建物区分登記申請書の書き方と必要書類を完全解説

建物区分登記の申請書と手続きを徹底解説

区分登記の申請書は、建物完成から1ヶ月以内に出さないと10万円過料が科せられます。

この記事でわかること
📋

申請書の書き方と様式

法務局の書式ダウンロード方法から、各記載欄の正しい書き方まで解説します。

📁

必要書類の全リスト

建築確認済証・工事完了引渡証明書など、申請に欠かせない書類をまとめて確認できます。

💰

費用と依頼先の選び方

土地家屋調査士への依頼相場や、申請を自分でする場合のポイントを紹介します。


<% index %>

建物区分登記の申請書とは?区分建物の基本的な定義

 

建物区分登記とは、一棟の建物の一部を構造上・利用上独立した専有部分として、それぞれ個別の登記記録を作り出す手続きです。マンションの各部屋ごとに登記が存在するのは、この区分登記が行われているからです。
「区分建物」と認められるためには、2つの独立性を満たす必要があります。
構造上の独立性:壁・床・天井などで他の部分と完全に遮断されていること(ふすまや障子では不可)
利用上の独立性:専用の玄関や出入口があり、他の部分を通らずに単独で利用できること
意外なことに、区分建物として登記可能な建物でも、申請人の意思により「一棟まるごと一個の建物」として登記することも認められています。つまり、区分登記するかどうかは法律で強制されているわけではなく、所有者の選択によって決まります。これはつまり区分登記が条件です。
二世帯住宅を例に考えると、玄関・キッチン・トイレが世帯ごとに完全に分離した「完全分離型」であれば区分登記が可能です。一方、内部で行き来できる部分がある「部分共有型」では区分登記が認められないケースがあります。
また、区分建物特有の概念として「敷地権」があります。建物と土地が分離して処分されることを防ぐための権利で、区分登記に際して敷地権が発生するかどうかの確認は欠かせません。土地の所有者と建物の所有者が同一でない場合などは、敷地権が発生しないパターンもあるため、個別の状況に応じた判断が必要です。
参考:区分建物の構造上・利用上の独立性の詳細については、下記の解説が参考になります。
構造上の独立性と利用上の独立性が区分所有を左右する|itami110ban.com

建物区分登記の申請書に必要な書類一覧と取得方法

建物区分登記の申請書を法務局に提出する際は、申請書本体のほかに多数の添付書類を用意する必要があります。必要書類を揃えずに申請すると補正(差し戻し)になり、手続きが大幅に遅れる原因になります。
主な必要書類は以下のとおりです。
| 書類名 | 取得先・備考 |
|—|—|
| 建物区分登記申請書 | 法務局書式(Word/PDFで公開)または土地家屋調査士が作成 |
| 建物図面・各階平面図 | 土地家屋調査士が作成(法定様式) |
| 建築確認済証確認申請書) | 建築時に施主が受け取るもの |
| 検査済証 | 建築完了後に発行される |
| 工事完了引渡証明書 | 施工業者から交付 |
| 工事請負契約書 | 施主が保管 |
| 工事代金の領収書 | 宛名入りのもの |
| 委任状 | 代理申請の場合(土地家屋調査士が準備) |
| 住民票 | 所有者が個人の場合 |
| 資格証明書 | 所有者が法人で規約設定をする場合 |
| 印鑑証明書 | 規約設定をする場合 |
| 固定資産税評価証明書 | 市区町村で取得 |
書類は多いですね。ただ、すべてのケースで全書類が必要というわけではありません。
たとえば、規約共用部分がない場合は「規約証明書」や「承諾書」は不要です。土地の所有者と建物の所有者が同一で敷地権が発生しないケースでは、敷地権関連の書類を省略できます。状況によって必要書類が変わるため、事前に土地家屋調査士か法務局に確認することを強くおすすめします。
また、法務局のウェブサイトでは申請書の様式(Word・PDF形式)を無料でダウンロードできます。添付書類は原則として原本を添付する必要があります。住民票などのコピーを提出したい場合は、「原本に相違ありません」と記載し、申請書に押印した印鑑でコピーに割印したうえで原本と一緒に提出する「原本還付」の手続きが必要です。コピーだけ出すのはNGです。
参考:法務局が公開している登記申請書の様式と記載例はこちらから確認できます。
不動産登記の申請書様式について|法務局(法務省)

