スウェーデン式サウンディングとは基礎調査方法費用結果

スウェーデン式サウンディングとは地盤調査の基本

調査費用が安いという理由だけで採用すると100万円以上の追加費用が発生します。

この記事の3ポイント要約
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戸建住宅の標準地盤調査方法

荷重と回転で地盤の硬軟を測定し、建物の四隅と中央の5ポイントを調査する簡易的な試験方法です

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費用は5万~10万円が相場

半日程度で完了し、深度10m程度まで調査可能。ただし軟弱地盤と判定された場合は30万~200万円の改良費用が追加発生

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住宅瑕疵担保保険の加入に必須

2020年10月からスクリューウエイト貫入試験に名称変更されたが、実施方法は同じです

スウェーデン式サウンディングの基本原理と試験の目的

 

スウェーデン式サウンディング試験は、地盤に鋼製のロッドを貫入させ、土壌の硬軟や締まり具合を把握する地盤調査方法です。荷重による貫入と回転による貫入を併用した原位置試験であり、土の静的貫入抵抗を測定することで地層構成を把握します。この試験は1917年頃にスウェーデン国有鉄道が不良路盤の実態調査に採用したのが始まりで、1954年頃に日本の建設省が堤防の地盤調査として導入しました。

戸建住宅の地盤調査で最も普及している方法です。

現在では木造2階建て住宅などの小規模建築物の支持力特性を把握する目的で広く利用されています。先端にスクリューポイントがついたロッドを地中にねじ込み、その沈み方から地盤の強度を測定する仕組みです。ロッドがスムーズに沈んだ場合は地盤が弱いと判断され、沈みにくい場合は地盤が強いと判断されます。

測定できる深度は一般的にGL-10.0m~GL-15.0m程度までとなります。軟弱な粘性土であればGL-20.0m以上の深度でもロッドを貫入させることは可能ですが、深度が深くなるほどロッドにかかる摩擦力が大きくなり、試験データが過大な値となる問題があります。

つまり深い地盤には不向きです。

不動産業従事者としては、この試験が建築基準法施行令第38条で規定された地盤調査の一手法であり、住宅瑕疵担保履行法に基づく保険加入のために必須となる調査であることを理解しておく必要があります。地盤調査を実施していない家は住宅瑕疵担保責任保険に加入できないため、購入者に不利益が生じる可能性があります。

スウェーデン式サウンディング試験の費用相場と調査期間

スウェーデン式サウンディング試験の費用相場は、一戸建て住宅で5万~10万円程度が一般的です。調査ポイント数や現場状況によって変動しますが、他の地盤調査方法と比較すると最も安価な部類に入ります。ボーリング調査の場合は20万~30万円程度かかるため、コストを抑えられる点が大きなメリットです。

調査にかかる期間は半日~1日程度です。

建物の四隅と中央部の5測点を調査することが一般的で、1測点あたりの所要時間は30分程度となります。建物の長辺が16.38m程度までの場合は5測点で調査しますが、建物規模や建物形状によっては測点数を調整するケースもあります。畳一枚分のスペースがあれば調査可能なため、敷地が狭い土地でも実施できる利点があります。

ただし、調査結果によって地盤改良工事が必要と判定された場合、追加費用が発生する点に注意が必要です。地盤改良の費用は工法によって大きく異なり、表層改良工法なら30~50万円程度、柱状改良工法なら50~80万円程度、鋼管杭工法なら100~180万円程度となります。一般的な相場として、地盤改良工事は30万~100万円ほどが目安とされています。

不動産業従事者として顧客に説明する際は、地盤調査費用だけでなく改良工事の可能性も含めた総予算を提示することが重要です。予算オーバーによるトラブルを避けるため、土地購入前に周辺の地盤データを確認し、改良工事の可能性を事前に伝えておくことが望ましいでしょう。地盤ネットやハザードマップなどのツールを活用すれば、ある程度の予測が可能です。

地盤調査の詳細な手順とデータの見方については、サムシングの公式サイトで解説されています

スウェーデン式サウンディング試験結果の読み方と判定基準

試験結果の読み方を理解することは、不動産業従事者にとって顧客への適切な説明のために不可欠です。データシートには主に以下の項目が記載されています。

📊 試験結果データの主要項目。

• 半回転数(Nsw):ロッドを25cm貫入させるのに必要な回転数を示します。1回転=360度回転で、半回転数が多いほど硬い地盤を意味します。Nsw値が50以下の場合は軟弱地盤の可能性があります

