登録免許税軽減措置要件を宅建業者が押さえる
連帯債務なら居住しない人の債務も全額軽減対象です。
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登録免許税軽減措置の基本要件と対象範囲
個人が住宅用家屋を取得した際、一定の要件を満たせば登録免許税の軽減措置を受けられます。この制度は、所有権の保存登記や移転登記、抵当権設定登記の税率を大幅に引き下げるものです。
軽減措置を受けるための基本要件は4つあります。
- 登記簿上の床面積が50㎡以上であること
- 個人が自己の居住用として取得すること
- 新築または取得後1年以内に登記を行うこと
- 中古住宅の場合は1982年1月1日以降に建築されたものか、新耐震基準に適合していること
床面積は登記簿に記載された面積で判断します。共有物件の場合も家屋全体で50㎡以上あれば要件を満たします。
併用住宅では居住部分が90%以上必要です。
参考)【宅建過去問】(平成30年問23)登録免許税 &#8211;…
所有権移転登記の軽減措置を受けるには、取得原因が「売買」または「競落」である必要があります。
贈与による取得は軽減措置の対象外です。
これが重要なポイントですね。
参考)「登録免許税」の重要ポイントと解説 – 4ヶ月で宅建合格でき…
住宅用家屋証明書の取得が登録免許税軽減の鍵
軽減措置を受けるには、登記申請書に住宅用家屋証明書を添付しなければなりません。この証明書は市区町村の役所で交付を受けます。
住宅用家屋証明書の申請には複数の書類が必要です。
- 家屋の登記事項証明書
- 家屋の売買契約書または売渡証書
- 住民票の写し
- 1982年以前の建物の場合は耐震基準適合証明書など
住民票が新居に移っていない場合でも、やむを得ない事情があれば申立書を添付して証明書を取得できる可能性があります。前の住人が未転出の場合や、家族の病気などで入居が遅れる場合が該当します。
参考)登録免許税とは?登録免許税の計算方法と、転入前の住宅家屋証明…
ただし住民票が旧住所のままだと原則として証明書が取得できません。証明書なしでは軽減措置を受けられないため、顧客には早めの転入手続きを案内する必要があります。
助かる制度も手続きが命です。
国税庁の登録免許税軽減措置パンフレット:具体的な要件と税率が記載されています
登録免許税の軽減税率と具体的な金額差
軽減措置が適用されると、登録免許税の税率は大幅に下がります。所有権保存登記は本則0.4%から0.15%に、所有権移転登記は本則2.0%から0.3%になります。抵当権設定登記は本則0.4%から0.1%です。
参考)https://www.haseko-sumai.com/kurashi/archive/detail_293.html
固定資産税評価額が1,000万円の建物の場合、所有権移転登記の登録免許税を比較してみましょう。
- 軽減措置なし:1,000万円×2.0%=20万円
- 軽減措置あり:1,000万円×0.3%=3万円
- 差額:17万円
実際の住宅購入では土地と建物、抵当権設定を合わせると数十万円単位の節税になります。評価額3,500万円の土地建物を取得し、5,000万円の住宅ローンを組んだケースでは、軽減措置により61万1,000円の負担が軽減されました。
参考)登録免許税の計算方法と支払時期を解説!軽減措置や事例もあわせ…
認定長期優良住宅や認定低炭素住宅の場合、さらに優遇税率が適用されます。所有権保存登記が0.1%になるため、通常の軽減税率よりさらに低くなります。
いいことづくめですね。
宅建業者が知るべき適用除外ケースと落とし穴
軽減措置には意外な適用除外ケースがあります。法人名義での取得は、たとえ従業員の社宅として使う住宅であっても軽減措置の対象外です。個人の居住用という要件を満たさないためです。
共同名義で購入する場合、居住する人の持分のみに軽減措置が適用されます。親子で共有名義にして子のみが居住するケースでは、子の持分だけが軽減対象です。
抵当権設定登記の軽減では、債務者が居住者かどうかが重要になります。連帯債務の場合、居住する人が債務者に含まれていれば、債務全額について軽減措置を受けられます。
これは半額ではなく全額です。
参考)https://ameblo.jp/lion5159/entry-11464945086.html
一方で、居住しない親だけが債務者の場合は、一切軽減措置が適用されません。
厳しいルールです。
贈与を原因とした所有権移転登記も対象外です。親から子への住宅贈与で登記する場合、軽減措置は使えず基本税率が適用されます。
事業用建物や投資用物件も対象外です。住宅用家屋証明書が取得できない建物種別では軽減措置を受けられません。「居宅」や「居宅・車庫」は対象ですが、「共同住宅」や「居宅・事務所」で居住部分が90%未満の場合は適用外です。
宅建業者が顧客案内で押さえる実務ポイント
軽減措置の案内では、登記期限の厳守を強調する必要があります。取得後1年以内という期限を過ぎると軽減措置を受けられません。
これは絶対です。
住宅ローン控除と混同しないよう注意が必要です。登録免許税の軽減措置は登記時の税金を減らす制度であり、所得税や住民税の控除とは別の制度です。両方の適用を受けられる場合もあるため、顧客には両制度を案内しましょう。
中古住宅の場合、築年数だけでなく耐震基準の確認が必須です。1982年1月1日より前に建築された物件でも、耐震基準適合証明書があれば軽減措置を受けられます。耐震基準適合証明書、住宅性能評価書、既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約の証明書のいずれかで対応可能です。
参考)登記するときに「住宅用家屋証明書」を添付すると登録免許税が軽…
宅建業者が買取再販する物件では、特別な要件があります。業者が取得してから特定増改築工事を行い再販売するまでの期間が2年以内であること、取得時に新築から10年を経過した家屋であることなどの条件を満たす必要があります。
痛い出費を避けるため事前確認が大切です。
参考)登録免許税の軽減を受けるための住宅用家屋証明について|名張市
軽減措置の適用期限にも注意が必要です。現行の特例税率は2027年3月31日までの時限措置として適用されます。期限が近づく物件では、確実に登記手続きを完了させるスケジュール管理が重要になります。
登録免許税の軽減措置の詳細解説:計算方法や手続きの流れがわかります
登録免許税軽減を最大限活用する独自戦略
宅建業者として顧客に付加価値を提供するには、軽減措置の案内を契約前から行うことが効果的です。購入検討段階で節税額を具体的に示すことで、顧客の意思決定を後押しできます。評価額に基づく概算を提示し、「この物件なら約30万円の登録免許税軽減が見込めます」と伝えると説得力が増します。
住宅用家屋証明書の取得サポートも差別化要素になります。必要書類のチェックリストを提供し、市区町村ごとの手続きの違いを案内すれば、顧客の手間を大幅に減らせます。やむを得ない事情で転入が遅れる場合の申立書作成もアドバイスできれば、さらに信頼を得られます。
築古物件の販売では、耐震基準適合証明書の取得を売主に提案する戦略があります。証明書があれば買主が軽減措置を受けられるため、物件の魅力が高まります。証明書取得費用は数万円程度ですが、買主の登録免許税が十数万円下がれば大きなメリットです。
連帯債務の活用も提案価値があります。夫婦や親子で住宅ローンを組む際、居住者を連帯債務者に含めることで、抵当権設定登記の全額について軽減措置を受けられます。
単独債務と比べて大きな違いが生まれますね。
宅建業者自身が買取再販を行う場合、2年以内の再販売要件を意識した物件選定が重要です。リフォーム期間を含めても2年以内に販売できる物件を選び、買主が軽減措置を受けられるよう計画的に進めることで、販売力が高まります。
これで競合に差をつけられます。
参考)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/0020003-124_02.pdf

