認定低炭素住宅の住宅ローン控除を徹底解説
認定低炭素住宅だからといって、必ず住宅ローン控除の優遇が受けられるわけではありません。
認定低炭素住宅とは:基準と住宅ローン控除の関係
認定低炭素住宅とは、「都市の低炭素化の促進に関する法律(エコまち法)」に基づき、所管行政庁(都道府県・市・区)が認定した住宅のことです 。省エネ法の省エネ基準に比べ、一次エネルギー消費量が△20%以上削減されていることが主な認定要件です 。logoshome+1
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンの年末残高の0.7%を所得税から控除できる制度です 。住宅の省エネ性能によって適用される「借入限度額」が異なり、認定低炭素住宅はこの限度額が最も高く設定されるカテゴリに含まれます 。つまり、借入額が多い住宅ほど恩恵を受けやすい仕組みです。sbi-efinance+1
2024年以降、一般住宅(省エネ基準未適合)は新築でも住宅ローン控除の対象外となりました 。認定低炭素住宅はその中でも最優遇カテゴリとして引き続き控除を受けられるため、不動産業従事者として正確な知識を持っておく必要があります。これが基本です。
参考)https://cleverlyhome.tokyo/column/20240408/
認定基準の主なポイントをまとめると以下のとおりです。
- 📉 省エネ基準比で一次エネルギー消費量を△20%以上削減
- ☀️ 再生可能エネルギー利用設備が設置されていること
- 🏙️ 市街化区域内の建築物であること(市街化調整区域は不可)
- 📋 着工前までに所管行政庁への認定申請が必要
国土交通省の認定低炭素住宅に関する税の特例措置(最終更新:令和8年1月)は以下で確認できます。
認定低炭素住宅の住宅ローン控除:借入限度額と控除額を具体的に確認
2025年(令和7年)入居分の認定低炭素住宅の借入限度額は4,500万円で、控除率は年末残高の0.7%、控除期間は13年間です 。なお子育て世帯・若者夫婦世帯は5,000万円に引き上げられます 。sbishinseibank.co+1
数字で確認しましょう。
借入額が4,500万円の場合、年間最大控除額は4,500万円×0.7%=31.5万円です。13年間合計では最大409.5万円の控除が可能になります 。一般住宅の借入限度額が2,000万円(最大14万円/年)と比較すると、その差は歴然です。年間17.5万円のインパクトがあります。
参考)住宅ローン控除、2025年で終了?— 2026年に備える5つ…
東京・大阪など都市部で4,000万円以上の住宅ローンを組むケースは珍しくありません。そのような案件では、認定低炭素住宅の取得であるかどうかが、節税額に数百万円単位の差をもたらすことになります。これは使えそうです。
住宅種別ごとの借入限度額の比較(2024・2025年入居分)は以下のとおりです。
| 住宅の種類 | 一般世帯(借入限度額) | 子育て等世帯(借入限度額) | 年間最大控除額(一般/子育て等) |
|---|---|---|---|
| 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅 | 4,500万円 | 5,000万円 | 31.5万円 / 35万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 | 24.5万円 / 31.5万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 | 4,000万円 | 21万円 / 28万円 |
| その他の住宅(新築) | 対象外 | 対象外 | — |
控除は「所得税額を超えた場合、翌年の住民税からも一部控除される」仕組みになっています。住民税からの控除上限は年9.75万円(前年の課税所得の5%・上限9.75万円)です 。ただし合計所得が2,000万円を超える年は住宅ローン控除そのものが適用されないため、高所得者の顧客への説明には注意が必要です。所得要件が条件です。
参考)住宅ローン控除とは?適用条件や申請方法を解説|住宅ローン|S…
国税庁の最新情報は以下で確認できます(令和4年以降居住用)。
国税庁|No.1211-1 令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)
認定低炭素住宅の認定条件と申請手続きの注意点
認定低炭素住宅の取得を目指す場合、認定申請のタイミングが最重要ポイントです。認定申請は着工前までに行わなければならず、着工後の申請は一切受け付けられません 。これは現場でよく発生するトラブルの一つで、不動産業従事者として顧客に必ず伝えておくべき情報です。
参考)低炭素住宅への認定はどうやって受ける?基準やメリットを解説
手続きの流れは以下のとおりです。
- 🏗️ 設計段階で省エネ計算を実施し、基準適合を確認
- 🔍 登録住宅性能評価機関に「技術的審査」を依頼し「適合証」を取得
- 📝 着工前に所管行政庁(都道府県・市・区)へ認定申請書と適合証を提出
- ✅ 認定通知書を受領後、着工・施工開始