• 荷重(Wsw):ロッドを地中に貫入させるために必要な荷重(重さ)を示します。単位はN(ニュートン)またはkN(キロニュートン)で表示され、一般的に0N、150N、250N、500N、750N、1000Nの段階で加えます

• 換算N値:スウェーデン式サウンディング試験の結果をボーリング調査の標準貫入試験で得られるN値に換算した値です。粘性土の場合はN値15が上限、砂質土の場合はN値18が上限とされています

• 自沈層の有無:無荷重状態でロッドが自然に沈んでいく層を示します。自沈層がある場合は非常に軟弱な地盤と判断され、地盤改良が必要になる可能性が高まります

• 貫入深度:各測点でどこまでロッドが貫入したかを示します。一般的に支持層まで到達したか、または深度10m程度まで調査します

判定では支持層の確認が最も重要です。

支持層とは上部構造物の荷重に耐える強さを持つ地盤のことで、一般的に換算N値が3.0以上の層が連続して2m以上存在する場合に支持層と判定されます。しかし中間層を支持層として利用する場合は、層厚、面的な広がり、下部軟弱層の圧密沈下の3点に注意が必要です。特に中間層の下に軟弱層がある場合、長期的な沈下リスクが存在します。

測点間でデータに大きなばらつきがある場合も要注意です。建物の四隅と中央部で地盤の硬さが大きく異なる場合、不同沈下(建物が傾く現象)が発生するリスクが高まります。このような場合は、最も弱い測点を基準に基礎設計を行うか、地盤改良工事で地盤を均質化する対策が必要となります。

スウェーデン式サウンディングのデメリットと限界を知る

簡易的な調査方法であるため、いくつかの重要なデメリットと限界があります。不動産業従事者はこれらの制約を理解し、必要に応じてより詳細な調査を提案できるようにしておくべきです。

🚨 主なデメリットと限界。

• 土質資料の採取ができない:ロッドを貫入させるだけで土を採取しないため、概略的な土質判定しか行えません。粘性土か砂質土かの推定は可能ですが、詳細な土質分類や含水比などの物理特性は把握できません

• 硬い地盤には不向き:軟弱地盤の調査を主な対象としているため、N値30を超えるような硬い地盤や岩盤では貫入が困難になります。貫入不能となった時点で調査が終了するため、その下の地層構成が不明なまま残ります

• 深部までの調査が不可能:深度10~15m程度が限界となります。深度が増すとロッドの摩擦抵抗によりデータの信頼性が低下するため、深い支持層を必要とする建物には適していません

• 液状化判定には不十分:地下水位の正確な測定ができず、土質の詳細な判別にも限界があるため、液状化の判定を行うには情報が不足しています。液状化リスクが高いエリアでは、ボーリング調査との併用が望ましいでしょう

• 調査の精度が低い:ボーリング調査と比較すると、得られる情報量が限定的です。大量の案件を処理する中で一つ一つを詳細に確認できていないケースもあり、地盤調査会社や地盤保証会社によって判定技術にばらつきがあります

厳しいところですね。

これらの限界を踏まえた上で、建物の重要度や地盤条件に応じて適切な調査方法を選択することが重要です。例えば3階建て以上の建物、重量のある鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物、または液状化リスクが高いエリアの場合は、ボーリング調査や表面波探査法などの併用を検討すべきです。

顧客に対しては、スウェーデン式サウンディング試験が「費用対効果に優れた標準的な調査方法」である一方で、「簡易調査であるため限界がある」ことを正直に伝える姿勢が信頼関係の構築につながります。特に高額な物件や特殊な地盤条件が予想される場合は、追加調査の選択肢を提示することで、長期的なリスク管理をサポートできます。

スウェーデン式サウンディングの名称変更と最新動向

2020年10月26日付でJIS規格が改正され、試験名称が「スウェーデン式サウンディング試験」から「スクリューウエイト貫入試験」に正式変されました。この変更の背景には、対応国際規格では国名が付けられていないこと、また日本では独自の発展を遂げて元のスウェーデンの試験方法とは異なるものになっていることがあります。

ただし試験方法自体に変更はありません。

略称は「SWS試験」または「SS試験」のまま変更なく使用されており、建築業界ではこれらの略称が一般的に用いられています。不動産業界でも「スウェーデン式サウンディング」という旧称がまだ広く使われていますが、正式には「スクリューウエイト貫入試験」が正しい名称となります。顧客への説明時には、両方の名称を併記するか「旧称:スウェーデン式サウンディング」と補足することで混乱を避けられます。

