登記識別情報通知の見本と法務局での取扱いを解説

登記識別情報通知の見本と法務局での取扱い

目隠しシールをはがしてしまった登記識別情報通知は、そのままでも有効です。

参考)【登記識別情報通知とは】権利証とは違う?いつ使う?無くしたら…

📋 この記事の3ポイント要約
📄

見本でわかる記載内容

登記識別情報通知には12桁の符号・不動産情報・登記名義人・受付番号などが記載される。法務局発行の見本で各項目の意味を確認できる。

🔒

再発行は絶対にできない

登記識別情報通知は紛失しても法務局では再発行してくれない。紛失時は「事前通知制度」「本人確認情報」「公証人認証」の3つの代替手段がある。

⚠️

様式は2015年に大きく変わった

平成27年2月23日以降、目隠しシールから折り込み方式に変更され、QRコードも追加。古い書類と見た目が異なるため、見本での確認が重要。

登記識別情報通知の見本:法務省公表の記載項目を全解説

登記識別情報通知は、不動産の所有権移転や抵当権設定などの登記が完了した際に、登記名義人となった人へ法務局から交付される書類です。 従来の「登記済権利証(権利証)」に代わるもので、2005年(平成17年)3月7日以降の登記から交付が始まりました。journal.sumnara+1

法務省が公表している見本をもとに、記載内容を整理すると以下のとおりです。

参考)登記識別情報通知の見方・見本/記載内容の解説

  • 📍 不動産の情報土地であれば所在・地番、建物であれば所在・家屋番号
  • 🔢 不動産番号:その不動産固有の番号
  • 📅 受付年月日・受付番号(または順位番号):登記申請を受け付けた日付と番号
  • 📝 登記の目的:所有権移転・抵当権設定など、登記の内容
  • 👤 登記名義人:住所と氏名(取得時のもの)
  • 🔑 登記識別情報:12桁の英数字符号(折り込み部分に記載)
  • 🏛️ 発行年月日・発行法務局・登記官氏名・登記官印

登記識別情報の12桁符号が重要です。

参考)登記識別情報について – 司法書士塚本桂一郎事務所(司法書士…

注意点として、登記識別情報通知に記載される名義人の住所・氏名は取得時点のものです。 その後に引越しや婚姻で住所・氏名が変わっても、通知書の記載内容は自動的に新されません。 実務では「通知書の名前と現在の名義人が違う」というケースが頻繁にありますが、それ自体は問題ではありません。

参考:法務省「登記識別情報通知書の様式の変更等について」(見本PDFあり)

法務省:登記識別情報通知書の様式の変更等について

登記識別情報通知の様式変更:折り込み方式とQRコード追加の経緯

平成27年(2015年)2月23日から、法務局が発行する登記識別情報通知書の様式が大きく変わりました。 変更のポイントは主に2点です。office-chino+1

項目 旧様式(平成27年2月22日以前) 新様式(平成27年2月23日以降)
識別情報の目隠し方法 目隠しシール貼付 折り込み方式(のり付け)
QRコード なし あり(QRコードで12桁の符号を読み取り可能)
証明書用紙 旧デザイン 新デザイン(表面・裏面とも変更)

意外ですね。

参考)【不動産登記】登記識別情報通知の様式が変わります。|司法書士…

折り込み方式とは、A4サイズ用紙の下部を折り込んで12桁の符号が隠れるようにし、その縁をのり付けする方法です。 シール方式と比べて、剥がした跡が残らない・シールの劣化リスクがないというメリットがあります。moj.go+1

登記所ごとに変更日が異なりました。 実務では、古い書類(シール方式・QRコードなし)と新しい書類(折り込み方式・QRコードあり)の両方が現場に混在しています。 「書類の見た目が違うが本物か?」と疑問に思わないよう、様式変更の経緯を把握しておくことが不動産業従事者には必須です。meigi-henkou+1

参考:司法書士赤坂トラスト総合事務所「登記識別情報通知の様式が変わります」(変更前後の様式の説明あり)

【不動産登記】登記識別情報通知の様式が変わります。|司法書士…

登記識別情報通知の交付方法:法務局窓口・郵送・不通知制度の選び方

登記識別情報通知は、原則として登記申請をした法務局の窓口で交付されます。 しかし、申請情報の「その他の事項」欄に希望を記載することで、郵送での受け取りも可能です。 郵送の場合は「本人限定受取郵便」で送付されます。

参考)法務省:登記識別情報の通知の方法について

送付先の指定は細かく設定できます。

  • 🏢 申請人が法人の場合:法人の事務所または代表者の個人住所を選択
  • 👔 資格者代理人(司法書士等)への送付を希望する場合:事務所住所または個人住所を指定
  • 🏠 申請人が個人の場合:本人の住所に送付

