未完成物件 手付金 上限の基準
売主業者が受領する手付金には明確な上限が決められています。この制限を超えて受領すると業務停止処分の対象にもなる重大な違反です。
未完成物件 手付金は代金20%が絶対上限
売主が宅建業者である場合、買主が支払う手付金の金額には法律上の制限があります。宅地建物取引業法第39条第1項では、代金の「十分の二」つまり20%を超える手付金を受領してはならないと定められているのです。
たとえば5,000万円の未完成マンションを売却する場合、手付金として受け取れる上限は1,000万円です。仮に1,001万円を受領すれば、それだけで宅建業法違反となり、指示処分や業務停止処分の対象になります。超過した部分だけが無効になるのではなく、受領行為そのものが処分対象です。
この上限は手付金の性質を問いません。解約手付、証約手付、違約手付といった名称に関わらず、契約締結時に買主から売主に交付される金銭すべてが対象です。
代金の20%上限が原則です。
また、売主が課税事業者の場合は消費税込みの売買代金で計算します。税抜4,500万円・税込4,950万円の物件なら、上限は4,950万円の20%である990万円となります。この点を見落として税抜価格で計算すると、知らないうちに上限を超えてしまうリスクがあります。
未完成物件 手付金は5%超で保全措置が必要
手付金の額に20%という上限があることは多くの業者が認識していますが、未完成物件ではさらに重要な規制が存在します。
それが「手付金等の保全措置」です。
宅建業法第41条では、工事完了前の物件について、代金の5%または1,000万円のいずれか低い方を超える手付金等を受領する場合、保全措置を講じなければならないと定めています。この「手付金等」には、手付金だけでなく中間金も含まれます。
具体的な例で考えてみましょう。代金6,000万円の未完成マンションを売却する場合、5%は300万円です。つまり300万円を超える手付金や中間金を受領する前に保全措置が必要です。手付金200万円を受領した時点では保全不要ですが、その後中間金200万円を受領する際には、合計400万円について保全措置を講じる必要があります。
保全措置が必要です。
保全措置とは、売主業者が倒産などで物件を引き渡せなくなった場合に、買主が支払った金銭を確実に取り戻せるようにする仕組みです。銀行との保証委託契約または保険会社との保証保険契約を締結し、買主に証書を交付します。未完成物件の場合、指定保管機関による保管は利用できません。
こちらの参考リンクでは、保全措置の具体的な方法や判定基準について、過去問を用いた詳細な解説が掲載されています。未完成物件と完成物件での違いを理解する上で有用な情報源です。
注意すべきは、保全措置を講じずに手付金等を受領した場合、買主は支払いを拒否できるという点です。業者側が「後で保全措置を講じるから」と説明しても、法律上は受領前に講じる必要があるため、買主が拒否すれば契約履行を強制できません。
未完成物件で保全措置が不要になる3つの条件
保全措置は買主保護のための重要な制度ですが、一定の条件下では不要となります。この例外を正しく理解しておくことで、不必要な手続きやコストを避けられます。
第一の条件は、買主に所有権移転登記が完了している場合です。未完成物件であっても、買主名義で所有権保存登記がなされていれば、万一の際にも買主の権利が保護されるため、保全措置は不要となります。建物が完成していなくても、登記さえ完了していれば保全義務は消滅するのです。
登記があれば不要です。
第二の条件は、手付金等の合計額が代金の5%以下かつ1,000万円以下の場合です。これは「かつ」の条件なので、両方を満たす必要があります。たとえば代金1億円の未完成物件では、5%は500万円ですが、500万円の手付金を受領する場合は保全措置が必要です。1,000万円以下という条件を満たしていても、5%を超えているからです。
逆に代金3億円の物件で手付金1,000万円を受領する場合、1,000万円以下という条件を満たしていても、5%(1,500万円)以下ではないため保全措置が必要になります。
どちらか一方だけでは不十分なのです。
第三の条件は、買主も宅建業者である場合です。8種制限は買主が業者でない場合にのみ適用されるため、業者間取引では保全措置義務がありません。ただしこの場合でも、20%の手付金上限は別の規制として適用される点に注意が必要です。
