資産の譲渡 消費税の課税判定と非課税資産の見極め方

資産の譲渡と消費税

建物を無償で役員に贈与しても消費税が課税されます。

この記事のポイント
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資産の譲渡の定義

売買・代物弁済・交換・現物出資など対価を得る取引が課税対象

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非課税資産の代表例

土地・有価証券・売掛債権は消費税の課税対象外

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みなし譲渡に注意

無償譲渡や時価の50%未満での譲渡は時価で課税される


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資産の譲渡における消費税の基本的な課税要件

 

消費税の課税対象となる資産の譲渡には、4つの要件があります。国内で行われること、事業者が行うこと、事業として行うこと、そして対価を得ることです。これらすべてを満たす取引が課税の対象になります。

参考)No.6145 資産の譲渡の具体例|国税庁

「資産の譲渡」とは、資産の同一性を保持したまま他人に移転させることを指します。売買だけでなく、代物弁済、交換、現物出資なども含まれます。つまり、所有権が移転する取引全般が該当するということですね。

参考)【国税庁】消費税の課税対象「資産の譲渡」の具体例

課税対象となる資産は幅広く、商品の販売、事業用の建物・機械・備品の売却、特許権などの無体財産権の譲渡などが含まれます。対価を得て行う取引であれば、ほぼすべての資産の移転が課税対象となります。

参考)【国税庁タックスアンサー|消費税】No.6145 資産の譲渡…

資産の譲渡で消費税が非課税となる主な取引

土地の譲渡は、消費に負担を求めるという消費税の性質に馴染まないため非課税とされています。土地は消費されるものではなく、資本の移転にすぎないという考え方が基本です。借地権などの土地の上に存する権利も同様に非課税です。

参考)不動産取引にかかる消費税(課税・非課税の考え方)|税務トピッ…

有価証券や株式、社債も金融商品の一種として消費税の課税対象外となります。売掛債権や未収入金、法律上他人に請求できる権利についても非課税資産に該当します。これらは資産の譲渡ではあるものの、社会政策的配慮から非課税とされています。

参考)消費税の非課税取引とは|免税取引との違いや不課税、対象につい…

保険料も社会政策上の配慮により非課税です。各種保険適用の療養費・医療費・入院費や介護保険サービスの提供も非課税取引に含まれます。

非課税が原則です。

資産の譲渡におけるみなし譲渡の適用範囲

法人が資産を役員に無償で譲渡した場合、実際には対価を得ていなくても、時価で譲渡したものとみなされ消費税が課税されます。これは、法人が購入時に負担した消費税を、役員への譲渡で還付させないための措置です。

事業として対価を受けたものとみなされます。

参考)対価がないのに消費税の対象?「みなし譲渡とは」(R7.8月号…

時価の50%未満の金額で資産を譲渡した場合も、みなし譲渡として時価で課税されます。

ただし、棚卸資産の場合は例外があります。

仕入価額以上かつ通常販売価額の50%以上であれば、著しく低い金額には該当しません。

個人事業者が販売する商品や事業用資産を家庭で使用した場合も、その時点で時価により譲渡したものとみなされます。家事消費と呼ばれるこの取引も、消費税の課税対象です。

見逃せないポイントです。

参考)https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shohi/10/01.htm

不動産における資産の譲渡と消費税の計算方法

土地付き建物を一括で譲渡する場合、建物と土地の消費税を別々に計算する必要があります。建物は課税売上、土地は非課税売上として処理します。契約書で建物と土地の対価の額が合理的に区分されていれば、その区分に従って計算します。

参考)https://www.mirainosmile.com/media/118

区分が合理的でない場合は、時価の比率で按分して計算します。例えば、3,000万円の戸建(建物2,000万円・土地1,000万円)を売却する場合、建物価格2,000万円に対して消費税を算出します。

土地価格には消費税は含まれません。

参考)建物と土地を同時に譲渡した場合の消費税法上の譲渡対価の区分

事業用建物の売却は、個人事業者であっても消費税の課税対象となります。資産の譲渡は、その性質上事業に付随して対価を得て行われるものも含まれるためです。益が出たか損が出たかに関わらず、譲渡価額に対して課税されます。

売却益への課税ではありません。

参考)消費税で間違わない ~ 固定資産売却の仕訳 – 税理士法人サ…

資産の譲渡における国内外取引の判定基準

資産の譲渡が国内取引に該当するかどうかは、譲渡または貸付けが行われる時に、その資産が所在していた場所で判定します。つまり、譲渡時に国内にある資産を売買しないと消費税は課税されません。

これが基本です。

参考)消費税の内外判定は4つのパターンで判定|素人のための消費税1

国内の事業者が、国内の他の事業者に対して国外にある資産を譲渡した場合、その譲渡は国外において行われたこととなり消費税は課税されません。

資産の所在地が判定基準となります。

参考)https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shohi/05/07.htm

輸出として行われる資産の譲渡は免税取引となります。ただし、国内の商社などを経由して行う輸出については、その事業者の課税資産の譲渡は免税となりません。輸出免税の適用を受けるには、輸出許可書や税関長の証明書を保管する必要があります。

参考)https://www.tky-ma.net/syou/

事業譲渡における資産の譲渡と消費税の扱い

事業譲渡代金については、株式譲渡と異なり消費税が発生します。ただし、譲渡対象となる事業全体の価格にそのまま消費税が発生するわけではありません。事業譲渡を構成する資産について、個別に課税資産・非課税資産に分ける必要があります。

参考)事業譲渡契約のサンプルと解説 – 弁護士法人クラフトマン I…

営業権(のれん)や動産には消費税が発生しますが、土地や売掛債権等には消費税は発生しません。有形固定資産として仕訳が行われる土地は課税資産と思われがちですが、事業譲渡の消費税計算では例外的に非課税資産です。

意外ですね。

参考)事業譲渡における消費税の取り扱いは?課税・非課税資産の分類か…

課税対象は設備・在庫・無形資産・営業権等で、土地や株式は非課税です。最終的には税理士と相談しつつ、課税資産を区分けし、契約書上も課税資産に対して消費税が発生するような記載にすることが重要です。

参考)事業承継時の消費税とは? 手法による違いや節税するポイントな…

国税庁:営業の譲渡をした場合の対価の額

事業譲渡における消費税の具体的な取り扱いについて、国税庁の公式見解が確認できます。

個人の不動産売却における資産の譲渡と税金

個人が不動産を売却する場合、消費税がかかることはほとんどありませんが、事業用の建物や駐車場用地の売却は資産の譲渡としてみなされ消費税が発生します。不動産だけでなく、車や時計、アクセサリーなどの動産も私生活の中で使っているものは消費税がかかりません。

参考)個人の不動産売却でも【消費税が課税されるケース】とは?

消費税はあくまで事業用の商品・サービスにかかる税金であり、私用の物にはかからないためです。個人だけでなく事業者であっても、生活用に使っている動産は基本的にすべて消費税の非課税対象となります。

私用なら問題ありません。

不動産を売却して利益が出た場合、その利益に対して譲渡所得税がかかります。譲渡所得税とは、売却価格から取得費や売却にかかった経費を差し引いた残りの金額に課される所得税と住民税のことです。所有期間が5年以下の短期譲渡所得は税率39%、5年超の長期譲渡所得は税率20%です。税金を引いた後の金額が実際の手取りとなる点を理解しておきましょう。


国税庁:No.6145 資産の譲渡の具体例

資産の譲渡における消費税の課税判定について、具体例とともに詳しく解説されています。


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