宅地建物取引業者名簿の閲覧方法と記載事項を徹底解説

宅地建物取引業者名簿の閲覧で知っておくべき全知識

名簿に行政処分歴があると、取引相手に300円で全部バレます。

この記事で分かること
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名簿の記載事項

免許番号・役員・専任宅建士・行政処分歴など、名簿に掲載される具体的な情報を解説します。

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閲覧方法・手数料

窓口閲覧とデジタル閲覧(eMLIT)の違い、手数料300円の仕組みと令和7年の制度改正を詳しく説明します。

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業者側の注意点

名簿情報が公開されることで生じる信用リスクと、処分歴を残さないための実務上の対応を紹介します。

宅地建物取引業者名簿の閲覧とは何か|宅建業法第10条の根拠と目的

 

宅地建物取引業者名簿の閲覧制度は、宅建業法第10条を根拠としています。条文には「国土交通大臣又は都道府県知事は、宅地建物取引業者名簿並びに免許の申請及び届出に係る書類を一般の閲覧に供しなければならない」と明記されており、これは任意ではなく行政側の義務です。

つまり、この制度は「誰でも、どんな理由でも」業者の情報を確認できる仕組みです。

なぜこのような制度が設けられているのでしょうか。不動産取引は一般的に高額で、人生の中でも頻度の少ない取引です。賃貸・売買・買取・仲介など、取引の形態を問わず、相手となる業者が信頼できるかどうかを事前に確認できる仕組みが必要とされました。閲覧制度はその手段の一つであり、業者の業歴・財務状況・行政処分歴・専任の宅地建物取引士の有無といった情報を、一般消費者が客観的に確認できるようにしています。

宅建業界の透明性を保つための仕組みですね。

さらに、この制度は業者側にとっても意味があります。名簿情報が公開されることを前提に業務を行うことで、法令遵守への意識が高まります。指示処分・業務停止処分といった行政処分の履歴は名簿に記載され、誰でも閲覧できる状態になるため、違反行為が社会的信用の低下に直結します。

制度の対象となる名簿は、国土交通大臣が管理するものと、各都道府県知事が管理するものの2種類があります。国土交通大臣免許を受けた業者(2以上の都道府県に事務所を置く業者)は大臣が管理し、1つの都道府県のみに事務所を置く業者はその都道府県知事が管理します。

参考:宅建業法第10条に基づく閲覧義務の解説(宅建業法10条の詳細説明)

宅地建物取引業者名簿の記載事項|免許番号の括弧の数字が示す意外な事実

宅地建物取引業者名簿に記載される内容は、宅建業法第8条に定められています。具体的には以下のとおりです。

  • 📌 免許証番号および免許を受けた年月日(例:東京都知事(3)第12345号)
  • 📌 商号または名称
  • 📌 法人の場合:役員(取締役・監査役等)および政令使用人の氏名
  • 📌 個人の場合:本人および政令使用人の氏名
  • 📌 事務所の名称と所在地
  • 📌 各事務所に配置された専任の宅地建物取引士の氏名
  • 📌 保証協会の認可情報
  • 📌 行政処分の履歴(指示処分・業務停止処分の内容と年月日)
  • 📌 宅建業以外の事業内容

ここで注目したいのが、免許証番号の括弧内の数字です。

たとえば「東京都知事(3)第○○○号」とあった場合、この「3」という数字は免許の更新回数を意味します。宅建業の免許は5年ごとに更新が必要で、「更新回数+1」の数字が括弧内に記載されます。括弧内が(1)なら新規取得から5年以内、(3)なら10〜15年目の業者ということになります。これは業者の営業年数の目安になります。

数字が大きいほど長く業を続けている、ということですね。

ただし、注意点があります。名簿に記載されるのは「住所を除く」個人情報です。役員や専任宅建士の氏名は記載されますが、住所は記載されません。これは個人情報保護の観点から令和7年の制度改正で見直された点でもあります。

また、廃業した業者や免許審査中の業者については、名簿への記載がないか閲覧できない場合があります。取引先の業者が名簿に掲載されていない場合は、廃業・失効・審査中のいずれかの可能性があります。確認できない業者との取引は慎重に進めることが原則です。

参考:記載事項と名簿の役割について(宅建業法8条の詳細解説)

宅地建物取引業者名簿の閲覧方法|窓口とデジタルの2つのルートを正しく使い分ける

令和7年(2025年)4月1日以降、宅地建物取引業者名簿の閲覧方法は大きく変わりました。従来の窓口閲覧に加え、「デジタル閲覧(電子閲覧)」が導入されています。2つのルートを正しく把握しておくことが、実務上のトラブル回避につながります。

まず、どちらの方法で閲覧するかを判断するには、国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で対象業者を検索します。検索結果の「商号又は名称」欄に「※」印がついている業者はデジタル閲覧の対象、「※」がない業者は窓口での閲覧が必要です。