未完成物件 手付金を消費税込みで判定する理由
保全措置の要否を判定する際、代金の5%を計算しますが、この「代金」には消費税が含まれるのでしょうか。実はこの点が実務上のトラブルの原因になることがあります。
結論から言えば、売主が課税事業者である場合、消費税込みの売買代金で判定します。たとえば税抜4,000万円・税込4,400万円の未完成物件では、5%の基準は4,400万円の5%である220万円で判定するのです。税抜価格の5%(200万円)で判定してしまうと、実際には保全措置が必要な金額を受領してしまう恐れがあります。
消費税込みで計算します。
この取り扱いは、買主が実際に支払う金額を基準とするという考え方に基づいています。買主にとっては消費税込みの金額が実質的な負担額であり、その5%を超える金銭が保護されるべきだからです。
この参考リンクには、消費税込み価格での判定基準について具体的な計算例が示されており、課税事業者が売主となる場合の実務的な取り扱いが詳しく解説されています。
具体例を見てみましょう。税抜5,500万円・税込6,050万円の未完成マンションで、手付金300万円を受領する場合を考えます。税抜価格で計算すると5%は275万円で、300万円は超えています。しかし税込価格で計算すると5%は約302.5万円となり、300万円は保全措置不要の範囲内です。このように、消費税込みか税抜きかで判定結果が変わることがあります。
免税事業者や非課税取引の場合は、そもそも消費税が発生しないため、表示されている代金額がそのまま判定基準となります。
未完成物件 手付金の受領タイミングで違反を防ぐ実務ポイント
保全措置に関する違反で最も多いのが、「受領後に保全措置を講じた」というケースです。法律では「保全措置を講じた後でなければ受領してはならない」と明確に定められているため、順序を間違えると違反になります。
実務では、保証委託契約や保証保険契約を締結した後、保証証書または保険証券を買主に交付してから、初めて手付金等を受領できます。契約締結日に手付金を受け取り、後日証書を交付するという流れは認められません。
証書交付後に受領です。
また、手付金と中間金を分けて受領する場合の判定にも注意が必要です。手付金受領時には5%以下でも、後に中間金を受領することで合計が5%を超える場合、中間金受領前に保全措置を講じる必要があります。その際、保全すべき金額は中間金だけでなく、手付金と中間金の合計額です。
たとえば代金5,000万円の未完成物件で、手付金200万円を保全措置なしで受領した後、中間金200万円を受領する場合を考えます。5%は250万円なので、中間金受領前に合計400万円について保全措置が必要です。200万円だけを保全すればよいわけではありません。
保全措置を講じずに手付金等を受領してしまった場合、買主は支払いを拒否する権利があります。さらに監督官庁からの指示処分や業務停止処分の対象となり、悪質な場合は免許取消しもあり得ます。金融機関や保険会社との契約手続きには時間がかかるため、売買契約締結前から準備を進めることが重要です。
実際の取引では、全宅保証や不動産保証協会といった保証協会の手付金保管制度を利用する方法もあります。ただし未完成物件の場合、指定保管機関による保管は利用できないため、銀行保証または保険契約のいずれかを選択する必要があります。完成物件であれば保管制度も選択肢に入ります。
この参考リンクでは、未完成物件で保管制度が利用できない理由や、銀行保証・保険契約との違いについて、実務担当者向けのQ&A形式で詳細に説明されています。
保全措置の費用は一般的に売主負担です。保証料は受領する手付金等の金額に応じて変動しますが、数万円から数十万円程度が相場です。この費用を惜しんで保全措置を怠ると、法令違反のリスクだけでなく、買主との信頼関係も損なわれます。
契約書には保全措置の方法や証書交付のタイミングを明記しておくべきです。買主に対して、どの金融機関または保険会社と契約するのか、いつ証書を交付するのかを事前に説明することで、トラブルを未然に防げます。
もし保全措置の要否判断に迷った場合は、保証協会や都道府県の宅建業担当課に相談することをお勧めします。誤った判断で違反状態に陥るより、確実な方法を確認する方が得策です。

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