横浜空き家無料活用の実態
無料マッチングでも修繕費300万円が発生します。
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横浜市の空き家無料マッチング制度の仕組み
横浜市が提供する「空家活用のマッチング制度」は、空き家所有者と地域活動団体や事業者を橋渡しする制度です。市内の一戸建て住宅の空家またはその跡地が対象となり、対話の場の設定までが無料という点が特徴となっています。
この制度の運営は横浜市住宅供給公社が担当し、電話番号045-451-7762で原則無料の相談を受け付けています。受付時間は10時から16時まで、ヨコハマポートサイドビル6階の「住まいるイン」で窓口相談も可能です。専門的な相談が必要な場合は適切な専門家団体を紹介する体制も整っています。
参考)空き家(空家)について、相談できる窓口はありますか。 横浜市
ただし「無料」はあくまで相談と対話の場の設定までです。実際の物件譲渡や活用に伴う費用は別途発生します。建築物の老朽化が激しい場合や法令違反のある物件は登録をお断りされることもあり、利活用に適した物件であることが前提条件となっています。
不動産従事者としては、この制度を顧客に案内する際に「マッチングまで無料」という正確な情報を伝える必要があります。制度の詳細については横浜市の公式ページで確認できます。
横浜市空家活用のマッチング制度(市内の空き家所有者と利用希望者をつなぐ公式制度の詳細)
横浜空き家の無料譲渡に潜む高額費用
0円で空き家を取得できても、その後の費用負担は避けられません。修繕費として数百万円以上の高額な費用がかかることもあり、「無料でもらったのに中古一戸建てを購入するくらいの費用がかかった」という事態が実際に発生しています。
参考)神奈川県の空き家もらってください!無料で住宅を入手する方法や…
具体的な年間維持費は固定資産税約10万5,000円、火災保険料約10万円、水道・電気料金約2万円で、合計年間約22万5,000円になります。管理代行サービスに委託するとさらに年間6万円〜12万円が追加されます。これは月額換算で約1万9,000円、軽自動車の月々のローン返済額に相当します。
修繕費用はさらに深刻です。築40年以上の一戸建てであれば、水回りの設備が古く、配管の交換だけでも100万円以上かかることがあります。無償譲渡される空き家の多くは長期間放置されていた物件で、老朽化した状態のまま現況引き渡しになっているケースが大半です。
譲渡契約の作成や登記費用といった取得時の費用も見逃せません。固定資産税や修繕費に加え、場合によっては解体費も必要になります。不動産従事者は、必ず建築士やホームインスペクターといった専門家による物件調査を顧客に推奨すべきです。
痛い出費です。しかし事前調査でリスクを正確に把握すれば、対策は可能です。
横浜市の空き家補助金制度と2024年の改正
横浜市では空き家の除却や改修に対する補助金制度が整備されています。除却工事の補助額は、課税世帯で200,000円、非課税世帯で400,000円です。また、対象建築物の延べ面積(㎡)×13,500円/㎡に1/3を乗じた額、または対象建築物の除却工事に要する費用に1/3を乗じた額が補助対象となります。
令和7年度より補助上限額が拡充されました。旧耐震建築物(昭和56年5月末以前)の場合は50万円、新耐震グレーゾーン住宅(昭和56年6月〜平成12年5月末以前)の場合は一般世帯20万円、非課税世帯40万円が上限です。これは東京ドーム約0.003個分の面積を持つ一般的な戸建て住宅の解体費用の約3分の1をカバーできる金額です。
参考)横浜市の空き家活用制度・補助金 完全ガイド(2025年版)
賃貸活用では家賃減額補助も利用できます。契約家賃と入居者負担額の差額を補助し、最大8万円/月(子育て世代は最大4万円/月)が支給されます。期間は最大20年間(子育て世帯は最大6年間)で、長期的な収益安定化が図れます。
2024年7月1日から、800万円未満の空き家等を売却する場合の仲介手数料制度が変更されました。不動産会社が売主さまや買主さまへ請求できる報酬は、原則による上限を超えて33万円(税込)まで受領できるようになっています。従来と比べて12万円(税込13.2万円)多く受領できることは、不動産従事者にとって収益機会の拡大を意味します。
参考)空き家等売却時に注意したい仲介手数料|2024年改定、その他…
つまり収益化の道は開けています。補助金と手数料改正を組み合わせた提案が可能です。
横浜市の空き家活用制度・補助金完全ガイド(2025年版)(補助金の詳細な条件と申請方法)
横浜空き家バンクが存在しない理由と代替策
横浜市には一般的な「空き家バンク」制度が存在しません。多くの自治体が運営する空き家バンクは、空き家の情報を集め所有者と利用希望者を結びつける制度ですが、横浜市はマッチング制度という独自の橋渡し支援を行っています。
