在留カード更新の料金と手続きを不動産業者が知るべき理由

在留カード更新の料金と手続きを完全解説

更新手数料は無料だと思っていると、実は別の出費で痛い目を見ます。

この記事のポイント3選
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在留カード更新の料金は「ゼロ円」が基本

入管への申請手数料は無料ですが、行政書士や専門家への代行費用は3〜8万円かかるケースがあります。

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更新を怠ると不動産契約に影響する

在留カードの有効期限切れは、入居審査や契約更新でのトラブルに直結します。不動産業者側も確認義務があります。

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必要書類と申請場所を正しく把握する

申請は全国の出入国在留管理局(入管)で行います。オンライン申請にも対応しており、書類不備による再申請を防げます。

在留カード更新の料金は本当に無料?費用の全体像

 

在留カードの新(在留期間更新許可申請)そのものにかかる手数料は、入管法上無料です。これは基本中の基本です。

ただし「無料だから何も費用がかからない」と思っていると、実際には思わぬ出費が発生することがあります。費用が発生するのは主に次の場面です。

  • 📌 行政書士・申請取次者への代行依頼費用:3万〜8万円程度(事務所や在留資格の種類によって異なる)
  • 📌 証明写真代:300〜900円(縦4cm×横3cm、申請に使用)
  • 📌 住民票や戸籍謄本などの取得費:300〜450円/通
  • 📌 入管への交通費・郵送費:居住地によっては往復1,000円以上
  • 📌 就労資格証明書の申請費用(任意):900円の収入印紙が必要

結論は「申請自体は無料、でも付随費用は発生する」です。

不動産業者として外国人入居者をサポートする立場であれば、この全体像を把握しておくことが重要です。入居者から「更新にいくらかかりますか?」と聞かれたとき、「無料ですよ」と即答するのは不正確になります。

特に、在留資格が「経営・管理」や「技術・人文知識・国際業務」など、書類が複雑な種別の場合、行政書士への依頼費用は5〜8万円に達することも珍しくありません。これは1か月分の家賃にあたることもあります。費用感を正しく伝えられるかどうかが、入居者からの信頼につながります。

参考:在留カードの更新申請に関する公式情報(出入国在留管理庁)

出入国在留管理庁|在留期間更新許可申請

在留カード更新の手続きの流れと必要書類

更新手続きは「在留期間満了日の3か月前から」受け付けています。これが原則です。

早すぎても受け付けてもらえず、遅すぎると不法滞在になるリスクがあるため、タイミングの管理が非常に重要です。以下が基本的な申請の流れです。

  1. 在留期間満了日の3か月前から準備開始
  2. 必要書類をそろえる(在留資格ごとに異なる)
  3. 最寄りの出入国在留管理局(または支局)に申請
  4. 審査期間中(2週間〜2か月程度)は「在留資格証明書」が発行される
  5. 許可後、新しい在留カードを受け取る

申請に必要な書類は在留資格によって異なりますが、共通して必要なものは以下の通りです。

  • 📄 在留期間更新許可申請書(入管のHPからダウンロード可)
  • 📄 パスポート(原本)
  • 📄 在留カード(現在のもの)
  • 📄 証明写真(縦4cm×横3cm)
  • 📄 住民票の写し(マイナンバーの記載なし)

意外ですね。住民票にはマイナンバーの記載が「ない」ものを提出しなければなりません。記載ありのものを誤って提出すると書類不備で差し戻される可能性があります。

不動産業者として、入居者にこの点を事前に案内するだけで「書類ミスによる再申請」というトラブルを防げます。入居サポートの一環として案内リストを作っておくと実用的です。

在留カード更新を忘れた場合の不動産契約への影響

在留カードの有効期限が切れると、法的には「不法残留」となります。厳しいところですね。

不動産業者にとって、この状況は単なる入居者の問題では済みません。以下のリスクが現実に発生します。

  • 🔴 契約更新の拒絶事由になる可能性:有効な在留資格のない外国人との契約継続は、業者側のコンプライアンスリスクになる
  • 🔴 家賃保証会社の審査落ち:在留カードの有効期限は保証会社の審査項目に含まれており、期限切れは即審査落ちの理由になる
  • 🔴 入居者が強制退去になるケース:入管当局による摘発・送還が発生した場合、家賃回収が突然できなくなるリスクがある

