別荘の税金
別荘は住宅用地の特例が適用されないため、固定資産税が通常の住宅の最大6倍になります。
参考)別荘の固定資産税は高い?セカンドハウスとの違いや税制優遇措置…
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別荘の税金の種類と計算方法
別荘を所有すると、取得時と保有期間中に複数の税金が発生します。それぞれの税金には明確な計算方法があり、顧客への説明には正確な知識が必要です。
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取得時にかかる税金は、不動産取得税、登録免許税、印紙税の3つが主要なものです。不動産取得税は「固定資産税評価額×4%」で計算され、たとえば評価額2,000万円の別荘なら80万円の税負担が発生します。登録免許税は所有権移転登記時に「固定資産税評価額×2.0%」が課税されます。
つまり取得時だけで相当な税負担です。
保有期間中は毎年、固定資産税と都市計画税の支払いが必要になります。固定資産税の計算式は「固定資産税評価額×1.4%」が基本です。都市計画税は市街化区域内の物件に対して「課税標準×最高0.3%」が課税されます。物件価格2,000万円以上の高額別荘では固定資産税だけで年間15万円以上が目安となり、1,000万円程度なら7~8万円程度が相場です。
痛い出費です。
別荘のある自治体には住民税の均等割5,000円も納付する義務があります。住民票を移していなくても、別荘を所有しているだけで課税される点を顧客に説明しておく必要があります。
参考)セカンドハウスに住民税ってかかる?知っておくべき税制度
別荘とセカンドハウスの税制上の違い
別荘とセカンドハウスは税制上まったく異なる扱いを受けます。この違いを理解していないと、顧客に数十万円規模の損失を与える可能性があります。
セカンドハウスは「生活に必要な住居」として位置づけられ、通勤や週末の帰省先など、月1回以上居住する実態があれば認定されます。認定要件は「毎月1日以上居住すること」であり、夏や冬の期間しか使用しない家屋はセカンドハウスに該当しません。
参考)セカンドハウスで住民票異動は必要?別荘との違いや申請方法、二…
一方、別荘は「専ら保養の用に供するもの」と定義され、贅沢品とみなされるため税制優遇は一切受けられません。
参考)https://magazine.sbiaruhi.co.jp/0000-5349/
これが大きな分岐点です。
固定資産税の住宅用地特例では、セカンドハウスの土地は200㎡以下の部分が課税標準×1/6に軽減されます。しかし別荘にはこの特例が適用されないため、同じ評価額でも税額が6倍になる計算です。たとえば評価額1,000万円の土地なら、セカンドハウスは年間約2万3,000円の固定資産税で済みますが、別荘は約14万円になります。
| 項目 | セカンドハウス | 別荘 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 生活に必要な住居 | 保養目的の贅沢品 |
| 居住要件 | 月1回以上の居住実態
参考)不動産取得税 別荘に軽減措置は適用されるのか? – いちかわ… |
不定期利用 |
| 固定資産税(土地) | 評価額×1/6 | 評価額×1.4%(軽減なし) |
| 不動産取得税 | 3%+軽減措置あり
参考)なぜ別荘が税金対策になるのか?節税の仕組みと方法、注意点を詳… |
4%(原則) |
| 住民税 | 均等割5,000円 | 均等割5,000円
参考)別荘を売却するときの注意点を解説|別荘が売れにくい理由や所有… |
不動産取得税も差があり、セカンドハウスは税率3%に軽減される可能性がありますが、別荘は原則4%の税率が適用されます。
顧客に「月1回の利用」を実現させるだけで大幅な節税になります。
別荘の固定資産税が高額になる理由
別荘の固定資産税が高額になる最大の理由は、住宅用地の特例が適用されないことです。この特例は通常の住宅に認められている減税措置で、小規模住宅用地(200㎡以下)では課税標準が1/6に、一般住宅用地(200㎡超)では1/3に軽減されます。
別荘はこの恩恵を受けられません。
具体的な税額の違いを見ると、固定資産税評価額1,500万円の土地の場合、セカンドハウスなら年間約3万5,000円ですが、別荘は約21万円になります。評価額2,000万円なら、セカンドハウスが約4万7,000円に対し、別荘は約28万円です。年間で20万円以上の差が生まれることもあり、10年間で200万円以上の負担増になる計算です。
参考)空き家の固定資産税が6倍に?住宅用地特例の落とし穴 – オッ…
厳しいですね。