近年の動向として、調査精度の向上と標準化に向けた取り組みが進んでいます。NPO住宅地盤品質協会などの団体が、スウェーデン式サウンディング試験を用いた改良地盤設計法の研究や、4号建築物・小規模建築物での改良地盤の適用方法について検討を重ねています。改良体の先端支持力や周面摩擦力の計算方法についても、より精密な手法が提案されつつあります。

また住宅瑕疵担保責任保険協会では、地盤編の設計施工基準において、原則として建築物の四隅付近を含めた4点以上で調査を行うことを定めています。スウェーデン式サウンディング調査の場合は4隅付近を含め4点以上で行うことが原則とされていますが、一部例外も認められています。

つまり5測点が基本です。

不動産業従事者として押さえておくべき点は、地盤調査結果の保管義務です。地盤調査の結果は適切に保管する必要があり、将来的な地盤トラブルが発生した際の重要な証拠資料となります。中古住宅の売買においても、過去の地盤調査データがあれば買主への重要な情報提供となり、取引の透明性を高めることができます。

住宅瑕疵担保責任保険における地盤調査の詳細要件は、住宅瑕疵担保責任保険協会のサイトで確認できます

不動産業従事者が知るべき地盤調査と地盤改良のリスク管理

地盤調査と地盤改良は、不動産取引において重要なリスク管理の要素です。特に新築戸建の仲介や土地売買を扱う不動産業従事者にとって、地盤に関する正確な知識と適切な説明は顧客との信頼関係に直結します。

地盤改良工事の判定ミスによるトラブルは少なくありません。調査会社や保証会社によって地盤判定技術にばらつきがあり、同じ調査結果でも判定が異なるケースが存在します。例えば、ある保証会社では「改良不要」と判定されたものが、別の会社では「改良必要」と判定される場合があります。このような判定の違いは、各社の判定基準や技術者の経験値の差によるものです。

これは使えそうです。

不動産業従事者としては、複数の調査会社や保証会社の見積もりを取得し、判定理由を詳細に確認することが重要です。特に改良工事が必要と判定された場合は、なぜその工法が必要なのか、他の選択肢はないのかを専門家に確認する姿勢が求められます。顧客にとって数十万円から100万円以上の追加費用が発生する判断だからです。

土地の購入前に地盤リスクを把握する方法として、以下のような情報源を活用できます。ハザードマップで液状化リスクや地盤災害リスクを確認する、地盤サポートマップや地盤ネットなどのデータベースで周辺の地盤調査履歴を調べる、古い地図や航空写真で過去の土地利用(水田、河川、埋立地など)を確認する、という手順が効果的です。

標高が高く水はけが良い台地や丘陵地、神社仏閣の周辺や古い住宅地、駐車場や家が長期間建っていた実績のある土地は、一般的に地盤改良が不要な可能性が高いとされています。一方で、元水田や河川の近く、埋立地、谷底や低地は軟弱地盤の可能性が高く、地盤改良費用を見込んでおく必要があります。

中古住宅の売買においては、過去の地盤調査データの有無が取引の透明性を左右します。新築時に地盤調査を実施していれば、その報告書は買主への重要な情報となります。ただし、法律上の説明義務は過去にその土地で液状化被害があった場合や、沈下の可能性があるなど業者が知り得た情報に限定されています。それ以外では説明義務はありませんが、トラブル防止の観点から積極的に情報提供することが望ましいでしょう。

地盤保証制度についても理解しておくべきです。品確法に基づいた瑕疵担保履行法では基礎の瑕疵による不同沈下は保険の対象となっていますが、それとは別に地盤保証が存在します。地盤保証は財団法人や保証会社が実施する制度で、地盤のトラブルにより建物に損害が生じた場合、建物や地盤の修復にかかる費用をサポートする仕組みです。地盤調査と改良工事をセットで契約することで、一定期間の保証が付帯されるケースが多くなっています。

顧客への説明では、地盤調査費用だけでなく改良工事の可能性、保証制度の内容、将来的な資産価値への影響まで含めて総合的に情報提供することが、プロフェッショナルとしての責任といえます。地盤に関する正確な知識は、顧客の安心と満足につながる重要な要素です。


ロッド(スクリューウエイト貫入試験方法/旧 スウェーデン式 サウンディング試験方法・SS試験・SWS試験)