建物区分登記の申請書に書く床面積の注意点(内法と壁芯の違い)

建物区分登記の申請書に記載する床面積には、「内法(うちのり)」で計測した数字を使います。これは、区分建物の登記において法律(不動産登記法)で定められたルールです。
内法面積とは、壁の内側の面を基準にして測った面積のことです。これに対し、「壁芯(かべしん)面積」とは壁の中心線を基準に測った面積で、一般の戸建て住宅の登記や不動産の販売広告によく使われます。
具体的な数値の差について説明すると、壁芯面積90㎡の区分建物の場合、内法面積はおよそ83〜86㎡程度になります。差にすると5〜8%前後が目安です。葉書(ハガキ)の横幅はおよそ10cmですが、1辺が10cmの壁の厚さが積み重なれば、部屋全体の面積はかなり変わってきます。
つまり申請書の床面積は小さくなります。
不動産のチラシやパンフレットには壁芯面積が記載されていることが多いため、「広告で見た数字をそのまま申請書に書いてしまう」という間違いが起こりやすいポイントです。登記申請書に壁芯面積で記載してしまうと補正の対象になります。
また、建物区分登記では各専有部分ごとに「符号」を付けて登記します。どの部分がどの符号に対応するかを建物図面・各階平面図に明記し、申請書にも一致させて記載することが求められます。この作業は専門知識が必要なため、土地家屋調査士に依頼するのが一般的です。
参考:壁芯面積と内法面積の違いと計算方法の解説は、以下の記事が詳しいです。
壁芯面積と内法面積の違い|不動産広告に載っているのはどっち?|archibank.co.jp

建物区分登記の申請書提出から完了までの流れ

建物区分登記の申請書を提出してから登記が完了するまでには、いくつかのステップがあります。全体の流れを把握しておくと、スケジュールを立てやすくなります。
① 資料収集・事前調査
公図・地積測量図・土地登記事項証明書・建物登記事項証明書などを法務局や市区町村で取得し、既存の登記記録に第三者の権利が設定されていないかを確認します。
② 現場調査・測量
構造上・利用上の独立性があるかどうか、各区分予定部分の寸法を実測します。パイプスペースなど床面積から除外すべき部分の有無もこの段階で確認します。
③ 建物図面・各階平面図の作成
土地家屋調査士が法定様式に従って図面を作成します。各区分建物に符号を付し、床面積を内法で算出して確定させます。
④ 申請書・必要書類のセット
登記申請書、委任状、建物図面・各階平面図、調査報告書などをまとめます。申請書はA4用紙を使用し、他の書類と左とじで提出します。
⑤ 法務局への申請(窓口・郵送・オンライン)
管轄の法務局へ直接窓口で提出するほか、郵送やオンライン申請にも対応しています。郵送の場合は封筒の表面に「不動産登記申請書在中」と記載し、書留郵便で送付します。
⑥ 補正対応
申請書や書類に不備があると、法務局の登記官から補正の連絡が入ります。軽微な誤字脱字は捨印で訂正可能なため、申請書に押した印鑑を手元に持参しておくと安心です。
⑦ 登記完了・登記完了証の受領
登記が完了すると「登記完了証」が交付され、手続きが終了します。完了後に建物図面・各階平面図(職印押印済み)も納品されます。
オンライン申請は法務局が推奨している方法で、法務省が運営する「登記・供託オンライン申請システム」から手続きできます。申請が通れば24時間以内に完了するケースもありますが、書類の不備や審査の状況によって数日〜数週間かかることもあります。
参考:オンライン申請の詳細は法務省の公式ページで確認できます。
不動産登記の電子申請(オンライン申請)について|法務省

