路線価固定資産税計算
路線価で固定資産税を計算すると実際の税額より高くなります。
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路線価の種類と固定資産税計算の関係
路線価には相続税路線価と固定資産税路線価の2種類が存在します 。相続税路線価は国税庁が毎年7月に公表し、相続税や贈与税の計算に用いられます 。一方、固定資産税路線価は市町村が3年ごとに評価を更新し、固定資産税や都市計画税、不動産取得税、登録免許税の算定基準となります 。
両者の価格水準も異なります。相続税路線価は公示価格の約80%、固定資産税路線価は公示価格の約70%に設定されています 。この差は約14%にも及ぶため、相続税路線価を使って固定資産税を計算すると実際より高い税額が算出されてしまいます 。
つまり別の基準ということですね。
不動産従事者が顧客に税額の目安を示す際は、この違いを正確に理解しておく必要があります。相続税路線価が「400B」と表示されている場合、これは1平米あたり40万円を意味しますが、固定資産税路線価は「400,000」と円単位で表示される点も区別のポイントです 。
参考)https://re-estate.co.jp/press/knowledge/6271/
路線価を使った固定資産税評価額の計算手順
固定資産税評価額の基本的な計算式は「固定資産税路線価×補正率×土地面積」です 。まず自治体が公開する路線価図で対象地が接する道路の単価(円/㎡)を確認します 。次に土地の形状に応じた画地補正率を適用し、最後に面積を乗じて評価額を算出します 。
参考)固定資産税路線価とは?相続税路線価との違いや計算方法を紹介 …
具体例で見てみましょう。固定資産税路線価が20万円/㎡、画地補正率が0.9、土地面積が100㎡の場合、計算式は「20万円×0.9×100=1,800万円」となります 。この1,800万円に標準税率1.4%を乗じると、固定資産税額は約25万2千円です。
画地補正率には奥行価格補正率、側方路線影響加算率、二方路線影響加算率、間口狭小補正率、奥行長大補正率、不整形地補正率、がけ地補正率などがあります 。土地が角地である場合や、表裏2つの道路に面している場合は、それぞれ異なる補正計算が必要になります 。補正率の適用が評価額を大きく左右するため、慎重な確認が不可欠です。
路線価が設定されていない土地の評価方法
路線価が設定されていない地域では、倍率方式による評価を行います 。倍率方式の計算式は「固定資産税評価額×評価倍率」です 。評価倍率は国税庁が公表する評価倍率表で確認できます 。
参考)相続税路線価を使用した土地の評価方法をわかりやすく解説
倍率方式は主に郊外や田舎の土地に適用されます 。路線価方式が道路ごとの価格を基準とするのに対し、倍率方式は既存の固定資産税評価額をベースにするため、計算手順がシンプルです。評価倍率表には地域ごとに「1.1倍」「1.2倍」といった倍率が記載されており、この数値を固定資産税評価額に乗じることで相続税評価額が算出されます 。
路線価図に路線価の記載がない場合や、「状況類似地域」として指定されている地域では、標準宅地の平米単価から評価額を推測する方法もあります 。固定資産税路線価では、すべての道路に路線価が割り振られているわけではないため、評価方法の選択には注意が必要です 。
倍率方式が原則です。
路線価計算における画地調整率の重要性
路線価は標準的な宅地を想定した価格であり、実際の土地の形状や接道状況に応じて補正が必要です 。この補正に用いるのが画地調整率で、奥行や間口、接道状況、不整形の程度などを反映させます 。画地調整率を適切に適用しないと、評価額が実態と大きくかけ離れてしまいます。
参考)相続税路線価とは?路線価図の見方と相続税の計算・土地の評価方…
例えば奥行価格補正率は、土地の奥行距離に応じて適用される補正率です 。普通住宅地区で奥行10メートルの土地の場合、補正率は0.97となります 。さらに間口距離に対して奥行距離が2倍以上ある場合は、奥行長大補正率も併用します 。この場合、5,000万円の路線価に0.97(奥行価格補正率)と0.9(奥行長大補正率)を乗じると、評価額は4,365万円まで減額されます 。
つまり補正で大きく変わります。
参考)【奥行価格補正率とは】土地評価額の計算方法等をプロが解説|相…
角地や準角地の場合は側方路線影響加算率、表裏2つの道路に面している場合は二方路線影響加算率を適用します 。正面路線価に加え、側方路線価または裏面路線価をそれぞれの補正率とともに計算し、加算する手順が必要です 。このように複数の補正率を組み合わせる作業は専門知識を要するため、税理士の腕の見せ所となります 。
国税庁の財産評価基本通達では、これらの補正率の適用方法が詳細に定められています 。
固定資産税評価額の誤りと還付請求
固定資産税は97%の自治体で税額修正が発生するほど、課税ミスが多い税金です 。評価基準の複雑さや特例の適用漏れが主な原因となっています 。特に土地の形状による減額補正が適用されていないケースや、登記上の地目と実際の現況地目が異なるまま評価されているケースが頻発しています 。
例えば駐車場として利用している土地が「宅地」として評価されている場合、税額が不当に高くなっている可能性があります 。また、補正率の入力漏れや電算システム上の数値登録ミスも報告されています 。課税ミスに気づいたら、5年の時効内に還付請求を行うことができます 。
参考)令和元年度 固定資産税・都市計画税の課税誤りについて|東京都…
納税者自身によるチェックが不可欠です 。毎年送付される課税明細書で「軽減特例」の適用状況や「地目」の記載を確認し、疑問があれば市町村の担当部署に問い合わせましょう。不動産従事者として顧客の固定資産税をレビューする際は、評価額の根拠となる路線価や補正率の適用状況を丁寧に確認することが、信頼獲得につながります。
路線価による相続税評価の特別な注意点
路線価を使った相続税評価では、国税局が「路線価による評価は適当ではない」として評価を否認し、追徴課税するケースがあります 。最高裁は「特別な事情がある場合には路線価以外の合理的な方法で評価されることが許される」と判断しました 。
つまり路線価通りでも否認されます。
参考)【路線価による相続計算は誤り?】実勢価格との差を最高裁が指摘…
この判決は、財産評価基本通達第6項の例外規定に基づくものです 。「通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は国税庁長官の指示を受けて評価する」との規定により、実勢価格と路線価に大きな乖離がある場合、国税局は独自の評価方法を採用できます 。
例えば路線価が実勢価格を大きく下回る不動産を相続直前に購入し、相続税評価額を引き下げる節税手法は、この例外規定によって否認される可能性があります。不動産従事者が相続対策の提案を行う際は、路線価評価が絶対的な基準ではないことを説明し、実勢価格との乖離が大きい物件には慎重な対応が求められます。
違反になりません。
国税庁ホームページでは、路線価図や評価倍率表のほか、宅地造成費の金額表も公開されています。ただし過去には宅地造成費の金額に誤りがあり、市街地農地等の評価額が過大に算出される事態も発生しました 。誤った金額表を利用して申告した場合は、早めに税務署へ申し出ることが推奨されています 。

