所有権 移転 登記 必要書類 費用 手続き

所有権 移転 登記

所有権 移転 登記の要点(不動産実務向け)
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必要書類は「原本」が原則

住民票の写し等も原本添付が原則。原本還付できない書類もあるため、提出前に仕分けが重要です。

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費用は登録免許税が中心

課税標準は固定資産課税台帳の「価格(評価額)」を使い、土地と建物で税率が異なる点に注意します。

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当日事故は「一致しない」から起きる

住所・氏名・物件表示・共有持分など、登記情報と提出情報の不一致は補正や差戻しの典型原因です。

所有権 移転 登記の必要書類と原本

 

所有権 移転 登記の添付情報は、住民票の写し等も含めて「原本添付が原則」です。

実務では「コピーで足りるはず」と思い込んで準備が遅れがちですが、法務局の運用としては原本主義が軸にあるため、決済前の段階で原本の所在を確定させておくと事故が減ります。

原本還付(返還)をしたい場合は、原本と一緒にコピーを添付し、コピーに「原本に相違ありません。」の記載をし、申請書に押印した人が署名(記名)押印し、複数枚ならつづり目に契印(割印)する取り扱いです。

参考)https://www.semanticscholar.org/paper/b92caa6e35e3cab23ad26188d6bb1dd2089565aa

ただし、登記申請のためだけに作成した委任状や登記原因証明情報、印鑑証明書等は原本還付できないことがあるため、提出すると手元に残らない前提で関係者へ事前共有しておくのが安全です。

さらに見落としやすい論点として、不動産登記の手続では個人番号(マイナンバー)を利用できず、申請添付の住民票の写し等は個人番号の記載がないものを用意する必要があります。

現場では「市役所で住民票を取ったら番号が入っていた」という差戻しが起きるため、取得時点で“番号なし”指定を徹底し、回収した書類も到着時に目視確認する運用が有効です。

必要書類のイメージを不動産実務の言葉に寄せると、買主側は「住所のつながり(住民票)」、売主側は「本人確認と意思確認(印鑑証明・権利証等)」、そして売買の事実を示す「登記原因証明情報」が揃って初めて申請が組み立ちます。

決済日当日は時間との勝負なので、紙の束を「提出して消えるもの(返ってこない)」と「返してもらうもの(原本還付対象)」に二分してから司法書士へ引き渡すと、引渡し後の問い合わせも減ります。

参考:法務局の「原本添付・原本還付」の考え方(添付情報、還付不可書類、マイナンバー取扱い)

不動産登記の申請書様式について:法務局

所有権 移転 登記の費用と登録免許税

所有権 移転 登記の費用のうち、公的に計算が決まる中心は登録免許税で、基本式は「登録免許税額=(課税標準)×(税率)」です。

課税標準は、原則として市町村が管理する固定資産課税台帳の「価格」で、固定資産税の「課税標準額」ではない点が強調されています。

土地の売買を原因とする所有権移転登記の税率は、平成31年4月1日から令和8年3月31日まで「1000分の15」とされています。

一方、土地以外の不動産(典型的には建物)の売買による所有権移転登記の税率は「1000分の20」です。

端数処理も実務でミスが起きやすく、課税標準は1,000円未満切捨て、税額は計算後に100円未満切捨て、さらに税額が1,000円未満なら1,000円になる取り扱いです。

複数物件を同一申請書で申請する場合、土地同士なら評価額合計のあとで1,000円未満を切捨てるなど、合算のルールが例示されています。

また、土地と建物を同一申請書で申請するケースは頻出ですが、土地と建物で税率が異なるため、各課税標準に税率を乗じた税額を合算してから100円未満を切り捨てる必要があります。

この「合算の順番」を間違えると収入印紙や納付額の再調整が発生し、決済日の段取り(着金・引渡し・鍵渡し)に影響しやすいので、見積書段階から土地・建物を分けて概算し、最後に合算する形が安全です。

参考:登録免許税の計算方法、税率、端数処理、計算例(売買・相続・贈与など)

https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001443859.pdf

所有権 移転 登記の手続きと申請

所有権 移転 登記は、申請書と添付情報を揃え、登録免許税を納付して登記所へ提出し、審査後に完了するという流れで整理されます。

登録免許税の納付は、原則は現金で国へ納付して領収証書を申請書に貼付しますが、3万円以下の場合などは収入印紙での納付ができるとされています。

収入印紙で納付する場合、申請書へ直接貼らずに別葉の白紙(収入印紙貼付台紙)に貼り、申請書とともにつづって契印し、収入印紙自体には割印や消印をしないという細かなルールがあります。

ここは不動産会社の担当者が司法書士へ書類を渡す前に“見た目”だけで判断しやすく、誤って印紙に割印してしまう事故が起きるため、社内のチェックリストに「印紙に消印しない」を明記しておくと有効です。

相続が絡む局面では、調停調書や審判書を添付情報にして登記申請できる一方、対象不動産が調書から漏れていたり、記載内容に誤りがあると、その調書では登記できない旨が注意喚起されています。

不動産実務では「相続案件の売却」や「遺産分割後の売買」に繋がることが多く、売買契約が先行すると後で登記が止まるので、媒介の初期段階で“登記に使える書面か”を点検するのが重要です。

さらに、相続登記申請では「相続関係説明図」を戸籍等と一緒に提出すると、調査終了後に戸籍等の原本が返却されることがあると説明されています。

この運用を知らないと、戸籍を集め直す二度手間が発生するため、「相続関係説明図を添える」ことは費用よりも時間短縮に効く実務テクニックとして押さえておきたいところです。

所有権 移転 登記の現場トラブル対策(独自視点)

所有権 移転 登記のトラブルは「難しい法律論」よりも、実際には“情報の不一致”と“当日持参物の欠落”で起きる割合が高く、ここを潰すだけで決済の安定度が上がります。

特に法務局ページが強調する原本主義の文脈からすると、社内でPDF保管して安心してしまう運用は危険で、原本の移動(誰が・いつ・どこへ持つか)までを工程表に落とすのが効果的です。

意外と盲点になりやすいのが「原本還付できない書類が混ざる」ことによる情報共有ミスで、たとえば印鑑証明書等は戻らない可能性があるため、売主・買主・金融機関の“控え”需要を先に満たしておく必要があります。

具体的には、決済前日までに「返ってこない前提の書類」の一覧を作り、必要な控え(写し)を取ってから司法書士へ渡すだけで、引渡し後の“書類返却の催促”やクレームが減りやすいです。

また、マイナンバー入り住民票を添付してしまうとそもそも不動産登記では利用できないため、取得時の指定ミスがそのまま差戻しリスクになります。

ここは現場で起きると「取り直し→再訪→再提出」で日程が崩れやすいので、住民票取得を本人任せにせず、依頼文面に“個人番号の記載がないもの”を太字相当で強調して渡すなど、オペレーションで防ぐのが現実的です。

最後に、登録免許税は評価額と税率で決まる一方、土地と建物で税率が違い、合算の手順も決まっているため、見積の段階で「土地・建物別の税額→最後に合算」を徹底すると、金額相違による当日の再調整(印紙買い直し等)を避けやすいです。

不動産会社としては、司法書士に丸投げするのではなく、社内でも“計算の形だけは同じにする”と、買主説明の信頼性が上がり、紹介・リピートにも繋がりやすくなります。


所有権のモデル 法社会学 第91号 2025