これは使えそうです。

さらに見落とされがちな制度として「不通知制度」があります。 登記申請時に「登記識別情報の通知を希望しません」と申し出ることで、そもそも登記識別情報通知を受け取らないことができます。 高齢者や管理が不安な場合など、あえて受け取らない選択肢があることを、不動産業従事者はお客様に説明できるようにしておきましょう。

参考)登記識別情報とは?通知や取扱方法など基礎知識をわかりやすく解…

また、法務局から届いた登記識別情報通知が「全く関係のない案件のもの」だったというケースも実際に発生しています。 受け取った際は必ず内容を確認し、案件番号・登記名義人が一致しているかをすぐにチェックすることが重要です。

参考)全く関係ない登記識別情報通知が事務所に届いた件

参考:法務省「登記識別情報の通知の方法について」(郵送・窓口受取の詳細説明)

法務省:登記識別情報の通知の方法について

登記識別情報通知を紛失した場合:再発行不可と3つの代替手段

登記識別情報通知は、紛失しても法務局では絶対に再発行してもらえません。 これは従来の登記済権利証と同様の扱いで、法律上も再発行の規定がありません。

参考)登記識別情報通知書とは? 取得方法から紛失時の対処法まで徹底…

再発行できない、が原則です。

参考)登記識別情報を紛失してしまった!対処法を専門家が徹底解説

ただし、紛失しても不動産取引や登記手続きが一切できなくなるわけではありません。 次の3つの代替手段があります。pright-si+1

  • 📬 ①事前通知制度:法務局が登記名義人の住所へ本人限定受取郵便で確認書類を送付し、本人が署名・返送する方法。手続きが止まるため時間がかかる点に注意。
  • 🧑‍💼 ②資格者代理人による本人確認情報の提供:司法書士などの資格者が本人と面談し、本人確認情報書類を作成して法務局に提出する方法。売買決済などスピードが必要な場面で多用される。
  • 🏛️ ③公証人による本人確認・認証:公証役場で公証人に本人確認をしてもらう方法。

このうち、実務で最も利用頻度が高いのは②の本人確認情報の提供です。 司法書士報酬として追加費用(目安として数万円程度)が発生するため、紛失が発覚した時点でお客様に早めに説明することが重要です。shinginza+1

また、登記識別情報の盗難が疑われる場合は、失効申出制度を活用できます。 ただし、失効させると後日再発行はされず、以後の手続きでは毎回代替手段が必要になります。 失効は慎重に判断が必要です。enju-legal+1

参考:プライト司法書士法人「登記識別情報をなくしたら登記できない?司法書士が解説」(3つの代替手続きを詳しく解説)

登記識別情報をなくしたら登記できない?司法書士が解説する3つの代替手続き
登記識別情報(権利証)を紛失しても登記は可能です。再発行はできませんが、司法書士による本人確認情報や事前通知制度など3つの代替手続きで安全に登記を進められます。売買登記や抵当権抹消登記の際に必要な書類や注意点を、専門家がわかりやすく解説しま...

不動産業者が知らない:登記識別情報の「有効証明」と「不失効証明」の違い

登記識別情報には、実務でほとんど知られていない2種類の証明制度があります。 それが「有効証明」と「不失効証明」です。

まず制度の違いを整理します。

制度名 内容 法務局からの証明
✅ 有効証明 その登記識別情報が「有効である(失効していない)」ことを証明 「登記識別情報は当該登記に係るものであり、失効していないことを証明する」旨の書面が発行される
❌ 不失効証明 「失効していない」ことのみを証明(有効性の積極的証明とは異なる) 失効申出がされていないことの確認

有効証明は、不動産取引の際に買主側が売主の登記識別情報が本物かどうかを確認するために使われることがあります。 実務上は詐欺対策として機能します。meigi-henkou+1

これは使える知識です。

ただし、法務局が公表しているサンプルによると、有効証明の請求には登記識別情報(12桁の符号)の開示が必要です。 つまり、折り込みを開けて12桁を確認・提出しなければならないため、一度使ったら「未開封」の状態には戻せません。 この点を理解したうえで、本当に必要な場面かどうかを判断することが重要です。journal.sumnara+1

また、有効証明は「疑義がある場合を除き、実務上はあまり利用されるケースが少ない」とされています。 一方で、高額な不動産取引や法人絡みの案件では、取引の安全を担保する手段として検討する価値があります。journal.sumnara+1

参考:不動産名義変更手続センター「登記識別情報通知とは」(有効証明・不失効証明の詳細説明あり)

【登記識別情報通知とは】権利証とは違う?いつ使う?無くしたら…