セットバック整形費用の相場と注意点

セットバック整形費用

セットバック整形には申告なしで20万円の損失リスクあり

この記事の3つのポイント
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費用相場は20万円~80万円

境界確定の有無で大幅に変動。測量費・登記費・整備費が主な内訳

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自治体の補助金制度を活用

東京都北区では門・塀撤去費用を1mあたり5,000円補助。自治体により制度は異なる

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固定資産税の非課税申告は必須

セットバック部分は非課税だが申告しないと課税され続ける

セットバック整形費用の内訳と相場

セットバック整形にかかる費用は、土地の状況によって大きく異なりますが、一般的には20万円から80万円程度が相場となっています。この費用は主に「測量費用」「分筆登記費用」「道路整備費用」の3つで構成されます。

測量費用については、隣地との境界線がすでに確定しているかどうかで金額が大きく変わってきます。境界線が確定している場合の現況測量なら10万円から20万円程度で済みますが、境界線が未確定の場合は確定測量が必要となり、35万円から70万円程度かかります。つまり、境界確定の有無だけで費用が2倍以上変わる可能性があるということです。

分筆登記費用は、セットバック部分を道路として別の土地として登記するための費用で、およそ6万円前後が相場です。これは土地家屋調査士への報酬として支払われます。多くの自治体では固定資産税の非課税申請をする際に分筆を勧められるため、実質的にはほぼ必須の費用と考えておくべきです。

道路整備費用は、セットバックした部分をアスファルト舗装するなどの費用で、1平方メートルあたり約5,000円が相場となっています。これに重機の搬出費用や諸費用として約5万円が加わります。たとえば、間口6メートルで1メートル後退する場合、セットバック面積は6平方メートルとなり、舗装費用は約3万円、諸費用と合わせて約8万円程度となります。

セットバック工事の詳細な費用内訳と計算方法についてはこちらのアルバリンク記事が参考になります

セットバック整形の境界確定と測量の重要性

境界確定の有無がセットバック費用に与える影響は非常に大きいため、事前に境界線の状況を把握しておくことが重要です。法務局で地積測量図を取得すれば、境界線が確定しているかどうかを確認できます。

地積測量図が存在しない、または図面を見ても境界線が曖昧な場合は、土地家屋調査士に依頼して確定測量を実施する必要があります。確定測量では隣地所有者全員の立ち会いと承諾が必要となるため、時間も費用もかかります。確定測量には通常3ヶ月程度の期間が必要で、費用は40万円から80万円程度です。

隣地所有者との関係が良好でない場合や、隣地所有者の所在が不明な場合は、境界確定が難航することがあります。こうしたケースでは、さらに時間と費用がかかる可能性があるため、早めに専門家に相談することをおすすめします。

境界確定が済んでいる土地の場合、現況測量だけで済むため費用を大幅に抑えられます。現況測量は立ち会いも不要で、比較的短期間で完了するため、20万円から30万円程度で測量から登記、整備までの一連の作業を完了できる可能性があります。

つまり、境界確定の状況を把握が基本です。

セットバック整形の補助金と助成金制度

セットバック費用の負担を軽減するために、多くの自治体では補助金や助成金制度を設けています。これらの制度を活用することで、実質的な負担を大幅に減らせる可能性があります。

東京都北区では「狭あい道路等拡幅整備事業」を実施しており、セットバック部分の道路整備費用を区が負担してくれます。具体的には、道路沿いの門や塀の撤去費用を「道路沿いの長さ(メートル)×5,000円」の範囲で助成しています。たとえば、間口が6メートルなら3万円の助成を受けられる計算です。

東京都新宿区では、測量費用として最大10万円、整地費用に最大10万円などの助成を受けられます。東京都杉並区でも、セットバック部分にある門や塀等の撤去費用の一部を助成する制度があります。自治体によって補助内容や要件は大きく異なるため、必ず事前に確認することが重要です。

補助金の申請には、必要書類の準備や関係者との協議などの手続きが必要で、専門知識のない一般の方にはややハードルが高い場合があります。申請書類には測量図面や工事計画書、隣地所有者の承諾書などが必要となることが多く、不動産会社や土地家屋調査士、税理士などの専門家にサポートを依頼することをおすすめします。

補助金制度を利用できれば、実質負担を半額以下に抑えられる可能性もあります。セットバックを検討している場合は、まず管轄する役所の建築指導課や道路課に問い合わせて、利用可能な補助制度がないか確認しましょう。

厳しいですね。

セットバック整形後の固定資産税の取り扱い

セットバックした部分は「公共の用に供する道路」となるため、固定資産税が非課税になります。これはセットバックによる金銭的負担を軽減する重要な制度です。ただし、自動的に非課税になるわけではなく、必ず非課税申告を行う必要があります。

非課税申告を行わないと、セットバック部分にも固定資産税が課税され続けることになります。たとえば、評価額が1平方メートルあたり10万円の土地で6平方メートルをセットバックした場合、年間約8,400円(評価額60万円×税率1.4%)の固定資産税を無駄に支払い続けることになります。

10年間なら約8万4,000円の損失です。

非課税申告は、セットバックした土地を管轄する役所の資産税課に、土地の登記簿謄本、セットバック部分が分かる地積測量図、役所指定の申告書などを提出して行います。申告は比較的簡単な手続きですが、忘れてしまうと大きな損失につながるため、セットバック工事完了後は速やかに申告を済ませましょう。

ただし、セットバック部分に私物を置いたり、駐車場として使用したりすると、私有地として利用していると見なされ、非課税の対象外となります。植木鉢や自転車、自動車などを置いている場合は課税対象となるため、セットバック部分には何も置かないよう注意が必要です。

つまり完全な道路です。

セットバック部分の固定資産税非課税制度について、国立市の公式情報が詳しく解説しています

セットバック整形の売却時における価格への影響

セットバックが必要な土地を売却する場合、価格設定には慎重な判断が求められます。セットバック部分は実質的に利用できない土地となるため、その分を考慮した価格設定が一般的です。

セットバックが未実施の土地を売却する場合、買主がセットバック費用を負担することになるため、その費用相当額を売却価格から差し引くことが多くなります。たとえば、本来3,000万円で売却できる土地でも、50万円のセットバック費用が必要なら、2,950万円程度で販売することになります。

逆に、売主がセットバックを済ませてから売却する場合は、通常の土地と同様の価格設定が可能になります。ただし、セットバックによって実質的な土地面積が減少するため、その分は価格に反映されます。100平方メートルの土地で6平方メートルをセットバックした場合、実質94平方メートルの土地として評価されることになります。

セットバック済みの土地は、再建築可能物件として一般個人の買い手からの需要が高まるため、売却しやすくなるというメリットがあります。建て替えができない再建築不可物件は敬遠されがちですが、セットバックを完了していれば通常の物件と同じように扱われます。

これは使えそうです。

不動産業界では、セットバックが必要な土地を専門に扱う買取業者も存在します。こうした業者は、セットバックの手続きや費用負担を含めて買い取ってくれるため、売主が費用や手間をかけずに売却できる選択肢となります。ただし、買取価格は市場価格より低くなる傾向があります。

結論は明白ですね。