無料の家移住と空き家バンク活用術
無償譲渡の空き家でも実は住むまでに平均500万円のリフォーム費用がかかります。
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無料の家移住が注目される背景と空き家バンクの仕組み
地方移住への関心が高まる中、「無料で家がもらえる」という情報に注目が集まっています。空き家バンクのアクセスランキングでは、0円物件や無償譲渡に関する記事が上位3位までを占め、移住希望者の強い関心がうかがえます。
参考)【一気見!ランキング】移住検討の急増?0円空き家が人気の5月…
空き家バンクとは、自治体が運営する空き家と移住希望者をマッチングする仕組みです。人口減少や過疎化が進む地方自治体が、空き家問題の解消と地域活性化を目的に、移住者へ住居を提供しています。無償譲渡の背景には、所有者が修繕費・除雪費・固定資産税などの維持管理費から解放されたいという事情があります。
不動産従事者として押さえておきたいのは、無償譲渡物件の需要が急増している点です。2021年には空き家バンクの月間アクセス数が初めて5万PVを突破し、翌月には6万PVを超える勢いで伸びています。移住希望者の約9割が0円物件の取引に成功しているというデータもあります。
しかし「無料」という言葉だけに惹かれてしまうクライアントには注意が必要です。次の項目で、実際にかかる費用を詳しく見ていきましょう。
無料の家移住で実際に発生する隠れたコスト
0円物件でも取得時に不動産取得税や登記費用が必ず発生します。不動産取得税は固定資産税評価額の3~4%、登記費用は5~10万円程度が相場です。
最も大きな負担となるのがリフォーム費用です。0円物件の多くは長期間放置されていたため、屋根・外壁・配管などの基礎部分が劣化しているケースがほとんどです。フルリノベーションでは500~2,000万円が相場となっており、家の劣化が激しい場合や耐震基準を満たしていない場合はさらに費用がかさみます。
参考)https://hamanofudousan.co.jp/archives/918
| 工事箇所 | 費用相場 |
|---|---|
| キッチン | 50万~150万円 |
| 浴室 | 50万~150万円 |
| トイレ | 10万~50万円 |
| リビング | 20万~150万円 |
| 床の張替え | 15万~50万円 |
こうした費用は現況引き渡しという条件のため、取得者の全額負担になります。
契約面でのリスクも無視できません。通常の不動産売買と異なり、空き家の無償譲渡では専門知識を持たない個人間の直接取引となるため、契約時にトラブルが発生する恐れがあります。住宅の瑕疵が免責されている場合、後日問題が発覚しても取得者が費用負担しなければなりません。
定住条件違反による違約金も要注意です。大分県豊後高田市の例では、25年の定住期間に達せず中途退去した場合、家賃12か月分の違約金が発生します。
参考)Vol234 お得情報!一定期間住み続けると無償譲渡してもら…
クライアントには、物件価格が0円でも総費用が数百万円規模になることを明確に伝える必要があります。次は、こうした負担を軽減する補助金制度を見ていきましょう。
無料の家移住を成功させる自治体の補助金制度
空き家購入や改修の費用負担を大幅に減らせる補助制度が全国の自治体で展開されています。空き家購入補助は最大50~200万円、改修・リノベーション補助は工事費の1/2~2/3で上限100~300万円が一般的です。
参考)移住支援金・空き家補助金 ガイド|空き家購入・改修・暮らしに…
具体例として栃木県栃木市を見てみましょう。独自の「あったか住まいるバンク」を運営し、リフォーム工事に最大50万円、家財処分に最大10万円を交付しています。さらに所有者向けに解体費用を最大50万円助成する制度も設けています。この結果、空き家バンクの成約数は200件を超えています。
移住支援金も見逃せません。国と自治体の共同制度では、単身者で60~100万円、世帯で100~300万円の現金支給があります。子育て世帯には50万円の加算を設ける自治体も存在します。対象条件は2年以上の移住と就業・起業などです。
