売れない土地 法律で処分可能に|規制と対策

売れない土地 法律で処分

国に土地を引き取ってもらっても1筆あたり最低20万円以上の負担金がかかります。

📋 売れない土地を巡る法律の要点
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規制する法律

農地法、建築基準法、都市計画法が土地売買を制限

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処分を可能にする法律

相続土地国庫帰属制度で国への返納が可能に

💰

費用負担

審査手数料1筆1.4万円+負担金20万円~が必要


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売れない土地を規制する主な法律

 

売れない土地の背景には、複数の法律による厳しい規制が存在します。不動産従事者として、これらの法律を正確に理解しておかなければ、顧客に適切なアドバイスができません。

参考)売れない土地を処分できる法律は?売れない時のおすすめの処分方…

農地法は、国内の食料自給率を維持するために優良な農地を確保することを目的とした法律です。地目が農地に指定されている土地の場合、農地以外の目的で利用したり売買するには、農業委員会の許可が必要となります。農地は原則として農業従事者にしか売却できず、買い手は一定面積以上の農地を所有し、実際に耕作している必要があります。

つまり農地が基本です。

参考)農地が売れないのはなぜ?理由と許可申請の手順・対処法を網羅解…

許可を受けずに売買契約を結んでも、その契約は無効となり、所有権の移転登記もできません。農地転用の許可基準も厳格で、甲種農地や第一種農地は原則として転用不許可となります。第二種農地は条件付きで許可されますが、市街地の状況によって判断が分かれます。

建築基準法による接道義務も大きな制約です。建築基準法上の道路に土地が接していないと、建築物の建築は原則不可となります。幅員4m以上の道路に2m以上接していなければ、再建築不可物件となってしまいます。

再建築できない土地は違反になりません。

参考)なぜ売れない?空き家になった戸建ての実家に潜む思わぬ落とし穴…

ただし43条但し書きという例外規定があり、基準を満たし安全が確保できれば家を建築できる特例が存在します。敷地の周囲に公園や緑地などの広い空地がある場合や、農道などの公共の用に供する道(幅員4m以上)に2m以上接する場合などに適用されます。

この特例は無料です。

参考)接道義務の例外とは?条件を満たさない土地で家を建てる方法


都市計画法における市街化調整区域も売却の障壁となります。市街化調整区域とは無秩序な都市化を抑えるべき区域であり、区域内では開発行為や建築行為が規制されます。建物を新築あるいは増改築を行う場合、建築許可を申請しなければなりませんが、市街化調整区域内では建築許可が下りないため、再建築不可となってしまうのです。

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市街化調整区域であっても、特定の建物を建築する場合や所有者の親族が居住する場合など、例外的に建築許可が下りることもあります。建て替え後も同じ用途であること、同じ敷地にあり同じ規模であることなどの条件を満たせば、再建築の許可を取得できる可能性があります。

参考)再建築不可な市街化調整区域|裏ワザとなり得る土地活用方法はあ…

売れない土地の処分を可能にする法律

売れない土地を手放すための法的手段として、2023年4月27日に「相続土地国庫帰属制度」が開始されました。これは「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」により制定された制度で、相続または遺贈によって取得した不要な土地を、有償で国に引き取ってもらうことができます。

参考)相続土地国庫帰属制度|審査手数料と負担金について詳しく解説

制度を利用するには、承認申請時の審査手数料と承認を受けた場合の10年間の標準的な土地の管理費用相当額の負担金が費用として発生します。審査手数料は土地1筆当たり1万4,000円です。

これに注意すれば大丈夫です。

参考)相続した土地を手放したいときの「相続土地国庫帰属制度」

負担金については、地目や面積によって異なります。例えば宅地の場合、面積に関わらず基本額は20万円からとなります。もし1万㎡の宅地と3万㎡の宅地を2筆申請する場合、審査手数料は1万4,000円×2筆=2万8,000円、負担金は(1万㎡×8円+28万7,000円)+(3万㎡×6円+31万1,000円)=85万8,000円となります。

痛い出費です。

ただし、すべての土地が受け入れられるわけではありません。申請段階で却下される条件として、建物がある土地、担保権や使用収益権が設定されている土地、他人の利用が予定されている土地、土壌汚染されている土地、境界が明らかでない土地、所有権の存否や範囲について争いがある土地などが挙げられます。

審査で却下される不承認事由としては、一定の高さの勾配や崖がある土地、管理を阻害する有体物が地上にある土地、公道に通じない土地などがあります。これらの条件に該当しない土地であることを事前に確認する必要があります。

申請前の確認が必須です。


相続土地国庫帰属制度の詳細な手続きと要件については、政府広報オンラインで確認できます

売れない土地の法的問題への対処法

境界未確定の土地は売却の大きな障害となりますが、法的な対処法が存在します。境界未確定とは、隣地との境目が曖昧(境界杭がない)、測量図が古く現況と一致していない、越境(またがっている建物・塀・植栽など)がある、隣地所有者との合意がとれていないといった状態を指します。

