住んでいない家売却税金で損しない控除特例と計算方法

住んでいない家売却税金

住み替えや相続で空いた家を売るとき、取得費が不明なら税金が95%分に課税される。

📌 住んでいない家売却で押さえる税金3ポイント
💰

譲渡所得税は所有期間で税率が2倍変わる

5年以下は約40%、5年超は約20%の税率が適用される

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3000万円の特別控除が使えるケースがある

居住用財産や相続空き家なら最大3000万円まで控除可能

⚠️

放置すると固定資産税が6倍になるリスク

特定空き家や管理不全空き家に指定されると住宅用地特例が解除される


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住んでいない家の売却でかかる譲渡所得税の計算方法

 

住んでいない家を売却して利益が出ると、その利益に対して譲渡所得税(所得税・住民税)が課税されます。

譲渡所得税は以下の式で計算されます。

参考)住んでいない家の売却にかかる税金まとめ。状況ごとに特例の利用…

課税譲渡所得金額 = 収入金額 – (取得費 + 譲渡費用) – 特別控除額

収入金額とは売却価格のことです。取得費は購入時の価格や仲介手数料、リフォーム費用などを含みます。譲渡費用には売却時の仲介手数料や測量費、解体費用などが該当します。

参考)住んでいない家の売却で税金はかかる?計算方法や使える控除も紹…

取得費が不明な場合、売却金額の5%相当額を「概算取得費」として計算できます。例えば3000万円で売却した物件なら、3000万円×5%=150万円を取得費にできるということです。つまり、購入時の資料がないと売却額の95%分が課税対象になります。

参考)https://www.ieuri.com/bible/money/12489/

税率は所有期間で大きく変わります。

参考)不動産を5年以内に売却すると税金で損?待つべきか判断する特例…

区分 所有期間 所得税 住民税 合計税率
短期譲渡所得 5年以下 30.63% 9% 39.63%
長期譲渡所得 5年超 15.315% 5% 20.315%

※所得税には復興特別所得税2.1%が含まれます

参考)不動産売却時の税金は5年で課税額が大きく減少する?短期譲渡所…

所有期間が5年以下なら約40%、5年超なら約20%ということですね。同じ利益でも所有期間で税額が倍近く変わるため、売却タイミングの判断が重要になります。

住んでいない家の売却で使える3000万円特別控除の条件

住んでいない家でも、一定の条件を満たせば最大3000万円の特別控除を受けられます。

主に2つのパターンがあります。

参考)住んでいない家の売却にかかる税金はどのくらいになる?特例や売…

① 居住用財産の3000万円特別控除

自分が住んでいたマイホームを売却する場合、「居住用財産を譲渡した場合の3000万円特別控除」が適用できます。住まなくなってから3年目の12月31日までに売却すれば対象です。

参考)住んでいない家を売却するときに知っておきたい税金と特例

適用条件は以下のとおりです。

参考)居住用財産の3,000万円控除とは?適用の判断方法と必要な手…

  • 売主がかつて実際にその家に住んでいたこと
  • 住まなくなってから3年目の12月31日までに売却すること
  • 族や配偶者などが住み続けていないこと
  • 売却先が親子や婦など特別な関係でないこと
  • 売った年とその前2年でほかの特例を使っていないこと

投資目的の物件や一時的な滞在先、別荘、特例目的で短期間だけ住んだ物件は対象外です。

3年以内が原則ですね。

② 相続空き家の3000万円特別控除

親が住んでいた家を相続して空き家になった場合、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」が使えます。

これも最大3000万円の控除です。

主な条件は次のとおりです。

参考)相続空き家の売却で「空き家特例」が使えない場合とは?

  • 昭和56年5月31日以前に建築された建物(旧耐震基準)であること
  • 相続開始直前に被相続人が一人で住んでいたこと(他に居住者がいない)
  • 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
  • 売却代金が1億円以下であること
  • マンションなど区分所有建物でないこと

売却前に耐震改修工事または建物の取り壊しが必要でしたが、令和9年まで特例が延長され、要件も一部緩和されています。共有不動産の場合、特例判定は個人の受取額ではなく不動産全体の売却代金で判定されるので注意が必要です。

参考)知らないと600万円の損!?相続不動産売却時の空き家特例を活…

例えば、取得費200万円、譲渡費用150万円で4000万円の売却益があった場合、空き家特例を使えば(4000万円-3000万円)×20.315%=約203万円の税金で済みます。特例なしだと約812万円になるため、約600万円もの差が出ます。

知らないと損ですね。

住んでいない家の売却にかかる印紙税と登録免許税

譲渡所得税以外にも、住んでいない家の売却では印紙税と登録免許税がかかります。

印紙税は売買契約書に貼る収入印紙の費用です。

契約金額によって税額が決まります。

契約金額 印紙税額(軽減措置適用後)
500万円超~1000万円以下 5,000円
1000万円超~5000万円以下 1万円
5000万円超~1億円以下 3万円
1億円超~5億円以下 6万円

※令和9年3月31日まで軽減税率が適用されます​
登録免許税は不動産の名義変更や抵当権抹消にかかる税金です。相続登記の場合は固定資産税評価額の0.4%が必要です。例えば評価額2000万円の物件なら、2000万円×0.4%=8万円となります。