| 支援制度 | 金額 | 対象 |
|---|---|---|
| 空き家購入補助 | 最大50~200万円 | 空き家バンク登録物件 |
| 改修補助 | 工事費の1/2~2/3(上限100~300万円) | 耐震・断熱・リノベ工事 |
| 移住支援金 | 単身60~100万円/世帯100~300万円 | 2年以上定住の意思がある移住者 |
補助金の情報は自治体の公式サイトや空き家バンクのページで確認できます。住まい・仕事・子育て支援まで広く掲載されているため、移住後の生活像をつかむのにも便利です。
不動産従事者として、クライアントの移住計画に合った補助制度をリサーチし、総コストを試算して提案することが求められます。ただし補助金には定住期間などの条件があるため、次の項目で詳しく見ていきます。
無料の家移住における定住条件と違約金リスク
無償譲渡や家付き定住支援には必ず定住期間の条件が設定されています。この条件を満たさずに中途退去すると、違約金が発生する仕組みです。
参考)移住で家賃無料の自治体は?お試し住宅から家付き定住支援まで一…
北海道雄武町の例では、町有地を無償で貸与し10年間定住すると土地が無償譲渡されます。条件は「10年間転居しない」「土地や建物を第三者に貸し付けまたは譲渡しない」というものです。期限までに住宅を建築しない場合や申込者が居住しない場合、契約は解除されます。
| 自治体 | 定住期間 | 違約金 |
|---|---|---|
| 大分県豊後高田市 | 25年 | 家賃12か月分 |
| 北海道雄武町 | 10年 | 契約解除 |
賃貸借契約の中途解約では、一般的に数か月分の賃料相当額を違約金として支払う条項が設けられます。期間内に転居、対象住居を取り壊し、または譲渡した場合、補助金返還を求められることもあります。
参考)https://www.town.yosano.lg.jp/assets/R6sesaku.pdf
こうした条件は移住後のライフプランに大きく影響します。不動産従事者としてクライアントに提案する際は、将来の家族構成の変化や転勤の可能性まで考慮する必要があります。契約書の条項を丁寧に確認し、クライアントが納得した上で契約するようサポートすることが重要です。
定住条件を満たせば土地や建物が手に入るという大きなメリットがあります。次の項目では、不動産従事者だからこそ知っておくべき独自の視点を紹介します。
無料の家移住で不動産従事者が押さえるべき仲介ポイント
空き家の無償譲渡では不動産会社が仲介に入らないケースが多いですが、だからこそ不動産従事者の専門知識が求められる場面が増えています。個人間取引では契約トラブルが発生しやすく、法的な保護も薄いため、クライアントから相談を受けた際に適切なアドバイスができる準備が必要です。
注目すべきは「オーナー負担0円で空き家を賃貸化するサービス」の登場です。従来の空き家活用の常識を覆す仕組みで、空き家を現状のまま借り受け、リフォーム工事費用を全額負担してくれます。相談料から改修工事、設備費、各種手数料まで全てが負担ゼロになります。
参考)自己負担を抑えて空き家を再生する方法|知っておきたい実例と制…
不動産従事者として、こうした新しいスキームを把握しておくことで、移住希望者だけでなく空き家所有者への提案の幅が広がります。空き家バンクの登録物件数が増えれば、地域全体の不動産流動性が高まる効果も期待できます。
実務上のポイントは以下の3つです。
移住希望者にとって無料の家は魅力的に映りますが、実際には数百万円のコストと長期の定住義務が伴います。不動産従事者として、表面的な情報だけでなくリスクも含めた総合的な提案ができることが、クライアントからの信頼につながります。
参考リンクとして、空き家活用株式会社が運営する空き家情報サイトでは、0円物件の最新情報と成功事例が確認できます。
空き家活用Lab:0円空き家ランキングと移住検討の急増データ
また、自治体の移住支援制度を横断的に調べるには、ふるさと回帰支援センターの公式サイトが役立ちます。