実際、外国人入居者が多い都市部の不動産会社では、入居者の在留カード有効期限を定期的にチェックする運用を導入しているところも増えています。これは使えそうです。

具体的な対策としては、賃貸借契約書に「在留カードの有効期限が切れた場合は速やかに通知する」旨の特約を盛り込む方法があります。更新時期が近づいた入居者に対してリマインドを送る運用ルールを社内で作っておくと、トラブルを未然に防げます。

在留カード期限切れのリスクについては、国土交通省の「外国人の民間賃貸住宅入居円滑化ガイドライン」も参考になります。

国土交通省|外国人の民間賃貸住宅入居円滑化ガイドライン

在留カード更新を代行業者に依頼する場合の料金相場と注意点

代行を依頼する場合、費用の目安を知っておくことが交渉や案内の精度を上げます。

行政書士事務所への依頼費用の相場は、在留資格の種類によって大きく異なります。以下はおよその目安です。

在留資格の種類 代行費用の目安 備考
技術・人文知識・国際業務 3〜5万円 比較的書類が標準化されている
経営・管理 5〜10万円 事業実績の証明が必要で複雑
家族滞在 2〜4万円 主たる在留者の書類も必要
永住者 5〜12万円 審査期間が長く難易度が高い
特定技能 3〜6万円 受入機関の書類が追加で必要

注意点として、「申請取次行政書士」でない一般業者が代行を請け負うことは違法です。依頼先が申請取次の認定を受けているか確認することが条件です。

また、代行費用が「安すぎる」業者には注意が必要です。書類の質が低く、不許可になるケースも報告されています。不許可になると再申請費用が追加でかかり、結果的に費用が2倍以上になることもあります。

不動産業者が外国人入居者に伝えるべき在留カード更新の独自チェックリスト

不動産業者が在留カードの更新を”入居者任せ”にしているのは、実はリスク管理の盲点です。

他の不動産関連サイトではあまり触れられていない視点ですが、入居者の在留カード状況を管理することは、空室リスクや家賃滞納リスクの低減にも直結します。以下は、外国人入居者が多い物件を管理する業者向けの実践チェックリストです。

  • ✅ 契約時に在留カードのコピーを取得し、有効期限を台帳に記録する
  • ✅ 有効期限の6か月前と3か月前に、入居者へリマインドメールを送る運用を設ける
  • ✅ 契約更新時に在留カードの現物確認を必ず行う(コピーだけでは期限が変わっている可能性がある)
  • ✅ 在留カードが「特定活動」の場合は、指定書の内容も確認する(就労制限がある場合がある)
  • ✅ 更新申請中であっても、「申請受理票」を確認することで在留資格の継続性を確認できる
  • ✅ 保証会社に在留カードのコピーを提出する場合、最新版を使用しているか確認する

これらを社内ルールとして落とし込むだけで、契約トラブルの大半は防げます。

特に見落とされがちなのが「申請受理票」の扱いです。在留期間満了日を過ぎていても、更新申請中の場合は最長2か月の在留継続が認められています(入管法第20条第5項)。この事実を知らずに「期限切れだから審査落とし」と判断すると、法的に問題のない入居者を排除してしまうことになります。これは大きな誤解です。

参考:在留資格の申請中における在留の扱いについて

出入国在留管理庁|在留カードについて

外国人入居者サポートを強みにしたい場合、「やさしい日本語」で書かれた在留カード更新ガイドを入居者に渡す取り組みも有効です。自治体が作成している多言語版のパンフレットを活用すると、初期コスト無しで実践できます。これは今日からでも始められる施策です。


不法就労リスクを防ぐ 外国人雇用における在留資格の法律相談Q&A