デジタル閲覧対象の業者を窓口で閲覧しようとしても、受け付けてもらえません。

項目 窓口閲覧 デジタル閲覧(eMLIT)
対象業者 令和7年3月31日以前に免許取得の業者 令和7年4月1日以降に免許取得・更新の業者
申請方法 各都道府県の窓口へ直接来所(事前予約が必要な場合あり) eMLITからオンライン申請・閲覧
手数料 1業者につき300円(都道府県によって異なる場合あり) eMLITのアカウント登録が必要(閲覧自体の料金は確認を)
写真・コピー 原則禁止(メモは可) 画面表示での確認
本人確認 運転免許証等の提示が必要 eMLITアカウントによる認証

窓口閲覧の場合、各都道府県の宅建業課等(例:埼玉県は浦和区、東京都は都庁第二本庁舎3階など)に出向く必要があります。閲覧可能時間は平日の限られた時間帯に限られており、たとえば埼玉県では午前9時〜11時30分・午後1時〜4時45分です。

閲覧中の写真撮影・コピーは一切禁止です。これは全都道府県で共通のルールです。

メモを取ることは許可されていますが、携帯電話での撮影や名簿のコピーは認められていません。また、1日あたりの閲覧件数に制限を設けている都道府県もあります。大阪府では1申請者あたり1日6件まで(1回3件×2回)という上限があります。

参考:東京都の業者名簿閲覧手引き(令和7年4月以降の最新情報)

東京都住宅政策本部|業者名簿閲覧の手引き

参考:大阪府の閲覧概要・注意事項

宅地建物取引業者名簿等の閲覧の概要及び注意事項(大阪府)

宅地建物取引業者名簿の閲覧と従業者名簿の違い|混同しやすい2つの名簿を整理する

「宅地建物取引業者名簿」と「従業者名簿」は、名前が似ているために混同されやすい制度です。しかし、根拠条文・管理者・公開範囲・閲覧請求の対象がすべて異なります。

まず大きな違いは「誰が管理するか」です。

  • 📗 宅地建物取引業者名簿:国土交通大臣または都道府県知事が管理。宅建業法第8条・第10条が根拠。一般に広く公開される。
  • 📙 従業者名簿:各宅建業者が自社の事務所ごとに備え付ける。宅建業法第48条が根拠。「取引の関係者」からの請求があった場合のみ閲覧に供する義務がある。

従業者名簿の閲覧義務は「取引の関係者」限定です。

従業者名簿には、従業者の氏名・生年月日・主たる職務内容・宅地建物取引士であるか否かの別などが記載されます。取引の相手方や媒介依頼者など「取引の関係者」から請求があった場合、業者はこれを閲覧させる義務があります。閲覧を拒否すると、指示処分・業務停止処分の対象となり、宅建業法第83条に基づいて50万円以下の罰金が科される可能性があります。

罰金刑はかなり厳しいですね。

さらに、従業者名簿は最終の記載をした日から5年間保存する義務があります。電子データでの保存も認められていますが、いつでも印刷・閲覧できる状態に維持しなければなりません。もし従業者名簿の記載が不十分だったり、請求に応じなかったりした場合は、行政処分の対象となります。そしてその処分歴は「宅地建物取引業者名簿」に記録されるという連鎖が生まれます。

2つの名簿はそれぞれ独立した義務です。片方を知っていても、もう一方への対応が抜けているケースが実務では見られます。両方の義務を一度に見直しておくことが、コンプライアンス管理の基本です。

参考:従業者名簿・従業者証明書の詳細説明

従業者名簿ナビ|50万円以下の罰金規定の解説

宅地建物取引業者名簿の閲覧を業者側が活用する独自視点|信用調査・競合分析・内部統制への応用

閲覧制度は「消費者が業者を調べるためのもの」というイメージが強いですが、実は宅建事業者自身がこれを積極活用できる場面があります。これは検索上位の記事ではほとんど取り上げられていない視点です。

まず、取引先業者の信用調査への活用です。

売買取引や媒介委託で関係する相手業者が信頼できるかどうか、名簿閲覧で確認することができます。確認できる情報としては、過去の行政処分歴(指示処分・業務停止処分)・専任宅建士の配置状況・営業年数(免許番号の括弧内の数字)・決算書(免許申請書に添付された直前1年分)などがあります。

これは使えそうです。

たとえば、免許番号の括弧内が「(1)」の業者は設立5年以内の新規業者です。一方「(10)」であれば50年近く事業を継続していることを意味します。処分歴がある場合は、その内容と日付も記録されています。たとえば「業務停止3か月(重要事項説明義務違反)」などの具体的な処分内容が記載されており、取引判断の参考になります。

次に、自社情報の確認・内部統制への活用です。自社の名簿に誤った情報や更新漏れがないかを定期的に確認することは、コンプライアンス管理として有効です。専任宅建士の変更届を忘れていた場合、名簿の記載が古いままになっている可能性があります。

こうした確認は変更届提出後、1〜2か月後に行うのが目安です。

変更届の提出は、変更から30日以内(役員変更の場合は60日以内)に行う義務があります。これを怠ると、宅建業法第9条違反として行政指導・処分の対象になります。処分を受ければ、その事実が名簿に記録され、以後の信用に影響します。自社名簿の閲覧を習慣化することで、届出漏れや記載の不備を早期に発見できます。

参考:国土交通省の業者・宅建士の企業情報検索システム(無料で全国の業者情報を確認可能)

建設業者・宅建業者等企業情報検索システム(国土交通省)

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