参考)【2024】家の売却でかかる税金はいくら?計算方法や3000…

住宅ローンが残っている場合は抵当権抹消登記も必要で、不動産1個につき1000円の登録免許税がかかります。

土地と建物で2000円ということです。

司法書士に依頼する場合、別途報酬として1万円~2万円程度が相場になります。

これらは売却時に必ず発生する費用です。

住んでいない家を放置すると固定資産税が6倍になるリスク

住んでいない家を適切に管理せず放置すると、「特定空き家」または「管理不全空き家」に指定され、固定資産税が最大6倍に跳ね上がる可能性があります。

参考)特定空き家に指定されると固定資産税が6倍に?増税を防ぐ4つの…

通常、住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税が6分の1(200㎡超の部分は3分の1)に軽減されています。どういうことでしょうか?​

特定空き家とは、「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、適切に管理されず周辺環境に悪影響を与えていると自治体が判断した建物です。2023年の法改正後は、特定空き家に至る前段階の「管理不全空き家」でも、自治体からの勧告を受けると住宅用地特例が解除されます。

勧告を受けた翌年から固定資産税が6倍になります。例えば、固定資産税評価額1000万円の土地なら、通常は1000万円×1.4%×1/6=約2.3万円ですが、特例解除後は1000万円×1.4%=14万円になります。

年間11.7万円の負担増です。

具体的には以下のような状態が指定要因になります。

  • 倒壊など保安上危険な状態
  • 衛生上有害な状態(ゴミの放置、悪臭など)
  • 著しく景観を損なっている状態
  • その他周辺の生活環境保全のために放置が不適切な状態

空き家の売却を検討しているなら、3年以内の売却で空き家特例を使い、同時に固定資産税増税のリスクも回避できます。

一石二鳥ですね。

参考)相続した空き家を売るなら3年以内がおススメ!空き家特例による…

住んでいない家の売却で注意すべき特例適用の失敗事例

3000万円控除や空き家特例を使う際、書類不備や要件の誤解で特例が適用されず、数百万円の税負担増となるケースがあります。

参考)不動産売却の特別控除の種類と要件まとめ|3000万円控除・相…

よくある失敗事例は以下のとおりです。

① 書類の不備・添付漏れ

特例適用には確定申告が必須で、必要書類が揃っていないと控除が受けられません。空き家特例なら「被相続人居住用家屋等確認書」、居住用財産の控除なら「住民票の除票」などが必要です。

これがないと適用不可です。

参考)No.3302 マイホームを売ったときの特例|国税庁

② 複数特例の重複申請

同じ年に複数の特例を重複して使おうとすると、一部が無効になり追徴課税を受けることがあります。例えば、売った年の前後2年以内に住宅ローン控除や買換特例を使っていると、3000万円控除は使えません。

③ 売却期限の見落とし

居住用財産の控除は「住まなくなってから3年目の12月31日まで」、空き家特例は「相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」が期限です。

1日でも過ぎると適用外になります。

④ 売却金額の合算ミス

共有不動産を売却する場合や、複数年にわたって売却する場合、それらの売却金額を合算して1億円以下かどうかを判定します。

自分の持分だけで判断すると誤りです。

これらのミスを防ぐには、売却前に税理士や不動産コンサルタントに相談し、適用要件と必要書類を事前確認することが重要です。

確認すれば安心ですね。

国税庁の「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」の詳細はこちらで確認できます。

No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの…

また、国土交通省の「空き家の発生を抑制するための特例措置」では、空き家特例の最新情報と適用要件が詳しく解説されています。

住宅:空き家の発生を抑制するための特例措置(空き家の譲渡所得…

住んでいない家の売却後に必要な確定申告の手続き

住んでいない家を売却して利益が出た場合、または特例を使う場合は、売却した年の翌年2月16日から3月15日までに確定申告が必要です。利益が出なくても、特例適用には申告が必須です。

確定申告で必要な主な書類は以下のとおりです。

  • 確定申告書(譲渡所得の内訳書を含む)
  • 売買契約書のコピー(売却時・取得時の両方)
  • 仲介手数料などの領収書
  • 登記事項証明書
  • 住民票の除票または戸籍の附票(居住用財産の控除の場合)
  • 被相続人居住用家屋等確認書(空き家特例の場合)
  • 耐震基準適合証明書または建物の取り壊し証明書(空き家特例の場合)

国税庁の確定申告書作成コーナーを使えば、画面の指示に従って入力するだけで申告書を作成できます。

作成できますね。

申告漏れや期限超過は特例適用の権利を失うだけでなく、無申告加算税や延滞税が課される可能性もあります。売却が決まったら、早めに税理士に相談し、必要書類を揃えておくと安心です。

特に不動産従事者として顧客にアドバイスする際は、「特例を使えば税金がゼロになる」だけでなく、「確定申告しないと特例は受けられない」という点を強調して伝えることが大切です。

知識があれば助かります。

確定申告の手続きについては国税庁の「マイホームを売ったときの特例」のページで詳細が確認できます。

No.3302 マイホームを売ったときの特例|国税庁

残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―