建物区分登記の申請書を土地家屋調査士に依頼する費用の目安

建物区分登記の申請書作成・申請は、法律上は自分で行うことも可能です。ただし、実際には建物図面や各階平面図の作成、床面積の正確な測量、独立性の判断など、専門知識が求められる作業が多いため、土地家屋調査士に依頼するのが一般的です。
費用の目安をまとめると、次のようになります。
| ケース | 費用の目安(税別) |
|—|—|
| 70㎡程度の区分建物 × 2戸 | 約11万円〜 |
| 70㎡程度の区分建物 × 10戸 | 約44万円〜 |
| 区分後の専有部分1個あたり(基本報酬) | 50,000円〜+床面積加算 |
| 規約共用部分の登記(別途) | 40,000円〜 |
| 規約設定公正証書作成(別途) | 40,000円〜+公証役場費用 |
これは使えそうです。費用は区分後の専有部分の数や床面積、規約設定の有無、建築図面の有無などによって変わります。建築図面がない場合は、一から実測が必要になるため別途加算が発生します。
また、申請書類の準備のほかに「登録免許税」は基本的に不要です(建物表題登記には登録免許税がかかりません)。ただし、所有権保存登記などの権利登記を同時に行う場合は、課税標準額に応じた登録免許税が別途必要になります。
「土地家屋調査士にすべて任せると費用がかかる」と思い、申請書を自分で作成・提出しようとする方もいます。しかし、床面積を壁芯で記載してしまう、添付書類に漏れが出る、独立性の判断を誤るなどのミスが生じると、補正や申請の取り下げで時間と手間が余計にかかります。相続前に区分登記を済ませておきたい場合や、売買・融資の予定がある場合は特に、期限内に確実に完了させることが重要です。
土地家屋調査士への依頼を検討する際は、まず「見積もりだけ」で相談できる事務所も多いため、複数に問い合わせて比較するのがおすすめです。
参考:建物区分登記の費用の具体例については、以下のページで詳しく解説されています。
区分建物表題登記 費用の例|土地家屋調査士 はやし事務所(名古屋市緑区)

建物区分登記の申請書を出す前に確認すべき「独自視点」の注意点:相続税への影響

建物区分登記は、単なる「建物の分け方の手続き」にとどまらず、将来の相続税にまで影響を及ぼす可能性があります。これは多くの人が気づいていない盲点です。
二世帯住宅を例に挙げます。世帯と子世帯が同居している場合、登記の形態によって「小規模宅地等の特例」が使えるかどうかが変わってきます。
– 区分登記(区分建物として2戸に分ける)の場合:各世帯が別々の不動産として登記されるため、「同居」とみなされず、小規模宅地等の特例(土地評価額を最大80%減額できる制度)の適用が受けられないケースがあります。
– 非区分登記(一棟まるごと一個の建物)の場合:「同居の親族」として扱われやすくなり、要件を満たせば特例が適用できます。
小規模宅地等の特例は大きいですね。例えば、評価額5,000万円の土地が4,000万円減額されて1,000万円の評価になれば、相続税額が数百万円単位で変わることもあります。
区分登記によって固定資産税の軽減措置(住宅用地の特例)を複数回受けられるというメリットがある一方、相続税の面では不利になるケースがあります。このトレードオフは、税理士にも事前確認することが大切です。
建物区分登記の申請書を出す前に、「本当に区分登記すべきか」「非区分のまま一棟として登記すべきか」を土地家屋調査士と税理士に相談して決定することを強くおすすめします。すでに区分登記が完了している場合でも、要件によっては「建物合体登記」によって一棟の建物に戻すことができる場合もあります。専門家への事前確認が条件です。
参考:二世帯住宅の登記形態と相続税・小規模宅地特例の関係については、以下が参考になります。
構造上の独立性と利用上の独立性が区分所有を左右する(相続税への影響解説)

コスパ最強! のぼり旗 不動産なんでもご相談ください (W600×H1800) 集客 幕 旗【NO.4744】不動産 売地 売家 分譲中 オープンハウス