都市計画税も同様の構造で、セカンドハウスは200㎡以下の部分が課税標準×1/3に軽減されますが、別荘には軽減措置がありません。市街化区域内の別荘では固定資産税と都市計画税の合計がさらに重くのしかかります。
建物部分の固定資産税も、築年数が新しく床面積が広い高額物件ほど高くなります。新築や築浅の別荘では建物の評価額も高く、土地と建物の合計で年間15万円を超えるケースも珍しくありません。
参考)別荘の固定資産税はいくら?固定資産税がかからない別荘の条件
毎年1月1日時点の所有者に課税されるため、年末に売却する場合は注意が必要です。
別荘売却時の税金と控除の制限
別荘を売却した際の税金は、居住用不動産よりも遥かに高額になります。最も大きな違いは、マイホーム特例による3,000万円控除が適用されない点です。
参考)損益通算ができない?別荘の譲渡損失や売りにくい理由について解…
居住用不動産を売却した場合、譲渡所得から3,000万円を控除できるため、多くのケースで譲渡所得税がゼロになります。しかし別荘は「生活に必要不可欠なものではない」という理由で、この控除が一切受けられません。
控除なしは大きな痛手です。
譲渡所得税の税率は所有期間によって異なり、5年以内の短期譲渡所得は39.63%(所得税30%+住民税9%+復興特別所得税0.63%)、5年以上の長期譲渡所得は20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)です。たとえば3,000万円で購入した別荘を3,500万円で売却し、500万円の譲渡益が出た場合、長期譲渡なら約102万円、短期譲渡なら約198万円の税負担が発生します。
参考)【300万以上損⁉】別荘売却で知るべき税金や費用を解説!確定…
さらに深刻なのは、売却で損失が出ても損益通算ができない点です。居住用不動産なら譲渡損失を他の所得と相殺できますが、別荘は生活に必要な不動産に限定される損益通算の対象外です。
参考)https://www.jaifa.or.jp/present/serial/tax_course_2022_08/
つまり売却損は切り捨てです。
取得費が不明な場合は、税務上のルールとして売却価格の5%を取得費とみなして計算されます。たとえば2,000万円で売却した場合、取得費は100万円とされ、1,900万円に対して課税される可能性があります。相続した古い別荘では契約書が残っていないケースも多く、この「5%ルール」が大きな負担増の原因になります。
不動産売却時の損益通算・繰越控除に関する詳細情報(まつや不動産)
別荘の税金対策として有効な方法
別荘の税負担を軽減する最も効果的な方法は、セカンドハウス認定を受けることです。月1回以上の居住実態を証明できれば、固定資産税が最大6分の1に、不動産取得税も軽減税率3%が適用されます。
これが最優先の対策です。
セカンドハウス認定を受けるには、購入後60日以内に自治体へ申請する必要があります。申請時には利用目的や頻度を説明し、遠距離通勤や週末利用などの実態を示す書類が求められます。住民票を移す必要はありませんが、定期的な利用を証明できる記録(光熱費の領収書など)を保管しておくと安心です。
参考)セカンドハウスの住民票は移すべき?セカンドハウスの税金や別荘…
認定基準のポイントは生活実態です。
不動産取得税の軽減措置では、新築別荘なら2022年3月31日までに建てられた家屋は最大1,300万円までの減額が可能です。中古別荘は1982年以降の耐震基準を満たした物件が対象で、減額金額は自治体ごとに異なります。ただし「毎月1日以上居住する」という要件を満たさないと、これらの軽減措置は一切適用されません。
| 対策 | 効果 | 実施時期 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| セカンドハウス認定 | 固定資産税が1/6に軽減 | 購入後60日以内 | 月1回以上の居住実態が必要 |
| 不動産取得税軽減 | 最大1,300万円控除 | 取得時 | 耐震基準を満たす必要あり |
| 売却タイミング調整 | 1年分の固定資産税削減 | 年明け早々 | 1月1日時点の所有者に課税 |
固定資産税の課税は毎年1月1日時点の所有者に対して行われるため、売却を検討している場合は年明け早々に手続きを完了させることで1年分の税負担を回避できます。特に高額物件では年間20万円以上の節約になるケースもあります。
相続で別荘を取得した場合、使用予定がなければ早期売却を検討することも重要な対策です。保有し続けると固定資産税と都市計画税が毎年発生し、管理費用も積み重なります。市場価値が下がる前に売却することで、トータルの税負担と維持費を最小限に抑えられます。
早めの決断が損失を防ぎます。