参考)境界未確定の不動産を相続・売却するときに知っておくべき注意点…

目に見える境界があっても、隣地所有者との「合意」がないと未確定扱いになります。

つまり合意が条件です。

境界未確定でも売却できる方法として、まず「現況有姿」で訳アリ買取業者に売却する方法があります。測量や交渉をせず、今の状態のままで買い取ってくれる業者に売る方法です。横浜市金沢区の築40年超戸建てでは、測量図なし・境界杭なしの状態でも、現況有姿・契約不適合免責付きで買取業者が1,450万円で現金購入した事例があります。

土地価格が高いエリアや一般購入者向けに売りたい場合は、境界確定測量(40万~80万円前後)を実施し、隣地所有者との立会・合意書作成、越境解消や覚書取り交わしを行ってから一般売却するのが有効です。

費用対効果の見極めが原則です。

すべてのケースで確定測量が必要なわけではなく、簡易測量(既存図面と現況の差分確認)、実測面積の明記と誤差了承の書類、越境を前提にした覚書付き売買で対応できることもあります。磯子区の相続土地では、ブロック塀が隣地に20cm越境していたが、売買契約書で越境を明記し「現況容認」とすることで一般売却を実現した事例があります。

農地法規制を受ける売れない土地の対策

農地法の規制を受ける土地の売却には、特別な手続きが必要です。農地を売却する場合、農地のまま売却するか、農地転用して宅地として売却するかの2つの選択肢があります。

農地のまま売却する場合は、買い手は農業従事者に限定され、農業委員会の許可(農地法第3条)が必要です。買い手は一定面積以上の農地を所有し、実際に耕作している必要があります。

厳しいですね。

農地転用して宅地として売却する場合は、農地法第5条の許可が必要です。手続きの流れとしては、まず買い手と停止条件付売買契約を締結し、その後買い手と共同で農業委員会を経由して都道府県知事(または農林水産大臣)へ農地法第5条の許可申請を行います。

農地転用の許可基準は厳格で、農地の種類によって許可の可否が異なります。甲種農地は特に厳しく原則として不許可、第一種農地も原則不許可、第二種農地は条件付きで許可(市街地の状況で判断)となります。許可基準を満たさない場合は、農地転用できません。

農地を転用して売却する場合は、農地を宅地化する前に売ることはできず、宅地化した後に手を加えることもできません。それを守らなければ、許可が取り消される可能性があります。

手続きの順序が重要です。

参考)https://www.n-k.co.jp/blog-selling-unused-land/

不動産従事者が提案すべき売却困難土地の活用戦略

法的制約により売却が困難な土地であっても、不動産従事者として顧客に提案できる活用戦略があります。再建築不可や狭小地でも買い取ってくれる買取専門業者が存在するため、相場よりは安くなることが多いですが、早期現金化を優先したい場合には有効な選択肢です。

参考)不動産屋が言わない“売れない土地”の特徴とその対処法|千代田…


古家付き土地の場合、建物の解体と整地をして「地」にすると購入希望者の選択肢が広がります。解体費用はかかりますが、最終的な売却価格が上がることもあります。どういうことでしょうか?​

建物がある状態では買い手が建物の解体費用を負担するリスクを考慮するため、売却価格が低くなる傾向があります。売主側で解体費用を負担して更地にすることで、買い手のリスクが減り、土地の用途が明確になるため、結果として高値での売却が実現しやすくなるのです。

更地なら問題ありません。

「家庭菜園用地」「資材置き場」「駐車場」など、住宅以外の用途での活用アイデアを提示することで、購入希望者のイメージを膨らませることができます。建築基準法の規制により住宅が建てられない土地であっても、これらの用途であれば法的な制約が少ないため、需要を掘り起こせる可能性があります。

隣地の所有者に購入を打診する方法も効果的です。特に不整形地や狭小地の場合、隣地所有者にとっては土地を拡張できる貴重な機会となるため、一般市場よりも高値で売却できることがあります。隣地所有者は既に近隣に土地を所有しているため、境界確定や接道義務などの法的問題が解決しやすいという利点もあります。

助かります。

参考)土地が売れない理由は?主な原因と対処法をわかりやすく解説│お…

相場を調べ、周辺の売出価格と比べて明らかに高い場合は、思い切った価格見直しが必要です。売れない期間が長引くと、さらに売りにくくなることもあるため注意が必要です。不動産従事者として、定期的な市場分析と価格調整の提案が求められます。

価格調整だけ覚えておけばOKです。


売れない土地の処分方法について、具体的な事例と法的根拠を含めた詳細情報はこちらで確認できます

対処法 適用条件 メリット デメリット
相続土地国庫帰属制度​ 相続・遺贈で取得した土地​ 確実に処分可能 1筆1.4万円+負担金20万円~​
買取専門業者への売却​ 再建築不可・狭小地など 早期現金化が可能 相場より安くなる
農地転用​ 農地法第5条許可取得可能な土地 一般市場で売却可能 甲種・第一種は原則不許可​
43条但し書き許可​ 安全が確保できる土地 再建築可能になる 特定行政庁の許可が必要
境界確定測量​ 境界未確定の土地 一般売却が可能 40万~80万円の費用​


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