の道です。

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