参考)https://yorozuya-ltd.com/news/1151/
この背景には、横浜市が東京23区を除く全国の市区町村としては最多の人口を誇り、経済・文化・流行などあらゆる面で重要な役割を担っている点があります。需要と供給のバランスが他の地方自治体と異なるため、特定の橋渡し支援に特化した形になっています。
参考)横浜市の空き家活用方法を徹底解説!自己資金0円でリノベーショ…
代替策として民間企業が運営するマッチングサービスが活用できます。例えばアキサポなどは、空き家に特化した独自のネットワークを活かして不動産市場に出回っていない個性的な物件を紹介することが可能です。空き家を借り受け、所有者様の自己負担0円(※)でリノベーション工事後に一定期間転貸するサービスも展開しています。
不動産従事者は横浜プランナーズネットワークが運営する「空家相談窓口」も活用できます。地域に貢献する空き家の活用を原則無料で相談でき、空き家を探している場合と所有し活用する団体等を探している場合の双方に対応しています。2007年〜2016年の実績も公開されており、信頼性が担保されています。
参考)空き家相談窓口 &#8211; 横浜プランナーズネットワーク
選択肢は複数あります。顧客のニーズに応じて最適な窓口を案内することが重要です。
空き家無料譲渡の契約リスクと不動産従事者の責任
空き家の無償譲渡には複数の法的リスクが潜んでいます。横浜市条例「横浜市空家等に係る適切な管理、措置等に関する条例」により、空き家の管理が義務化されており、空き家に起因するトラブルは所有者が責任を負います。2024年4月に相続登記の義務化がスタートし「空き家の所有者」を特定されるため、横浜に空き家を所有していれば適切な管理や活用が求められます。
参考)横浜の空き家は横浜市条例で管理が義務化!特定空家の罰則 &#…
特定空家に指定されると深刻な事態になります。行政代執行によって空き家の取り壊しにかかった費用は所有者に請求され、横浜市が指定する解体業者が空き家を取り壊すため費用が高額になることが考えられます。行政代執行にかかる費用の請求は税金と同じように回収されるため、仮に自己破産しても支払いを免れることはありません。
「相続放棄したから関係ない」という認識は危険です。横浜市では空き家の管理や活用について相談できる窓口があり、マッチング制度なども整備されているものの、相続放棄後も一定期間の管理責任が残る場合があります。
参考)「相続放棄したから関係ない」は危険! 空き家管理の意外な落と…
不動産従事者としては、契約不適合責任の免責条項を契約書に明記することが重要です。無償譲渡契約では「現況引き渡し」が一般的ですが、後からのトラブルを避けるため、物件の瑕疵や修繕が必要な箇所を事前に書面で明確化しておく必要があります。売却価格は市場価格よりも低くなる傾向がありますが、無償で譲渡するよりも金銭的な面で有利なうえ、スピーディーかつ確実に空き家を手放せることが大きなメリットです。
契約不適合責任の免責は必須です。
書面での明確化が顧客と自社を守ります。
横浜空き家を収益化する不動産従事者の戦略
横浜市の空き家を収益化するには、複数の制度を組み合わせた提案が有効です。2025年12月25日に横浜市と空き家活用株式会社がワンストップ・伴走支援型の空家活用支援に関する協定を締結しており、第3期横浜市空家等対策計画に基づいた空家化の予防、流通・活用促進、管理不足空家等の防止・解消の3つの柱が強化されています。
参考)横浜市×空き家活用株式会社 ワンストップ・伴走支援型の空家相…
仲介手数料の改正を最大限に活用することが収益の鍵です。800万円未満の空き家売却では、不動産会社が売主・買主それぞれから最大33万円(税込)まで受領できるようになりました。400万円(税抜)の空き家を売却する場合、従来と比べて12万円(税込13.2万円)多く受領でき、これは成約1件あたりの利益率が約58%向上することを意味します。
参考)低廉(800万円以下)な空き家等の売買は仲介手数料が最大33…
賃貸活用では自己負担0円でのリノベーション工事を提案できます。アキサポのようなサービスを活用すれば、空き家を借り受け所有者の自己負担0円でリノベーション工事後に一定期間転貸することが可能です。費用面で空き家活用に乗り出せていなかった顧客でも手軽にスタートできます。
税制面では、空き家の所有期間によって譲渡所得税率が異なります。短期譲渡所得(5年以下)は39.63%、長期譲渡所得(5年超)は20.315%で、所有期間が5年を超えているかどうかで約2倍の税率差が生じます。顧客に売却タイミングの最適化を提案する際の重要なポイントです。
不動産従事者は横浜市の補助金制度、仲介手数料改正、民間サービス、税制優遇を組み合わせた総合的な提案を行うことで、顧客満足度と自社収益の両立が実現できます。
結論は組み合わせ戦略です。
単独制度ではなく複数制度の活用が成功の鍵となります。