- 🏠 完成後、住宅用家屋証明書と認定通知書の写しを取得して確定申告に使用
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市街化区域内の建築物であることも必須要件です 。市街化調整区域(都市計画法において市街化を抑制すべき区域)では、省エネ性能がどれだけ高くても認定申請そのものができません。土地調査の段階でこの点を確認しておかないと、顧客が大きな損失を被る可能性があります。厳しいところですね。
低炭素建築物の認定制度については、住宅性能評価・表示協会のサイトに詳細な基準が掲載されています。
中古の認定低炭素住宅と住宅ローン控除:見落としやすい落とし穴
中古で認定低炭素住宅を購入しても、住宅ローン控除の優遇が得られないケースがあります。これは不動産業従事者でも見落としがちなポイントです。
中古の認定長期優良住宅・認定低炭素住宅には、借入限度額が3,000万円に引き上げられる特例があります 。しかし、適用には耐震基準への適合や、省エネ基準適合の証明書類の取得が必要です 。さらに「住宅用家屋証明書(認定低炭素住宅である旨の記載があるもの)」や「認定低炭素住宅建築証明書」は、新築時の購入者にのみ発行され、再発行は不可とされています 。note+2
つまり、中古の認定低炭素住宅を買い取った場合、書類が揃わなければ住宅ローン控除の優遇が受けられないことになります。書類の確認が条件です。
具体的な落とし穴をまとめると以下のとおりです。
- 📄 認定通知書の写しが手元にない場合は優遇が受けられない
- 🔄 住宅用家屋証明書は再発行不可のため、売主からの入手が必須
- 📅 取得日から6か月以内に居住の用に供することが条件
- 🏚️ 「B-b(耐震基準のみ適合)」にしか該当しない認定低炭素住宅は控除対象外
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中古住宅の売買を多く扱う不動産業従事者にとって、売主側に書類の保管状況を事前確認する習慣が欠かせません。特に築年数の経過した物件で認定住宅として訴求する場合は、必ず書類の存在確認から始めましょう。メモしておくべきポイントです。
住宅ローン控除以外のメリット:登録免許税の軽減と投資型減税
認定低炭素住宅の優遇は、住宅ローン控除だけではありません。登録免許税の税率軽減も大きなメリットです 。
登録免許税の比較は以下のとおりです。
| 登記種別 | 本則 | 一般住宅 | 長期優良住宅 | 認定低炭素住宅 |
|---|---|---|---|---|
| 所有権保存登記 | 0.4% | 0.15% | 0.1% | 0.1% |
| 所有権移転登記 | 2.0% | 0.3% | 0.2% | 0.1% |
所有権移転登記では本則2.0%に対して0.1%と、20分の1まで圧縮されます。3,000万円の物件であれば登録免許税だけで57万円の差が生まれる計算になります。一般住宅(0.3%)と比較しても6万円の節約です。意外ですね。
さらに「認定住宅新築等特別税額控除(投資型減税)」という制度もあります 。これは住宅ローンを組まずに現金購入した場合でも適用できる控除で、省エネ強化に要した費用の10%(上限65万円)を所得税から控除できます 。住宅ローン控除との併用はできませんが、現金購入の顧客には積極的に案内できる選択肢です。chester-tax+1
国税庁の認定住宅等に関する税額控除の詳細は以下で確認できます。
国税庁|No.1221 認定住宅等の新築等をした場合(認定住宅等新築等特別税額控除)
住宅ローン控除と投資型減税のどちらが有利かは、借入残高や所得税額によって異なります 。顧客の状況に応じてシミュレーションを提案することが、不動産業従事者としての付加価値になります。これが不動産業者の強みです。
参考)認定住宅新築等特別税額控除と住宅ローン控除はどっちが得?違い…
不動産業従事者が押さえておくべき独自視点:2026年以降の制度見通しと顧客対応
住宅ローン控除は2025年12月入居分で現行の枠組みの終了が予定されており、2026年以降の延長・縮小については2025年度税制改正大綱の段階では継続が示されていますが、制度内容が変わる可能性があります 。j-anshin.co+1
不動産業従事者として今すぐ取り組むべき対応は以下のとおりです。
- 📅 2025年12月入居の期限を顧客に伝え、引き渡しスケジュールを逆算して管理する
- 📑 認定通知書・住宅用家屋証明書の書類チェックリストを自社で用意し、引き渡し前に必ず確認する
- 🗺️ 物件所在地が市街化区域内かどうかを調査段階で確認し、認定可否を早期に判断する
- 💬 現金購入の顧客には投資型減税(上限65万円)の案内も行い、選択肢を提示する
- 📊 子育て世帯・若者夫婦世帯の借入限度額5,000万円優遇を活用した提案営業を強化する
認定低炭素住宅は、環境性能と節税効果を同時に訴求できる、現在の不動産市場で最も競争力のある商品カテゴリのひとつです。一般住宅が住宅ローン控除の対象外となった今、認定低炭素住宅の知識は顧客への提案力そのものに直結します。制度理解が武器です。
国土交通省の住宅ローン減税(令和6年以降の最新資料)は以下で確認できます。
