除籍謄本はコンビニで本籍地以外から取得できるか
実は、除籍謄本をコンビニ交付で取れると思い込んで役場に行かず、相続登記の締切に間に合わなかった事例があります。
除籍謄本とはなにか、戸籍謄本との違い
除籍謄本とは、戸籍に記載されていた全員が結婚・死亡・転籍などによっていなくなった状態の戸籍の写しです 。一方、戸籍謄本は現在も有効な戸籍の写しを指します。この違いが、書類取得の手段に大きく影響します。
参考)除籍謄本とは?コンビニで取れる?取り方や戸籍謄本との違い
不動産業では相続案件で双方を扱う機会が多いですが、扱いは全く異なります。除籍謄本は被相続人(亡くなった方)の「出生から死亡までの一連の戸籍」を追う際に必ず必要になる書類です 。つまり相続登記の根幹をなす書類です。
参考)除籍謄本って?相続で必要な理由。取得できる場所・保管期間
なお、除籍謄本には有効期限が設けられていません。内容が変わることがない性質上、一度取得すれば繰り返し使用できるメリットがあります 。これは知っておくと便利な点です。
| 書類名 | 対象 | コンビニ交付 | 手数料(窓口) |
|---|---|---|---|
| 戸籍謄本 | 現在の戸籍 | ✅ 可能(要マイナンバーカード) | 450円/通 |
| 除籍謄本 | 全員が除籍された旧戸籍 | ❌ 不可 | 750円/通 |
| 改製原戸籍謄本 | 制度改正前の旧バージョン戸籍 | ❌ 不可 | 750円/通 |
除籍謄本のコンビニ交付が不可な理由と制度の仕組み
マイナンバーカードを使ったコンビニ交付サービスで取得できるのは、現在の戸籍(戸籍全部事項証明書・個人事項証明書)に限られています 。除籍謄本や改製原戸籍謄本はシステム上の対象外です。
参考)原戸籍(改製原戸籍)とは?取り方や取得場所、戸籍謄本との違い…
理由はシステムの設計にあります。コンビニ交付はリアルタイムで自治体サーバーにアクセスして発行しますが、古い除籍簿はデジタル化されていない自治体も多く、オンラインでの即時発行に対応できていないのです 。「マイナンバーカードさえあれば何でもコンビニで取れる」は正しくありません。
参考)本籍地以外の戸籍謄本をコンビニ交付で即日取得する手順(マイナ…
また、本籍地と現住所が異なる場合でも、コンビニで取得できるのは現在の戸籍謄本のみです 。この場合は事前に「利用登録申請」が必要なうえ、本籍地の自治体がコンビニ交付サービスに対応していることも条件になります 。対応自治体かどうかの確認が条件です。mufg+1
参考:コンビニ交付の公式案内(地方公共団体情報システム機構)
コンビニエンスストア等における証明書等の自動交付【コンビニ交付】
令和6年3月施行の広域交付制度で除籍謄本取得がどう変わったか
令和6年3月1日の戸籍法改正により、全国どこの役場窓口でも除籍謄本を請求できる「広域交付制度」が始まりました 。これ以前は、除籍謄本は原則として被相続人の「本籍地の役場」にしか請求できませんでした。
これが実務に与えるインパクトは大きいです。たとえば、被相続人の本籍地が北海道にある案件でも、東京の役場窓口で除籍謄本を取得できるようになりました 。移動コストと時間が大幅に削減されたということです。
ただし、広域交付にも注意点があります。相続等でさかのぼった戸籍証明書を請求する場合は、本籍地への確認作業が発生するため即日交付できないケースがあります 。複数の戸籍が絡む案件では事前に役場へ確認を入れるのが確実です。手数料は除籍謄本1通750円です 。city.akita+1
参考:法務省・戸籍法の一部を改正する法律について
戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)- 法務省
除籍謄本の郵送申請の手順と相続登記スケジュール管理
広域交付制度が始まった後も、郵送申請は現役の取得手段です。本籍地が遠方で役場への出向が難しい場合や、代理人が動けない場面では郵送請求が選択肢になります 。3つの取得方法があります。
参考)相続手続きに必要となる除籍謄本を迷わずに取得する方法とは?|…
郵送申請の流れは次の通りです。
- 📄 申請書(自治体HPからダウンロード)に記入
- 💳 手数料分の定額小為替を郵便局で購入
- 🪪 本人確認書類(マイナンバーカード・運転免許証など)のコピーを同封
- 📮 本籍地の市区町村役場あてに郵送
請求から受け取りまで通常1〜2週間かかります 。急ぎの案件では速達を使うか、広域交付で窓口請求するほうが確実です。
不動産業の相続登記実務では、書類の収集に時間がかかると登記申請期限(令和9年3月31日までに相続登記義務化対応)に影響します。郵送請求は余裕をもって2週間以上前に着手するのが基本です。これを怠ると後の段取りが大幅に狂います。
除籍謄本が廃棄・取得不能になった場合の不動産業者が知るべき対応策
不動産業者が見落としがちなポイントが、除籍謄本の「保存期間」です。除籍謄本の保存期間は現在150年(除籍の翌年起算)ですが、平成22年(2010年)の改正以前は80年または100年でした 。明治・大正期の古い除籍はすでに廃棄されているケースがあります。
これが相続登記に直結する問題になります。廃棄されて除籍謄本が取れない場合、役所から「取得できないことを証明する書類(廃棄証明書)」を発行してもらいます 。さらに、相続人全員が「他に相続人はいない」旨の上申書(実印押印・印鑑証明書付き)を作成し、廃棄証明書と合わせて法務局へ提出することで相続登記が可能になります 。matsuda-fujisawa+1
書類が揃わなくても登記は通せるということです。ただし手間が相当かかります。
このような複雑な案件では、司法書士や弁護士へ早期に相談することが時間的・コスト的なリスクを下げる最短ルートです。初動で相談先を決めておくと、後工程がスムーズになります。
参考:除籍謄本が取得できない場合の相続登記実務(司法書士解説)
戸籍が廃棄されていて取得できない!? – 川崎相続登記相談

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